新潟で二世帯住宅のニーズが再び拡大中。失敗しないポイントと注意点

二世帯住宅を建てるポイントと注意点

新潟では最近、二世帯住宅を検討するご家庭が増えています。
実は10年ほど前にも二世帯住宅は流行しました。その後ニーズは大きく低下していたのですが、また需要が戻ってきつつあります。

背景にあるのは、主にこんな理由です。
・建築費の高騰
・土地価格の上昇
・親世代の高齢化(晩婚化で家を建てる子世帯の年齢が上がっていることもあり)
・共働き家庭の増加。

「同じ敷地内で支え合える住まい」を求める流れが強まっています。

特に新潟は四季の変化が激しく、夏の酷暑や冬の極寒の環境です。
夏は熱中症、冬は除雪の事故や買い物難民…高齢になった親世帯の暮らしは心配になりますよね。
そんな背景から。「近くに住む安心感」がほかの地域よりも感じやすいという点もあるかもしれません。

とはいえ、二世帯住宅は「建ててから揉める」「思ったより不便」という声も多いものです。逆に言えば、事前準備で満足度が大きく変わる住宅形態といえます。

この記事では、これから新潟で二世帯住宅を考える方に向けて、後悔しないためのポイントを専門家視点で整理 しました。

新潟で増加中の「共有型」二世帯住宅

完全分離型二世帯住宅より共有型二世帯住宅が増えている

大前提として最近の二世帯住宅は、『共有型』が多いということです。

10年ほど前に2世帯が流行っていた時は玄関やお風呂、キッチンも完全に別にした、『完全分離二世帯住宅』が多かった印象です。
しかし、今それをやってしまうと建築費がとんでもないことになってしまいます。予算の問題によって、今は玄関やキッチン、浴室など住宅設備のいずれかをシェアする『共有型』の二世帯住宅がとても多くなっています。

特にご両親のいずれかがなくなられて、夫婦どちらの親の1人(特に母)と同居するというパターンでの共有型が顕著に目立っています。共有型は設備をまとめることで費用を抑えられるうえ、家族同士の距離を柔らかく保てる点が支持されています。

しかしながら、ここで問題になるのは建築コストの増加からシェアする部分を多くしてコストダウンしているということ。本来、「予算があれば別が良い」わけです。
完全分離型より家が小さくなる共有型の二世帯住宅ほど、注意点が増えます。

特に問題になりやすいのが、“生活動線が重なり、気をつかう生活になる” という点です。

二世帯住宅で最重要なのは暮らしの動線

親世帯と子世帯では、生活スタイルが基本的には異なります。その違いを事前に丁寧に確認しておかないと、生活にストレスを感じてしまいます。

たとえば…

  • 玄関が共用だと、物があふれやすい。
  • 片付いてないとどちらかが気になる。
  • 洗面やトイレが狭いと家族の移動が重なる時間に混雑しやすい
  • LDKが共有だと逃げ場がなく、自宅でリラックスできない
  • 生活時間が異なると料理や家事の音がストレスになりやすい
  • 洗面所が脱衣場と一緒だと立ち入り禁止時間が長くなる
  • 寝室の配置(寝ているときの音は気になりやすい)

こんな感じです。
特にリビングや寝室のように滞在時間が長めの部屋の配置はとても重要です。特に寝室は世帯ごとに対角に離れるくらいを意識した方が、トラブルが少ないでしょう。

さらに...

・室内干しスペース
・駐車場スペース
・階段の配置
・トイレの位置

こうした細かな部分まで二世帯として最適化しておく必要があります。
二世帯住宅では、家族同士の距離が近りメリットがある一方で、ちょっとした習慣の違いが負担になることもあります。お互いの価値観を尊重しながら、無理のない暮らし方を話し合う。これが、長く快適に暮らすための重要なポイントになります。

これを「家族なんだから大丈夫」と怠ってしまうと、「動線が破綻した家」、つまりストレスだらけ家となってしまうケースが少なくありません。

二世帯住宅は間取りの制約が大きい

二世帯住宅の場合は、親が高齢化している(する)ことが前提です。間取りにも制約を受けることになります。

具体的にいうと、身体能力的に両親の生活スペースは1階中心になることが王道です。すると、あなたや子のスペースや必然的に2階になります。

その他にも、 親の加齢・介護フェーズまで見据える間取りで作っておくのが最適解でしょう。

介護が必要になった場合に備えて、両親の寝室とトイレを近くにする。
手すりや車イスが必要になった時のことを考えれば、玄関から両親が利用するスペースの廊下を広めにする。バリアフリー化しておくことも重要です。

また、あなたから見て義理の親と同居する場合は、あなた自身のに逃げ場所も作っておいておいた方がよいでしょう。寝室とは別に、部屋まではいかずとも2,3畳の扉がある書斎などは絶対にあった方が良いと思います。

