契約リミット新築住宅は、2021年9月末。
マンションや中古住宅は2021年11月末まで。
2022年末までに家を完成させて入居。
これを満たせば13年間ローン減税が適用される。
はい、とりあえずこれで決着です。
今から家づくりを考えている人は、
恩恵を存分に受けたいのであれば
2021年9月末までの完成を目指すというのが
当面の目標となることになりました。
この期限までに契約して建てるメリットは、
”建物の2%相当分”キャッシュバックです。
本来住宅ローン減税は10年間なのですが
3年延長して13年にして追加で
建物の2%相当分を減税するという
特例制度が期間延長となりました。
元々この制度はコロナ前に打ち出され、
消費税8%→10%になったときの
救済措置としてのものでした。
例えば2,500万円の家を建てた場合、
その2%にあたる50万円が、
減税されるという仕組みです。
減税なのでそもそも税金を支払っている人
(働いている人等)
に限っての話になりますがおそらく
この記事を読んでくださっている方の
ほとんどは20代~40代でバリバリ
お仕事をされていると思います。
2021年9月までに契約し2022年末までに
建てることで数千万円の2%分も違うので
中途半端に期限を跨ぐなら
期限内に完了したほうがいい
という理解で問題ないでしょう。
今回の制度改正点
基本的に有利な13年減税が延長と
なったのでこれから家を建てようと
思っているあなたにはメリットしか
ないという理解で問題ありません。
今までと違って変わったのは、
減税を受けられる建物の床面積が
【50㎡以上→40㎡以上】
へと緩和されることになりました。
夫婦だけの世帯や単身世帯が増えて
いることか面積の小さい住宅にも
減税の幅を広げるという意味合いの
ようです。
ただし40㎡~50㎡の住宅においては
所得制限1,000万円と上限があり
高所得者は対象外になります。
新潟で子育て世帯が一戸建てを建てる
という想定であれば、
床面積は50㎡は楽に超えますから
面積改正は特に気にすることではありません。
2022年以降に制度改悪の可能性大
2021年はこれまで通り有利な制度を
受けられるのは確定したわけですが、
2022年以降に家を建てる方にとっては
”改悪”になる可能性が出てきました。
それは、これです。
「再来年(2022)度より
住宅ローン控除は、
借入残高の1%または
その年に支払った利息総額のうち少ない方
の適用を検討する」
それって、何なに?どういう意味?
って感じですよね。
再来年度ですからとりあえず2021年組は
影響はしてくることはないのですが、
2022年度以降は住宅ローン減税は
かなり渋くなってしまうことが
濃厚な路線となりました。
これってどういうことかというと、
例えば2,500万円を借入した場合
現行は借入金額の1%である25万円が
あなたにとって戻ってくる税金の
最大値となります。
これくらいの額はまあまあ消化でき
夫婦共働きであればほぼ確実に
満額消化できる枠でした。
しかし新ルールでは、
その年に支払った利息の少ない方
となりますから、
例えば変動金利で0.7%などで
借りていると、
2,500万円の1%である25万円ではなく
2,500万円の0.7%である17.5万円が
戻ってくる税金の満額となります。
その差は7.5万円となり、
借り入れ当初の減税額は、
金利1%以下で借りた場合は大きく減額
となります。
元々1%を超えるような固定金利で
借りていた人には現行も新ルールも
違いは出てきませんが、
多くの人が変動金利で借りている実態を
見ると事実上の改悪となる可能性が高いでしょう。
考えようによっては1%までの利息部分は
補填してもらえるのは変わらないので
それだったら私だったら固定金利を
選ぶかなとかそんなことを思いました。
どうして改悪の見直しをするの?
このルール改定は納得できる部分が
多いのも事実です。
変動金利0.7%でローンを借りた人は、
現行ルールだと1%バックとの差額
1.0-0.7%である0.3%分が
まるまる得になっているからです。
つまり利息補助でもなんでもなくて
単純たるキャッシュバックになり
節税手段としてお金を持っている人の
住宅購入の鉄板のやり方になって
しまっている側面もありました。
現金で買うよりもお金を借りた方が
なぜかお金を多くもらえるという
仕組みになっていたからです。
マイナス金利なんて言う言葉が
最近はよく見かけますが、
例えば変動を0.7%と仮定して
住宅ローン減税を加味すると
0.7%-1.0%=▲0.3%となり
▲0.3%分をローンを組んだら
”お金がもらえるという状態”
に今はなっており名実ともに
マイナス金利になっているのです。
普通に考えればこれはおかしいので
制度に蓋をされてしまうのは
しょうがないですよね。
でも2021年中はまだOKみたいなので
特に世帯年収が高い人や貯金額の多い人ほど
来年中のメリットは大きいです。
2021年は家づくりにおいて今後
二度と訪れないボーナスステージに
なることが予測されます。
もちろん建てる時期はあなたの
タイミングというのが一番大事ですが
お金の話に限れば2021年は当たり年
ということになりそうです。
保険や住宅を売ることを目的にしない住宅購入専門のファイナンシャルプランナーとして、100%顧客サイドで顧客の理想とする家を安心・納得して買えるようにアドバイスを行う。そのスタイルが支持され、新潟県全域から年間100件以上の相談依頼を受けている。