「家を建てたいけど、いったい新築っていくらかかるんだろう」
「調べれば土地や家の坪単価はわかるけど、トータル金額がピンとこない」
新築一戸建ては普段の買い物とは桁違いの金額。その上、独自の金額表示が多くてとまどいますよね。さらに注文住宅・規格住宅・ローコスト住宅といった違いや地域による土地の価格の違いがわかりにくさに拍車をかけています。
結論をざっくりお伝えすると、新潟の新築一戸建ての相場は以下の通りです。
新潟の新築一戸建て相場
依頼先 | 住宅価格 |
地場メーカー注文住宅 | 3000~3500万円 |
規格住宅 | 2400~3000万円 |
ローコスト住宅 | 1800~2500万円 |
※建物30坪とした場合の平均値
この記事では、新潟県の注文住宅・規格住宅・ローコスト住宅について、それぞれの価格帯の目安をわかりやすくご紹介します。
加えて、土地価格や実際の建築事例や住宅予算を考える上での重要なポイントも取り上げ、家づくりの第一歩をスムーズに踏み出せるようサポートします。
地域・住宅種類別のリアルな相場観を知り、より具体的なイメージをもって家づくりをスタートできるよう、ぜひ最後までお読みください。
目次
1. 2025年最新版!新潟の新築一戸建て市場
新潟の新築一戸建て相場
依頼先 | 住宅価格 |
地場メーカー注文住宅 | 3000~3500万円 |
規格住宅 | 2400~3000万円 |
ローコスト住宅 | 1800~2500万円 |
※建物30坪とした場合の平均値
実は、住宅全般の価格がここ10年で約1.5倍に上がりました。
10年前なら工務店で2000万円出せば建てられた住宅が、今は3000万円になっている状態です。そのため、周りに少し前に建てた方がいて話を聞けたとしても、あなたの参考にすることは難しいでしょう。
また、新潟県は持ち家志向から地場の住宅会社も多く価格競争がある一方、断熱性能にも力を入れています。同じ規模の住宅でも、他県の相場とは少し異なるかもしれません。
ちなみにこの記事での建物価格は外構・カーポート、簡易的な植栽などを含んだコミコミ価格で出しています。
なぜなら「見積もりが他より安いと思ったら、本当に「建物だけ」の価格だった。駐車場の舗装を頼んだら、他より高くなった。」という場合も往々にしてあるからです。もらった見積が相場より大幅に安い場合は、外構やカーポート、エアコンなどが含まれていない場合があります。
相場をしっかり知ることで、「どうしてこんなに安いんだろう?」と違和感に気がつくことができるようになります。
新潟で家を建てるのならば、新潟での最新の相場をしっかりおさえておきましょう。
1.1 新潟県の地場注文住宅相場は3000~3500万円

新潟の地場メーカーの場合、注文住宅の建物坪単価 総コミコミで100万円が相場です。
30坪だと3,000万円くらいのイメージですね。
2023年の住宅金融支援機構の調査によると、新潟の建物の大きさの平均値は約35.2坪。単純計算で約3520万円となります。
近年は予算削減のため、建物の縮小傾向にあります。
実際、2022年の平均値は38.3坪(126.7㎡)でした。わずか1年で3.1坪も減っています。具体的なイメージとしては6畳間+収納がまるっとなくなった感じです。
実際のお客様の事例をみても、注文住宅は3000〜3500万円ほどに収まることが多いです。
もちろんこれは中央値。注文住宅では、間取りに凝ったり、設備や資材をグレードアップさせたりと、こだわればこだわるだけ費用がアップしていきます。
坪単価100万円は一つの目安として考えておきましょう。
1.2 新潟県の規格住宅相場は2400~3000万円
近年増えているのが、この規格住宅です。
耳慣れない方もいるかもしれませんが、実は規格住宅は、住宅業界で主流になりつつあります。
規格住宅は設計や仕様が標準化されているため、注文住宅に比べてコスト削減が可能となります。セミオーダーでコスパの良い物を求める消費者に支持されています。
「間取りは普通でいいけれど、建物の性能はこだわりたい。」そんなニーズに応える住宅です。
耐震と省エネの性能を十分に満たしたものですと、坪単価の相場は80〜100万円程度です。30坪では2400~3000万円となります。
3,000万円を切って手に入れられる。
同価格帯の注文住宅よりも断熱などの住宅性能が高い。
間取りもふつうで悪くない。
このような理由で、近年人気があります。価格の開きは、単純に建物の性能の違いによるものが大きいです。
1.3 新潟県のローコスト住宅相場は1800~2500万円

