糖質ゼロ!
カロリーゼロ!
アルコールゼロ!
こういった食品が目立っていますよね。
ビール系の飲料の棚に行くとゼロの飲み物がたくさんあります。
「ぱあーっと飲む時くらいカロリーなんか気にしてられるかー!」ということで我が家は、せいぜい350缶を2人で1週間に1回1~2本飲む程度なのでもっぱらビール派です。
ゼロ系の飲料は糖質やカロリー低くても、人工甘味料がかえって体に良くないような気もするのですがそんなこと言ったら、キリがないのでやめましょう。。
何事も“ほどほどに”、です。
そんな中・・・“家づくり”にも“ゼロ”が流行っています。
どんなゼロか分かりますか?
頭金ゼロの家づくり
はい、それは頭金です。
頭金とは、家を建てるときに使う現金のことですね。
銀行は大盤振る舞いで、自己資金ゼロでも大歓迎の世の中になってしまいました。
なってしまいました・・・?
なぜこういう表現かというと私が以前に住宅の営業マンとして働いていた時くらいの話、頭金ゼロの家づくりは厳しかったのです。
当時は住宅ローン金利も今より高く銀行も、現実的な額のローンしか貸してくれませんでした。
例えば、年収が370万円だと、ローンの限度は2,300万円ですね。
と、こういう感じです。
新潟市で土地建物を建てれば少なくても2,500万円~3,000万円は行くわけですから、足りない分は自己資金を出してください。
というわけです。
それが用意できなければ、“あなたは家を買うべきではない”とやんわりと銀行が教えてくれていたわけですね。
うん、本当にその通りだと思います。
当時は頭金を1~2割用意するのが当たり前だったわけです。
低金利で状況が激変
このあたり前は、今は完全に崩れています。
日本銀行のマイナス金利政策で住宅ローン金利が急落し、住宅ローンを借りるハードルが大きく下がりました。
むしろ「ハードルが低いぜ!」競争をしているとも見えます。
どれだけイージーに手続きレスでお客様にお金を貸し出すか。わずかここ数年でここまで様子が変わるとは驚きです。
従来は土地と建物に関係しない、いわゆる“諸費用”と言われる部分は銀行は貸したくないスタンス、もしくは住宅ローンとは別ローンで貸し出すスタンスだったのが、「ぜーーーんぶ含めて住宅ローンの低金利でお貸しします。」と方針が変わりました。
銀行によっては土地と建物以外の、例えば、家具家電・住宅取得に関わる税金・火災保険費用などぜーーんぶ貸してくれるようになったのです。
つまり本当の本当に、頭金ゼロでの家づくりが可能となりました。
よく考えれば35年もたない家具家電に35年も利息を支払ったり、家を買う時にかかる税金にまで35年間の利息をかけるなんてもったいない話なのですが、そういった価値のない部分にもローンを付けてくれるなんて便利すぎる時代になったものです。少なくても数年前には異常なことでした。
貯金なしで家を持つ意味
貯金があるけど現金を眺めているのが好きで全額ローンで借りたいとか、大きな支出があったばっかりで、たまたま今は貯金がない時期だったというケースならまだいいのです。
しかし貯金がなくて今の家賃と同じくらいだから全額ローンで買うというのは、とても危険な行為です。
このような選択をすると近い将来家計の支出が増えたときに、住宅ローンの圧迫感を感じます。
また何らかの理由で収入が下がった時も同じです。
両方同時に来たら目も当てられません。
頭金ゼロの問題点
デメリットをお教えします。
これは実際に私が実例として見ていることなので、フィクションではありません。
それは、
・返済が苦しくなった
・転勤
・家庭の事情
何らかの理由で家を手放すことになった場合に起こります。
一戸建ては、車と一緒で新品を買うと買った瞬間から価値が激減します。
ということは、
・土地800万円
・建物2,000万円
・諸費用200万円
という内訳だとすると、
・土地=800万円
・建物2,000×0.8=1,600万円(3年後の価値)
・売るときの諸費用100万円
こうなります。
800+1,600‐100=2,300万円が3年後に現金化できる価値と予測されます。
3,000万スタートの住宅ローンを3年返して2,800万円としても売却した場合、2,800‐2,300=500万円となり、ローン2,800万円に対して残る額が2,300万円ですから、500万円のローン超過となります。
この大部分が買った時と売った時にかかる諸費用に該当しており当然ながら無価値の部分になります。
これは3年でなくても、10年経過しても同じことです。
家を手放す人はもちろん最初から手放すつもりで買ったわけではありません。
これっぽっちも売るなんて思ってなかった人が自宅を売却することになり、苦労することがあるのです。
様々な諸事情で売却することになった時にローンを完済できないと、最悪“破産”となります。
頭金ゼロで家を建てるときは、そのリスクが大きく上がります。
頭金が少なくて、全額借入に近い形をとるケースはほど、その後の資金計画をしっかりと考えておかなければなりません。
保険や住宅を売ることを目的にしない住宅購入専門のファイナンシャルプランナーとして、100%顧客サイドで顧客の理想とする家を安心・納得して買えるようにアドバイスを行う。そのスタイルが支持され、新潟県全域から年間100件以上の相談依頼を受けている。