住宅専門FPが教える 失敗しないライフプラン活用方法とは

「あなたは将来のことを考えて生活設計を立てていますか?」

こんなことをいきなり聞かれたらドキッとしませんか?

私は独身の時、あまりお金のことは考えず、入ってきたものをすぐ使うタイプでした。
結婚をしてからもガッツリ貯めるという感じではありません。
「今できることをしっかり楽しんでおきたいな」と思っていて、お金を積極的に使っているほうではありました。

例えば、ボーナスをもらったら半分以上旅行に使う。
憧れの車をローンで購入。
こんな具合でお金はあまり貯まりませんでした。

当時はファイナンシャルプランナー(FP)の仕事も勉強も始める前。
お金については真剣に考えていなく、将来のことを考えて生活設計はまったくしていませんでした。

若い時にお金を貯めすぎるよりも、経験できることはお金を出してでもしたほうがいい!派。
それはそれで結果OKだったと思っています。
20代だから楽しいと思えたこと、楽しめたことだったからです。

ライフプランを考えたきっかけは「家づくり」

ライフプランのことを真剣に考えだしたのは、家を建てることを考え始めた時。
借金は好きではなかったので、返済が重荷にならないことだけは気をつけたかったんです。
でも、結局具体的に何かアクションを起こしたわけではありませんでした。

何となく自分で根拠のない上限値を決定。
その範囲内で家を建てること程度。

ですが、この「何となく」は妻曰く数字とデータを愛する自分としては落ち着かないものでした。
家が建ってから少し立ってFPの資格を取り、具体的に考える根拠ができました。
無根拠だった住宅のローンの借り入れ金額もムリがないと確認。
将来の不安はかなり少なくなりました。

特に大きな違いは、今までと違い「収入の中でできること」を決めたからです。

自由にできないことも増えました。
ですが、子どもも生まれ、自分たちが楽しむフェーズから家族のためというフェーズへ移行するタイミング。
さほど苦ではありませんでした。

子どもをもつライフプラン

今後は子を持つ30代にしかできないこと楽しむことにしたのです。
今を管理し、将来に向けて前向きな生活設計を立てることはとても大事です。

あなたもこれから家を建てようかと検討されていると思うのですが、この記事を読んでいるということはかなり行動ができる方です。
私みたいな感じで家を建てる前に具体的に生涯設計を実際に立てるって実際は多くはありません
やったほうがいいかなと思うものの、次のアクションを取る方は極めて少数派なのです。

4割がライフプランを作成。でも落とし穴も

『家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査] ※政府の金融広報委員会』に、興味深いデータがありました。
こちらをご覧ください。

Q:「あなたのご家庭では、将来のことを考えて生活設計を立てていますか?」

1.生活設計を立てている(43.4%)

2.現在生活設計を立てていないが、今後たてるつもりである (35.6%)

3.現在生活設計を立てていないし、今後もたてるつもりはない (19.2%)

この結果を見ると、4割以上の方が具体的に生活設計を立てていると回答されています。
しっかりされている方がとっても多い印象を受けますよね。
しかし、次の質問に注目です。

Q:「生活設計を立てている」と回答した方で、何年位先まで生活設計を立てていますか?

1.1~2年先まで(5.3%)

2.3~5年先まで(22.4%)

3.10年先まで(35.1%)

4.20年先まで(17.4%)

5.20年より先まで(16.4%)

これを見ると、10年位まで生活設計を立てている方が大半。20年以上の方は少数派であるということが分かります。

しっかりと生活設計を立てる人は100人に7人

FPの仕事をして思うことは、住宅購入を迷っている場面において生活設計をするのであれば20年以上先までのものが絶対にいいということです。

言い方を変えると、20年未満の生活設計シミュレーションはあまり意味がない…とまでは言いません。
ですが、住宅ローンを完済できるかどうかを確かめる情報としては不十分です。

なぜなら住宅ローンは35年で組む方が多いから。
さらに、子どもの大学進学や自らの老後の生活については20年ないし、20年以上先に起こるイベントだからです。

短期の生活設計は、住宅ローンを組む前の材料としてはあまり意味がありません。
肝心なのはその先です。

そのためには、10年以下ではなくて20年先の収支を把握することが大事なのです。
人生で大きな支出を織り込んでいないシミュレーションは、取扱を間違うとかえって危険とも言えます。

役立つライフプランを作っているのは100人中七人

データを見ると「生活設計を立てている」と答えた人が約4割でした。
しかしその中の16%しか20年以上先のプランを考えていないということになります。

10人に4人まで絞り込んだのち(43.4%)、さらにその中の1~2人(16.4%)。
つまり住宅購入前に正しい判断材料となる精度の生活設計は100人に7人ほどしか考えていないということが分かります。

つまり家を建てる前に、役に立つレベルの生活設計をする人は少数派。
でもFPとしては「せっかくなら、せめて人生三大支出くらいは織り込んでほしい。」と願っています。

生活設計は人生三大支出を知ることが大事

人生における大きな支出は、3つあると言われています。それは何か知っていますか?