ローコスト住宅とは一般的な注文住宅よりも建築費用を抑えた住宅のことです。規格住宅と明確な全引きはありません。
ですが坪単価が60~80万、建物の価格帯1000万円台の住宅会社が一般的にローコスト住宅とよばれています。
一昔前は坪単価50万円以下、建物が1000万円を切るような超ローコスト住宅もありました。ですが、建物に求められる基本性能や資材の高騰により価格帯が上昇。こちらも以前より値上がり傾向にあり、1000万円後半へと価格推移がみられています。
極端に価格が低い場合は、プランの内容に注意してみましょう。
・建坪がアパート並み
・性能が低い
・エアコン等の基本装備が含まれない
・別途工事扱いになる工事が多い
といったことがあります。
見積に含まれている内容に充分な注意が必要です。
なおローコスト住宅の場合、価格優先のため外構やカーポート工事は行わない場合も多いです。
2. 新築一戸建て相場と併せて知りたい新潟エリア別土地の相場

この章では、新築一戸建て相場と合わせて知りたいエリア別の土地価格相場を解説します。
土地から探す場合、土地価格は住宅予算に大きく影響する大事な要因です。
新潟の土地の価格は、市や区によって大きく違いがあります。一戸建てを検討する場合は、必ず把握するようにしましょう。
新潟県全域をみれば、土地の価格は一時期より落ち着いてきました。全体的にはゆるやかな下落傾向にあります。
ただし新潟市中央区、東区といった人気の高い地域は引き続き上昇中です。
普段意識することが少ない地価ですが、土地ごとの相場を知ることで自分の予算に合う土地かどうかを知ることができます。
土地の大きさは地域によってばらつき有るものの、新潟の市場では40~50坪が多数を占めています。
45坪がどのくらいの土地かというと、30坪前半の住宅を建て、2台の駐車スペースは取れる(敷地の形状による)けれども、庭は難しい。そのくらいの大きさです。
ここでは新潟市とその他県内の一部の市を取り上げて、1坪の価格と45坪の価格で相場をまとめてみました。
2.1新潟市 中央区の地価は郊外の5倍
新潟市内地域別 平均土地価格
地域 | 平均坪単価(円) | 45坪の概算価格(万円) |
中央区 | 355,401 | 約1,599 |
東区 | 223,948 | 約1,008 |
西区 | 195,073 | 約878 |
江南区 | 140,394 | 約632 |
北区 | 103,371 | 約465 |
秋葉区 | 87,506 | 約394 |
西蒲区 | 83,966 | 約378 |
南区 | 69,146 | 約311 |
参考元:土地代データ「新潟県2024年[令和6年] 公示地価」
新潟市中央区は、駅周辺や商業施設へのアクセスが良く、坪単価は20万〜50万円台と県内でも高水準です。
土地に対する需要が高いものの、売りに出される土地も少ないので値引きも難しいでしょう。土地だけで2000万円を超えることも珍しくなく、限られた予算のなかで住宅を建てたい場合には慎重な検討が求められます。
一方で、江南区や西区、北区といった周辺エリアでは平均坪単価が10万円台前後。同じ予算でも広めの土地を手に入れやすくなります。
幅広い価格帯のある新潟市内、利便性、広さ、価格のバランスをどうとるかが選択の分かれ目です。
【中央区から郊外に変更。土地の費用を抑えました】

2.2 長岡市・上越市・新発田市・三条市の土地の相場

新潟市以外の都市については、人口が多い市(※参考元:都道府県「新潟県の市町村」)4つに絞ってご紹介させていただきます。
長岡・上越・新発田・三条市 平均土地価格
市名 | 平均坪単価(円) | 45坪の概算価格(万円) |
新潟市(全域) | 72,772 | 約327 |
長岡市 | 138,300 | 約622 |
上越市 | 82,706 | 約372 |
新発田市 | 82,415 | 約371 |
三条市 | 38,266 | 約172 |
参考元:土地代データ「新潟県2024年[令和6年] 公示地価」
新潟市以外の市町村は基本的に新潟市より価格が低い傾向にあります。
ただし長岡市や上越市といったエリアでも、中心部と郊外で土地価格に大きな差があるのは同じです。
たとえば長岡駅周辺では坪単価が15万円から20万円程度となる一方で、周辺部にいくと10万円未満のエリアもめずらしくありません。
新発田市も同様で、場所により土地の価格は変動します。
坪7万円以下の土地もあれば、利便性の高い駅周辺で坪14万円ほどの分譲地もでています。全体的に新潟市内より広めの土地が多く、50坪前後で500~1200万が相場と考えておきましょう。
いずれにせよ、同じ市内の中でも価格差が大きいのが特徴です。
予算にあうよう、希望エリア、妥協できるエリアと広く構えて土地探しが出来ると多くの物件に出会える可能性が広がります。
3.新潟の新築一戸建て事例|総支払い額を確認
ここまで建物と土地の価格をそれぞれ見てきました。ですが、家の費用=土地+建物と単純に考えることはできません。
「諸経費」と呼ばれる税金や手数料などが必要です。費用は総額に応じて高くなっていきますが、250万円前後の場合が多いです。
この章では、よりリアルな一戸建ての価格感を感じていただくために、実際に新潟で竣工した事例のコミコミ価格をご紹介していきます。
建物価格は地盤改良や外構・カーポート、簡易的な植栽などを含んだコミコミ価格で出しています
3.1新潟市中央区の土地建物・諸費用込みの総予算2パターン

