銀行の個室に連れていかれました

「田中さん(仮名)どうぞこちらへ」

銀行口座に入っている500万円を自分の持っている他の銀行の口座へ送金しようと思っていた田中さん。

自分の口座から他の金融機関の自分の口座に移行するだけなので明らかに詐欺ではありませんが、高額の振り込みなので止められてしまいました。

これはチャンスと思った銀行の偉い人。

「いつも窓口の一番奥の方に座っていたあの人は、支店長だったのか」

こう思いながら田中さんは個室に連れて行かれてしまいます。

銀行の個室なんて初めて入った田中さん。

今まで一度もお茶も出されたことがなかったのに丁寧にお茶も出されます。

なにをされるかのと思いきや・・・

「たくさんの預金をお持ちの田中さんにおすすめのものがあります。」

「お仕事で成功されたのですね。」

あらゆる手段で褒められまくる田中さん。

田中さんは個人事業主の代表を務めていらっしゃいます。

そしていざ説明を受けたのは、投資信託のパンフレット。

あの手この手で送金を阻止し、その預金を元手に金融商品の販売を試みる。

向こうもプロなので、普通だったらそのままこの支店長に負けてしまうところです。

しかし田中さんはなんとか、

「ちょっと時間がないので。。。」

と、個室を逃げ出すようにして抜け出してきたそうです。

この日は結局、目的としていたお金の移動も出来ずそのまま帰ってきてしまったそうです。

こんな話を私にしてくれました。

ノルマが課せられた人と付き合うと

なんでこういうことになってしまうのか?

いつもお付き合いしている金融機関の人に私は気になって聞いてみました。

実は田中さんが銀行へ行ったのは、『3月31日』その銀行の担当者が教えてくれたのは、

「銀行は毎月の預金残高と融資残高の目標があるんですよー。だから小さな支店だと1日に500万円も引き出すのを何としても止めたかった

のでしょうね。」

預金残高とは、お客さんから預金されているお金の合計。

融資残高とは、住宅ローンや車のローンなど人にお金を貸したお金の合計です。

そういうもんなのですね。納得した私。

だから他の金融機関にただ送金することは阻止したかったのでしょうか。

それならまだしも投資信託のセールスが始まるとは、なんだかなあという感じですよね。

自分の預金すら必要な時にすぐにノーストレスで自由に引き出させてくれない。

本当にそんな話があるのかと、正直驚きました。

ノルマに追われた住宅営業マンも

これは住宅会社にも言えます。

ノルマに追われた営業マンと家を作っても何だかもったいないなあと思います。

住宅業界は2種類あって、営業マンがいる会社と、営業マンがいない会社です。

家を建てる時に営業の人を介して打ち合わせをするのか、設計者とダイレクトに打ち合わせをするのか。

この大きな違いがあります。

大手の会社は営業マンがいるケースがほとんど、中小企業は営業マンがいないスタイルであることが多いですね。

実際のところ圧倒的に多いのは、前者の営業マンがいる住宅会社で家を建てている人です。

営業マンには事実上のノルマがあり、契約件数で成績をカウントされることが一般的なために、契約をしたら急に営業マンの態度が変わったという話もよく聞きます。

大規模な住宅会社に行けば業務を効率化されるために完全に分業制になっています。

規模の大きな会社で人手が足りていないほど、ビックリするほど営業マンの知識が少なかったりするものです。

しかし十分な比較なしに家づくりを進めた場合は、そんなもんかと思ってしまうことが多いでしょうし、営業マンよりもその会社の企画商品に魅力を感じる方も少なくありません。

