先日ファイナンシャルプランナー仲間の方とランチをしてきました。
個室で落ち着いてゆっくり話ながら食事ができるお店でメニュー和食・洋食・中華と豊富ということで平日の11:30なのに既に混雑。
お客さんは60歳以上のシニア層がとても多い。シニア層とは、別名“プレミア層”とも呼ばれるそうでこれからのお店は“プレミア層”に支持をされないと生き残っていけないと先日テレビでやっていました。
日本はこれから半分以上が高齢者となる超高齢社会に突入するので当たり前っちゃ当たり前です。
でもたしかに飲食店に平日に入るとプレミア層だらけ。
プレミア層にしっかり支持されている飲食店は今後も底堅いのだろうなとついついこういったことを考えてしまうのは自営業の職業病です。私自身もプレミア層になったときには、平日にランチを優雅に楽しめるようになりたいものです。
進学校のお金の真実
ランチではこれから大学受験を控える息子さんを持つお父さんと一緒だったのですが、会話の中で個人的に衝撃の事実がありました。
それは・・・クラスの9割以上の子が奨学金を申し込んでいるということです。
「えーーそんなに!」というのが私の第一印象でした。
申し込みだけして実際には進路により使用しない子もいるとのことですが、最終的に6~7割は奨学金を利用するというのが現実のようです。(たしかに我が家も私も妻も奨学金を借りて大学へ通っていました。)
6~7割というのは納得のいく数字です。
奨学金の思い出というと父から源泉徴収票をもらう必要があるため、父の年収が子どもに公開される瞬間でもあります。
大学進学を目前にして今までベールに包まれていた我が家の家計がガラス張りになり、進路と就職先について妙にリアルに考えたことを思い出します。
同時にここまでの感謝の気持ちを鮮明に持ったことと、生きているために”お金”についてのイメージが明確に持ったということを忘れずにいられません。話を戻しましょう。
9割の家庭で教育資金の準備不足という事実
9割以上の生徒が奨学金を申し込むということは、つまり9割が自力で大学教育資金を準備できなそうという意味です。
実際の申し込みが6~7割ということを考えると、2~3割は新潟(自宅から通える圏内)に進学、もしくは国公立進学なのでしょう。
確率的にもものすごくリアルです。自宅から通学であれば、奨学金に頼らずとも何とかなりそうですよね。
考えてみればそうです。
もしあなたの子どもが関東地方の大学に行くことになった場合、埼玉か千葉などちょっと離れたところから通うことになるでしょう。
・生活費(食費光熱費)50,000円
・家賃50,000円(1R)
つまり、毎月100,000円の固定支出+学費。
初年度の学費は国立大学で約80万円(いつの間にか相当上がっている)。
私立大学はピンキリですが100万円から、こういった感じです。
ということは、
・生活費10万円×12か月×4年=480万円
・教育費100万円×4年=400万円
※教育費はもっとかかる場合が多いよう。
となると最低880万円~といった感じで、確かにこんなに用意できるわけないですよね。
一人当たりでこれですから、兄弟ともになったらもう気絶です・・。
よくある教育費の用意の仕方
学資保険に加入し月々12,000円程度を積み立て大学入学前までに、一人250万円を用意するというのが一般的です。
しかしご覧になって頂いた通り、大学進学費の用意は月1万円程度の学資保険だけでは全然足りないことが分かります。
そのためこの学資保険金に、奨学金を250から750万円を借り入れるというのがスタンダードなようです。
ちなみに子どもが就職してから実際に返す額はいくらになるかというと、
・250万円の場合で毎月約13,000円を15年間。
・500万円の場合で毎月約26,000円を15年間。
・750万円の場合で毎月約40,000円を15年間。
こんな感じになります。
月々13,000円程度の返済であれば、なんとか払っていける額になりますが、それ以上を子どもに背負わせたくなければあなたががんばってお金を用意するしかありません。
お勧めの貯め方