新潟市で群を抜いて地価の高い中央区。
・通勤通学の利便性がバツグン
・車が1家族1台でも回せる場合あり
・子どもの教育環境の選択肢が充実
「高いのは分かっているけど、それでも選びたい」と希望される方が絶えない地域です。
気になる土地代は1500〜2500万円が相場(50坪前後)。
上を見ればキリがないものの、土地建物合わせて5000万円前後が現実的かつ相場といえます。
新潟市中央区で、注文住宅を重視したケース。
利便性の高い立地を重視したケース。
それぞれをご紹介します。
【家と土地も予算内でこだわった総費用 5349万円】
土地:新潟市中央区女池 1,730万円
建物:地場注文住宅 3,315万円
諸費用 304万円

交通の便もよく、注文住宅で自分たちの暮らしになじむ家を建てられたので大満足です。
【土地が最重要視!新潟一等地に建てた総費用 5017万円】
土地:新潟市中央区関屋 2400万円
建物:ローコスト住宅 2280万円
諸費用 337万円

3.2新発田市注文住宅の土地建物・諸費用込みの総予算

【新発田市新築総費用 3920万円】
土地:新発田市 720万円
建物:地場注文住宅 3000万円
諸費用 200万円
3.3新潟西区注文住宅の土地建物・諸費用込み総予算
【新潟市西区新築総費用 4521万円】
土地:新潟市に築 1250万円
建物:地場注文住宅 3048万円
諸費用 223万円

建物も設計士さんとしっかり話し合って大満足の家づくりができました。
4.新築一戸建ての相場を把握した後の3つのアクション
ここまで、住宅価格の相場や新潟の土地の相場をご紹介してきました。
あの土地で注文住宅を建てるのは、やっぱり高いなあ。
実家の近くに規格住宅ならいけるんじゃない?
など、少しでも新居のイメージがわいてきたのではないでしょうか?
相場を把握したら、すぐにでも見積を取りに行きたくなる気持ちになっているかもしれません。
ですが家づくりをトラブルなく進めるためには、まず次の3つのことを家族で確認しておくのがおすすめです。
1.新居へ引っ越したい時期
2.新居の譲れない条件を話し合う
3.無理のない予算を確認する
具体的な内容についてご紹介していきます。
4.1新築へ引っ越したい時期を明確にする
あなたは新居に引っ越す時期は希望がありますか?
それとも「いい物件があれば」とのんびり構えているでしょうか。この時期を明確にしておくことはとても大切です。
「来年こどもが小学校に入学するから、今から家づくりをはじめよう」
もしそう考えているなら、ちょっと難しいかもしれません。
なぜなら、新築で家が建つまでには一般的に8~15か月程度の期間がかかるからです。