答えは
住宅購入費
教育費
老後生活費

例えばあなたが今35歳で子どもが4歳、2歳くらいだったとします。
一番下の子が大学を卒業するまではあと20年、65歳でリタイヤするまではあと30年。
今すぐ住宅ローン組むとなると、35年ローンだとあと35年あることになりますよね。

人生の3大支出

3年・10年の短スパンでは三大支出を含まない

この時に3年位先の生活設計なら、子どもがまだ小学校に入るくらい。
ですから、今とほとんど家計の収支は変わることはないでしょう。
3年成立するだけのビジョンであれば今の収入だけを判断して、支払える住宅ローン金額で設定しても全く問題ないことになります。

10年先まで成り立つ生活設計だといかがでしょうか。
35~45歳の10年間はもっとも給与上昇カーブを描きやすい時期なので、仕事が順調であれば気持ち的にはノリノリだと思います。
子ども達も上が中学生。まだ本格的に教育費がかかる時期でもないので、余裕を感じやすい年齢帯になります。

生活水準が上がっているこの時期の住宅購入は実は最も注意が必要です。
なぜなら生活が豊かになっていることから、比例して家にかける金額も大きく上がってしまうことが想定されるからです。

10年先には教育の大きな支出もあります。
給与上昇カーブが終わってからの住宅ローン返済期間も長いものになりますよね。
この先10年と、10年目以降のギャップが生じやすいのです。

住宅ローン破綻してしまっている人の多くが、収入が高いときに住宅購入をしてその後思うようにいかなくなったというパターン
10年先しか予測しない生活設計はとても危険なのです。

20年以上のライフプランを作らないと三大支出を追えない

20年より先だとどうでしょうか。
途中で子どもの大学進学費用を織り込まないといけなくなります。
となると、住宅購入にかける予算は慎重にならざるを得なくなります。
また定年退職時に住宅ローンの残高よりも退職金が多いのか少ないのか。
これも老後に与える影響が大きくなるため、生活設計プランが一気にシビアになります。

つまり現実的なものになるのです。

このことから、20年先のビジョンまで見ないと、人生の三大支出を許容できるかどうかを織り込むことができません。
20年未満の生活設計を作っても、住宅購入の判断材料には適していないことを意味します。

「20年先というのは先過ぎるし、そんな先のもの作っても精度が低すぎるんじゃないの?」と思われるかもしれませんね。
ですが、あなたの今持っている収入の情報、支出の情報。
これは実はあなたが思っているほど今後大きな変化は起きません。

既にある情報だけでも20年先を未来予測をする材料として十分な精度なのです。

極端に年収の上下する転職をしないのであれば、収入は職場の規定によってある程度先が読めるものです。
支出もあなたが思っている以上に大きく乱高下することはありません。

生活をしていく上ではリズムは決まってきています。
教育費についても膨大な数からの平均値が出ているので、平均値で計算してもいいし、最大値に近い形で安全をとって生活設計をしても良いです。

イメージできない未来こそ、ライフプランが役立つ

人がイメージできる未来像はせいぜい3年先と言われています。

その先は未知数なのが当たり前なのです。
だから、20年先のビジョンなど考えようともしないし、考えたとしても信ぴょう性がなくて無意味と思ってしまう傾向があるのです。

しかし実際は、思っている以上に精度の高い未来予測をできます。
転職をお考えでなければ(もしくは転職しても給与維持ができるお仕事であれば)、信ぴょう性の高いシミュレーションを作れるということはなんとなくお分かりいただけましたでしょうか。

100人に7人しか長期の生活設計を考えていない。
この事実があるように、ほとんどの方は住宅購入前という重要な場面でも具体的なアクションをすることはありません。

具体的に何をどうやってらいいのか分からない。ということもあると思います。

しかし
なんらかの理由でこの記事を目にしたり、住宅ローンを組む前に生活設計プランをもっと具体化しておきたい。
もしあなたがそう思っていたら、短期的な生活設計ではなく、ぜひ長期的な視野を持ってください。

自分のお金の動きがだいたい把握できれば、お金のことに悩んだり苦しんだりする時間は、間違いなく減るはずです。
きっとそのことがあなたの人生そのものをより豊かにしてくれるでしょう。

PS

もしあなたが住宅購入の資金面で絶対に失敗しない100人に7人にすぐに入りたい。
そう考えればマイホーム予算診断サービスに申し込むだけで、20年先の長期ビジョンを明確にすることができます。

もちろん、自分でがんばって生活設計してみるのも良いです。
結果的に面倒になってアクションを起こさないのが一番もったいない。ですが実際そういった人が一番多いです。

悩む時間や自分で作る時間を無駄にしたくなければ、遠慮なく相談に来てくださいね。

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昆 知宏
新潟住まいのお金相談室代表。新潟の住宅会社の営業マンとして働いた後、売り手の立場ではなく買い手の立場に立って住宅購入の相談ができる場所を作る為に独立した。

保険や住宅を売ることを目的にしない住宅購入専門のファイナンシャルプランナーとして、100%顧客サイドで顧客の理想とする家を安心・納得して買えるようにアドバイスを行う。そのスタイルが支持され、新潟県全域から年間100件以上の相談依頼を受けている。

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