ここまで読んでいただいた方は、二世帯住宅で暮らしやすい間取りを作る難しさを感じているのではないでしょうか。

二世帯住宅こそ、間取りは最重要課題として設計士とじっくり家づくりをすることが極めて重要です。

親の土地の名義変更は“早くしすぎると損をする”ことも多い

二世帯住宅のお金の相談で非常に多いのが土地の名義変更のタイミングです。

「親の土地を、建築前に自分名義に移したほうがいいの?」

私もこのように聞かれることが多いです。
ケースバイケースですが、急いで名義変更しないほうが税金上有利 になることは珍しくありません。

理由は以下の通りです。

  • 事前に土地を名義変更すると生前贈与扱いになり、贈与税の対象になる可能性
  • 相続時のほうが課税評価が低く済むケースが多い

特に新潟では、「親の敷地の一部を使って建てる」事例が多いっです。そのため、土地の評価・分筆・名義の扱いが非常に重要です。

誤った判断で「思った以上に税金がかかった」となるケースもあります。
所有されている財産の総量にもよるので、一概には言えません。ですが、多くの場合は建てる前に名義変更(生前贈与)せずに、相続時に名義変更をするケースがメリットがある事例が多いように思います。

二世帯住宅の防止には固定費の分担ルールも重要

二世帯住宅でもっとも揉めるのがこの「生活費」「固定費」の話。

それは光熱費、日用品代、水道代、共有スペースの費用負担

建てたあとに曖昧なままだと、
「どこまでが親の負担?」
「思ったより使っている気がする…」
という不満が積み上がりやすいです。

最低限、以下は必ず事前に決めておく必要があります。

  • 電気・ガス・水道を折半にするか
    ⇒1年住んで1年平均を出して、半分にする?面積割合で割る?※分離型の場合はメーター分離も可能
  • 修繕費の費用をどう負担するか
    ⇒例えば母の部屋のエアコンが壊れたら、母が負担?それとも建物所有者のあなた?
  • 日用品や食費の分担
    ⇒共働きで子どもがいる場合は、親に子どもの面倒や食事を見てもらうことが多くなるが、その分のお金は発生させていない?
  • 将来の介護フェーズに入ったときの費用
    ⇒家に住めなくなって施設に入っても引き続き同じルールで運用するの?

などなど。日常からもしものお金まで、話し合うべきことはたくさんあります。

二世帯住宅を避けた方がいいかの見極めポイント

お金のことを話し合うのは、親子でも気が重いことが多いですよね。
そしてこれが非常に重要なポイントです。
事前の話し合いの段階で感情がぶつかることが多いなら、そもそも二世帯住宅は避けたほうがいいです。

「そんな細かいお金まで言ってくる子に育てた覚えはありません!」

なんて事前の相談で言われてしまったら、その先は思いやられますよね。私自信も親とこの手の話をもしするとなると、一筋縄ではいかないイメージがあります。
我が家は親との二世帯住宅にはしませんでした。

家づくりは後戻りできません。

最初に「難しい」と感じる関係性のまま二世帯を選ぶと、
生活が始まってからさらにきつくなります。

二世帯住宅はメリットも大きいが“準備の質”がすべて

このように現実的に二世帯住宅の特徴を見てきましたが、もちろんメリットが多いのも事実です。

  • 子育てのサポート
  • 故の、共働き正社員による家計の高収入化(ここが一番大きいかもです)
  • 生活コストの節約
  • 親の見守り
  • 土地活用の効率化

このように、金銭的にも精神的にも大きなメリットがあります。

特にお金の面でいえば、そのメリットは相当に大きく家計にやさしい選択肢となることは間違いないでしょう。

しかし、細かいルール決めがあいまいであったり、人数に対してコストの制約から狭すぎる家を建てると、“建ててから後悔する家” になりやすい住宅形式でもあります。

だからこそ新潟で二世帯住宅を検討中の方は、事前の準備が通常以上に必要となるのです。

・土地名義の最適なタイミング
・二世帯動線チェック
・固定費の分担ルール作り
・親の将来まで織り込んだ生活設計

これらを事前に整理するだけで、後悔のリスクを大きく下げられます。

二世帯住宅は“家族の未来”を左右する大きな選択。
どうしても家が大きくなり金額も大きくなってくるため不安や迷いがある方は、家づくり前のライフプラン相談でしっかり方向性を定めてから進めるのがおすすめです。

二世帯住宅でどこまでお金をかけられるかを知りたい方もマイホーム予算診断サービスをご活用ください。

昆 知宏
新潟住まいのお金相談室代表。新潟の住宅会社の営業マンとして働いた後、売り手の立場ではなく買い手の立場に立って住宅購入の相談ができる場所を作る為に独立した。

保険や住宅を売ることを目的にしない住宅購入専門のファイナンシャルプランナーとして、100%顧客サイドで顧客の理想とする家を安心・納得して買えるようにアドバイスを行う。そのスタイルが支持され、新潟県全域から年間100件以上の相談依頼を受けている。

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