一般的な住宅購入期間比較

一般的に規格住宅は注文住宅よりも工期が短く、完全規格化された住宅メーカーであれば契約から引き渡しまで半年ほどの場合も多いです。
ただしこれはあくまで順調に「土地」や「住宅会社」が決まった場合。
この2つの決定が長引くと、その分期間が後ろに伸びます。
弊社のご相談者様で例を挙げるとは、
土地の場所を重視して土地探しだけで1年近くかかった方
半年かけて話をすすめたものの住宅会社が合わず、一度白紙に戻して相談室にいらしてそこから1年
という方もいらっしゃいました。
また、小規模かつ人気の工務店にお願いする場合は来年分まで工事の予定がいっぱい。ということも珍しくありません。
逆に早く戸建てを入手できる場合ももちろんあります。
たとえば完成済みの建売であれば、一番早く入手できます。
売買契約を締結してから入居までは3ヵ月程度のケースが多く、検討期間が短ければあっという間といえるでしょう。
いつか家を建てたい、と思っているのなら動くのに早すぎることはありません。
いつまでに入居したいのかを明確にして、早め早めに情報収集や資金計画を行いましょう。
4.2譲れない条件を話し合う
夫婦間で家や土地に関する譲れない条件を話し合っておくことも重要です。
「任せるよ」
「なんでもいい」
そう言っていた相手が、実は何でもよくなかった、なんてよくあることですよね。
夕飯のメニューや旅行先なら「じゃあ次はそうしよう」といえますが、家はそうはいきません。
家の見た目や性能、間取り、庭の有無など細かく分けてお互いの意見を確認すること。特に譲れない条件についてもしっかり共有しておくことで、実際の住宅購入へと進んだ時の家族間でのトラブルを防ぐことができます。
【作成例】後悔しないための譲れないポイントの確認リスト
項目 | MUST (譲れない条件) | WANT (できれば叶えたい) | 意見の相違ポイント 確認点 |
土地の場所 | 職場まで車20分以内 徒歩圏内公園あり | 中央区 | |
土地の条件 | 市道(除雪が入る) | 接道4m 南向き | |
外観 | 白や明るいグレー(妻) 黒×木材(夫) | ||
性能:断熱 | なるべく高くしたい(妻) ふつうでいい(夫) ※最近の性能を教えてもらう | ||
性能:耐震 | 耐震等級2以上 | 耐震等級3 | |
駐車場 | 2台 | カーポートあり | 3台ほしい(夫) |
玄関 | シューズクローゼット | ベビーカーをそのまま入れたい | |
・・・・ |
この表で上げている内容はごく一部です。
なるべく細かく分けて詰めておくことで、よりリアルな家づくりを進めることができるでしょう。
特に価格に大きく影響する居住地は重要です。
2. 新築一戸建て相場と併せて知りたい新潟エリア別土地の相場でご覧いただいたように、新潟市、とひとことでいってもかなり価格差に開きがあります。
私自身は北区に住んでいますが、「市内」といっても西蒲区までは車で約45分。場所によっては新発田や聖籠といった他の市町村に行く方が早いです。
市の中心である中央区(通勤通学に多くの人が便利)がやはり人気で、圧倒的に価格も高いです。ですが、中央区の人気エリアはなかなか土地も販売されず、せっかく出てきても超高額だったり建築条件付きという状況です。
通勤・通学・実家など、重視する条件は色々とあると思いますが、土地代がかかるとその分家にかけられる費用は減ります。
家がたってから「こんなはずじゃなかった」とならないために、新居では解決したい住宅の悩みや不満、新居で絶対に欲しい設備、家族の通勤に支障がないエリアについてしっかり確認することが大切です。
4.3ムリのない予算を明確にする
「むりのない予算なんて、銀行が審査するんだから大丈夫でしょ。」こう考えている場合は危険です。
なぜなら、住宅ローンの審査に通る金額と、家計に無理がない金額は必ずしも一致しないからです。
銀行はローン返済のためにあなたが生活を切り詰めようが、家族での旅行や外食ができなくなろうが、全く関係ないからです。
家を建てたら暮らしが厳しくなった。
毎月生活がギリギリで、お金のことで夫婦がギスギスしている…。
こんなことになってしまっては、せっかくの新居での生活が台無しですよね。
だからこそ、生活費はもちろん、教育費や老後資金、車の維持費なども見据えたうえで、安心して返済できる予算を明確にしましょう。
固定費とのバランスや、万が一に備えた貯蓄も考慮しながら、無理のない資金計画を立てることが、後悔しない家づくりの第一歩です。
5 新潟で、もっと具体的な住宅購入予算や一戸建て購入の資金計画を建てたいと思ったら新潟住まいのお金相談室へご相談ください

「家を建てること」はあなたの人生でおそらく最大の買い物になります。
その最大の出費に備えるために、FPとして「家づくりをきっかけに家計を見直し、将来設計を整える」つまりライフプランを作ることを何よりおすすめしています。

なぜなら、住宅ローンを組んだ3人に1人が借りすぎや借入期間の長期化で後悔しているからです。
ですが、実際に家を建てて住宅ローンを借り入れてしまってからでは、できる対策はほとんどありません。
だからこそ家を建てる計画の「最初」に、家計についてしっかり見直して考えることが大切なのです。
でも実際問題、それがとても難しいことも知っています。
自分お金のことは、考えても合っているのか不安。
銀行や住宅会社、ハウスメーカーのFPは大丈夫っていうけど、信頼できない。
不安はあるけど、先のことまでどうやって計画すればいいかわからない。
多くのご相談者様はこのようなお悩みを抱えて、マイホーム予算診断サービスを受けに来てくださいました。

私の提供するマイホーム予算診断サービスでは、家を買う前にライフプランを一緒に考えるサポートをしています。
住宅を売ることが目的ではないので、第3者の立場から本当に購入者の立場に立った診断とアドバイスを行うことができます。
「建てた後に後悔したくない」という方は、ぜひご活用ください。