家づくりって実はあまり会社がどうこうで差は出にくくて、あなたの担当者が誰になるのかで満足が大きく左右します。

以前わたしのところに、大手ハウスメーカーで建設中のお客さんがいらして資金計画をお手伝いしたことがありますがびっくりするくらいのトラブルが連続していました。

掘り下げていくと営業担当者に問題があるのは明確でした。

ここでは内情まで詳しく書けませんが、ネームバリューだけで選んで大失敗したというケースは実は少なくないのです。

保険の無料アドバイスにも気を付けて

あなたが生命保険のことをよく分かっていなければ保険会社の人があなたに保険を売ることはいとも簡単。

あなたをその気にさせる作りこまれたマニュアルが保険会社には存在しています。

保険会社に入社したあとは、研修でみっちりこのあたりを叩き込まれます。

基本的には病気やケガ、老後などの不安な話をしたりしてお客さんの感情をどれだけ動かせるか、みたいな感じだったと記憶しています。

しかしマイホーム予算診断書を作っていくとその保険料が払えずに5年後に赤字に迎えてしまう人が1か月だけでも2組もいらっしゃいました。

共通するのは、運用系の保険の加入者です。

貯金だからといって入っても保険の場合は、途中解約のペナルティが厳しく、長期間継続して支払うことができなければメリットはそう多くはありません。

最近ではNISAやiDeCoなどが一般化してきており、どう考えてもそちらで資産形成をしたほうがメリットが多いのです。

一言でいうと、それに単に気づけるか気づけないかで人生のお金を大きく変わってくるということです。

将来の家計の見通しを立てずに、今現在の感覚だけで保険に入ると無駄になってしまう確率が極めて高いのです。

どんなに中立的な立場を売りにしていても、保険屋さんは保険を販売しなければ生活が成り立ちません。

ショッピングセンターなどの立派な立地で営業を続けるためにはあなたに保険を売らなければいけません。

少し考えれば分かることです。

なのであなたの本当のベストが”保険が必要ありません”という結果にも関わらず、月々40,000円近い保険料を提案し実際に加入をしている方が本当に多いのです。

あなたが家を建てようと思ったとき、様々な誘惑や営業マンのノルマの巻き込まれる可能性があることをしっかりと認識してください。

そしてあなたが善意と思っている無料相談のほとんどがゴリゴリのセールスです。

そこで勧められたものを契約したことで人生で1,000万円以上損することはよくある話です。

つまり結果的に相談料が、1,000万円だったということでもあるのです。

私が無料相談をしない理由

私はこのような経緯もあって、何か具体的なアドバイスが必要となることについては無料相談はしていません。

相談は有料になりますが、無料相談の人たちができない提案をすることをモットーにしているからです。

とはいえ、相談料を支払う文化というのはまだ日本にはあまり根付いていないことも分かります。

これは性格的なこともあるかと思うのですが、無料相談であの手この手で商品を売るということに私はどうも抵抗を感じてしまって、それであれば相談者さんからお金をもらって、本当の意味での中立なアドバイスを行いたいと思ったのです。

世の中の大半のファイナンシャルプランナーは、無料で相談でできる代わりに保険を提案されると思います。

そのほうがあなたにとっても普通の感じですよね。相談にお金を払いたくないというほうが多数派でしょう。

無料相談でいろんな人にとにかく会って商品を売っていったほうが正直、私も稼げると思います。

しかし、他にしている人が多いのであれば、あえて同じことはしなくてもいいなと思っているし、回りくどい有料相談スタイルで対等に相談にのることにやりがいがあるので、長くこの仕事を続けていくには、正直であったほうがいいかなと個人的には思っています。

有料相談のぶっちゃけ型というスタイルは、今までにいなかったし、これからもあんまり出てこないと思います。

そんなに稼げないからです(笑)

もし私の活動に興味がある方は、ぜひ応援してくれると嬉しいです。

あなたがこれから家を建てようと思っていれば、力になれることは多いはずですよ^^

昆 知宏
新潟住まいのお金相談室代表。新潟の住宅会社の営業マンとして働いた後、売り手の立場ではなく買い手の立場に立って住宅購入の相談ができる場所を作る為に独立した。

保険や住宅を売ることを目的にしない住宅購入専門のファイナンシャルプランナーとして、100%顧客サイドで顧客の理想とする家を安心・納得して買えるようにアドバイスを行う。そのスタイルが支持され、新潟県全域から年間100件以上の相談依頼を受けている。

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