結論から言うと手取り収入の15%を、教育費として生活資金とは別な口座に貯めていってください。
手取りが30万円の家計であれば、毎月45,000円。18年間積み上げると972万円になります。
手取りが40万円の家計であれば、毎月60,000円。18年間積み上げると1,296万円になります。
二人分を出すのはまるまる出すのは不可能ですがこれ以上貯蓄すると生活にも支障がでるので現実的になかなか難しいかと思います。
足りない分は奨学金を使うという選択肢になるでしょう。
この教育資金を学資保険で貯める方がいますが、個人的にはあまりおすすめしません。
なぜならたいして増えない割に途中解約のペナルティがありすぎて不利です。
途中であなたに万が一のことがあった場合に教育費が用意されると言いますが、せいぜい250万円程度であり、それ以前に他の生命保険にも加入しているはずです。
今現在住宅ローンの金利は歴史的低金利であり、“お金を借りる”方は絶対的に有利ですが、保険会社に“お金を貸して”運用する学資保険は、低金利であるうえに有利ではありません。それが故に、アメリカドルでの積み立てをおすすめされることが多くなっているようですが、ドルの積み立てはその時の為替(1ドルいくらか)で、円に変換すると利益を吹き飛ばす可能性もそれなりにあり、円でもドルでも教育費の積み立ては保険はおすすめできないです。
それであれば毎月決まった額(15%推奨)を確実に“生活資金とは別”の通帳に貯蓄をしていき、やりくりをうまくやって余った分は500円でも1,000円でもいいのでその口座へ貯蓄。
ネット銀行の少しでも預金金利のいいところに入れていって、ある程度塊になってきたら定期に入れていくのが無難かつ、あなたのお金を自由にすることができます。
そういうことの積み重ねが学資保険の運用益よりも上回る金額を作れます。お金も貯まります。
万が一、途中で病気なりどうしてもお金が必要になったときに学資保険だと解約ペナルティがありますが現金預金ならペナルティはありません。
だってそれは誰かにペナルティ付きで管理されることのない、あなた自身のお金ですから。
子どもに将来過度な負担をかけないための住宅購入費は?
子どもが生まれたら、手取りの15%をまず貯蓄。
無理なら5%でも10%でもいいのでとにかく少しでも貯蓄をする習慣を付ける事が大事です。
知識があればそのお金を資産運用する選択肢はアリです。
ただし運用に抵抗がある人、意味分からんという人はひたすら現金預金で大丈夫です。
もしあなたの世帯収入(手取り)が30万円以上あればボーナスなしでも1,000万円以上の教育費を準備することができます。
「子どもを希望する進学先に行かせてあげたい」と本気で思うのであれば行動しなければなりません。
しかしながら、住宅購入金額が高くなってしまうとそのような貯金を続けることは難しくなります。
子どもの将来の教育費については、長い期間をかけてけっこうガチで考えないと到底貯めることはできません。
実際は直前になって9割が奨学金を検討するのが、それを証明しています。
あなたがまだ家を建てる前であれば、どのようにお金を割り振ればよいのか。
子どもを過度な負担なく十分に教育を受けてもらい独立させるには、住宅購入金額はいくらが妥当なのか?
マイホーム予算診断サービスではこのあたりまで明確にすることが可能です。
実際このサービスをしていると、奨学金負担が重荷となって住宅購入費用が思うように上がらないという家庭はそれなりにいらっしゃいます。そこで無理をして借り入れて家を買うと、子どもに同じ規模の奨学金を借りてもらうことになるのです。同じ思いをすることになってしまうというループになります。それであれば、やはりできる限りは頑張って貯金をしてあげたいものですよね。
あなたはどう思いますか?
保険や住宅を売ることを目的にしない住宅購入専門のファイナンシャルプランナーとして、100%顧客サイドで顧客の理想とする家を安心・納得して買えるようにアドバイスを行う。そのスタイルが支持され、新潟県全域から年間100件以上の相談依頼を受けている。