令和4年版 家計の見直し最新思考 

物事がバージョンアップするごとに、【1.0→2.0→3.0】と表記することがありますよね。

その時代に沿った有効な選択肢として最先端の情報を提供する。これもファイナンシャルプランナーの仕事の一つとも言えます。

時系列で家計の見直しの流行というか手段を見ていくと、今は家計の見直し3.0まで進化している状況です。

家計見直し1.0:固定費

家計見直し2.0:資産運用

家計見直し3.0:収入の複線化

あなたは今どの段階にいるでしょうか?

「固定費の見直しはとっくに完了したよ」という方は少なくないと思います。
そして既に3.0に着手済みという方も少しずつ相談室にいらっしゃるようになりました。

家計の見直しとしてどの解決策も効果があることです。

今日はそれぞれを改めて順番に見ていきましょう。

家計見直し1.0:固定費

固定費の見直しは、5年前くらいに一気に流行り出しました。具体的には生命保険と通信料金の見直しです。

私がFP事務所を独立したてのかなり昔にも書いたのですが、あなたは『三大奪い合い市場』という言葉をご存知でしょうか?

1つ目は、生命保険。
2つ目は、通信料金。
3つ目は、住宅ローン。

この3つのことを『三大奪い合い市場』と呼ぶそうです。

この3業界。血を血で洗う業者競争・顧客の奪い合いが繰り広げられています。
”解約→新規→解約→新規”という乗換契約が横行。競争が過熱しすぎて、一時期はサービス合戦がエライことになっていました。

通信料金は菅総理大臣の時に大手キャリアの格安プランが発売。そこに(今は0円ではなくなってしまいましたが)楽天モバイルも加わり競争激化。

スマホ料金の見直しを実際に行った方は多かったのではないでしょうか。

生命保険は通信費や会社やプランを変えても、日々の生活の質の変化がありません。

そのために気軽にできて効果の大きい家計の見直し方法として大きく注目されました。
まだの人は絶対に行ったほうがいい、今も昔も王道な家計の見直し方法です。

家計の見直し2.0:資産運用

次は2年前くらいに一気にブームが来たもの。

当時は10人に1人くらいしか行っていませんでしたが、今は2人に1人くらいは行っている印象があります。ここ最近で一気にブレイクを果たした家計の見直し方法。それは資産運用という名の、つみたてNISAですね。

つみたてNISAとは
投資信託を買って運用→本来、20%課税される利益が非課税になる
という制度です。

今まで銀行で貯金していた分を、運用して増やしていきましょうというものです。

固定費を削って、その分をつみたてNISAに回すという方法が王道です。
固定費を見直さなければ元々なかったようなお金。極端な話、無くなっても損はない。そう考えれば心理的にも始めやすいですよね。

つみたてNISAは1人年間40万円(月あたり33,333円)可能。ですが、満額よりも1、2万円くらいで行っている方が多い印象があります。

もちろん運用なので時価が上がったり、下がったりします。
ですが銀行預金に入れていても増えないし、このインフレで同じ現金で交換できるものがドンドン少なくなってきている。この状況で今年に入って運用に取り組む方がさらに増えてきました。

過去に家を建てた相談者様からも、つみたてNISAの相談はよく頂きます。興味関心が一気に高まっていることが分かりますね。

教育費や老後資金を、預金よりも増やす可能性にかけたい。そう考える方は、非課税という強力な武器がある「つみたてNISA」は最適な制度と言えます。

これから始めたい人は?

これから始めようと思っている方は、SBI証券や楽天証券のネット証券を検討すると良いと思います。

しかしながら、1つ難点があります。つみたてNISAを始めるベストな手段の1つ、ネット証券の開設サポートは誰もしてくれません。

ビジネスとしてお金にならないので相談相手が極端に少ないからです。そのため、そこは独学で頑張る必要があります。

最近はそこに目を付けたユーチューバーが無料で良いコンテンツを提供しています。(広告収入が望めるので)
分かりやすい解説が増えたことも、つみたてNISAに取り組む人たちが増えてきた要因の1つでしょう。

家計の見直し3.0:収入の複線化

次はコロナ禍になってからジワジワ火がついて、次のブームになりえるものです。

それは副業や趣味を収益化(マネタイズ)することによって本業以外から収入を得ることです。

方法としては以下のようなものがあります。

・フリマサイトを使ってハンドメイドや不用品を収益化、またはせどり
・仕事のスキルを勤務先以外に提供して収益化
・趣味をブログや動画で収益化
・配当が出る株を買って収入を得る

以前よりもモノや能力をお金に変換しやすい時代。副業だけで月数万円から十万円以上稼ぐ方も目立つようになってきました。

確かに多少手間を使ってよければ、フリマサイトを使った収益化は実現できそうな気がします。

趣味のブログや動画を作って、そこから収益になれば楽しそうですよね。

特にそういったものがなければ、配当金が多くもらえる株(高配当株と言います)を買って定期収入を得るという方法もあります。

老後に大きくお金を増やしたいというよりも、今コツコツと定期収入を増やしたい。という考えなら、敢えてつみたてNISAではない方法で資産運用をするといった選択肢もあるでしょう。

セミFIREという価値観

配当金だけで仕事をせずに暮らす方法をFIRE「Financial Independence, Retire Early(経済的自立と早期リタイア)」と呼び、書店にもベストセラーコーナーにマネー本が目立つようになりました。

仕事を完全に辞めるのではなくて、お金目的ではなく好きな仕事、もしくは無理のない雇用形態で続ける。その上で本業以外の収入を複線化することで、力を抜いて自由に生きる価値観が最近は注目を集めています。

完全なFIREではなく、セミFIREという価値観だそうです。確かにそれは私も良さそうに思います。

こんな感じで固定費からスタートした家計の見直しも時代を経て新しい考え方が増えてきています。

今を楽しんだり、将来に選択肢を増やすという意味でもお金のことは真剣に考えて損は全くないでしょう。

PS

それぞれの家計の見直しも大事ですが、あなたがこれから家を買おうと思っていたら最も大事なのは住宅ローンの固定支出を無理なく計画することです。

家計の見直し1.0~3.0はいつでもカスタムできます。しかし、住宅ローンは借り換えこそできるもののあとから借金を減らすことはできません。

あなたの家計の無理のない借入額を知りたいなら、マイホーム予算診断サービスを受けてみてください。

昆 知宏
新潟住まいのお金相談室代表。新潟の住宅会社の営業マンとして働いた後、売り手の立場ではなく買い手の立場に立って住宅購入の相談ができる場所を作る為に独立した。

保険や住宅を売ることを目的にしない住宅購入専門のファイナンシャルプランナーとして、100%顧客サイドで顧客の理想とする家を安心・納得して買えるようにアドバイスを行う。そのスタイルが支持され、新潟県全域から年間100件以上の相談依頼を受けている。

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