頭金なし・0円の住宅ローンは無謀なのか?

あなたが家を建てようかなと、思い始めたタイミングっていつですか?

結婚式が終わった時?
子どもが生まれた時?
子どもの学区が決まる前に?
住宅ローンを組むにあたり年齢的なリミットを感じ始めたから?

理由はきっと様々でしょう。

いざ家を建てようと思ったら、次に頭をよぎるのは資金計画のことですよね。

結婚や出産などが終わったばかりで貯金がほとんどないタイミングである方も多くいらっしゃると思います。

そこであなたはこんなふうに思いませんか?

「頭金がなしか少ない状態でも家を買っても大丈夫なのか?」という疑問です。

今日はマイホームの頭金についての話をしていきます。

頭金ゼロでマイホームは可能か?

まずは頭金が必須かということですが、現在のところあなたが家を建てようと思った時に貯金がなくてもローンを組むことは可能です。

つまり、頭金ゼロで家を買うことは可能なのです。

土地代金や建物代金以外にかかる以外のお金も全部、貸してくれる銀行が増えています。

土地や建物以外にかかるお金が何かというと、土地を買う時に発生する『仲介手数料』や、土地や建物を買った時に国に申請する手続きである『登記のお金』から、何なら・・・『家具家電』まで銀行はお金を貸してくれるのです。

少し前まではいわゆるこの『諸費用』については銀行は貸してくれず、貸してくれたとしても住宅ローンと別な金利になることが一般的だったのでした。

しかし今は住宅ローンと同じ低金利で貸してくれるようになりました。

やろうと思えば、頭金ゼロでも家を買うことはできてしまうのです。

さらに銀行によっては今返している他のローン(自動車ローンなど)を、住宅ローンを組むときにひとまとめにしてくれるところもあります。

そうすれば家が建ってから住宅ローンと自動車ローンのダブル返済にならず、家計の負担を最小限にして家を買えるという仕組みで、通称『おまとめローン』とも呼びます。

諸費用に利息を払うのはよく考えるともったいない

ここで、ひとつ思うことがあります。

それは土地と建物以外の形として価値が残らないものにローンを組むのはどうだろう?ということです。

ローンを組めば瞬時に買うことができますが、その代償は利息です。

例えば、家電製品を100万円住宅ローンを使って購入したとしましょう。

金利を1%で計算すると、100万円を35年返済すると利息は18万円にもなります。

仮に変動金利で組んで、10年後に金利が2%になっていると利息は29万円にもなります。

家電製品の寿命はせいぜい10年。

家具家電を住宅ローンで買うと壊れて捨ててしまった後にもこの利息はかかり続けるのです。

35年間支払い続ける必要があり、途中で金利が上がってしまったら利息負担はさらに増加します。

なので基本的には、ローンの期間以上に持たない家電製品などを長期ローンで組む行為はやめたほうがいいでしょう。

また、今ある自動車ローンを新しく組む住宅ローンにまとめてしまうのも同じことで、あなたが今乗っている自動車は乗れてもせいぜい10年です。

しかし、住宅ローンとおまとめしてしまうと、35年ローンであればなくなってしまった車に利息を払い続けることになり、これはどう考えてももったいないですよね。

同じ理由で土地建物以外にかかる銀行関係や税金関係、土地売買等の諸費用も現金で出せればベストです。

これらの費用は一般的に土地建物総額の5~8%ほど発生してきます。

3,000万円の土地建物であれば、150~240万円ほど土地建物とは別にお金が発生します。

できればこの分を頭金で用意できると理想的です。

それでも頭金ゼロのローンをしてもいい人

じゃあ、頭金0円のローンはやめたほうがいいのか?

と聞かれたら、必ずしもそうとも言えません。

例えば結婚式や新婚旅行、育休中で一時的にお金がなく、もう少しすれば年間100万円以上のしっかりと貯金ができる見込みがあるというような家計では家具家電まで借り入れての頭金ゼロでもマイホーム購入をしても問題はないでしょう。

なぜかというとそれは今お金がないだけであって、1年も経てば問題は解消するからです。

利息が1%だとすると100万円にかかる利息は利率1%で1年1万円ですから、1年後に100万円分を繰り上げ返済して返せば1万円利息負担をするにすぎません。

つまり1年早く家を買ったことによる余計な利息が1万円となり、貯金が貯まるまで待っていたらその間の家賃支払いや2021年に始まった木材をはじめとした建築資材の高騰で大損してしまう可能性もあります。

今お金がないだけで、1~2年ですぐに貯金ができるあてがあるのであれば頭金0円で先に買うという計画はむしろ賢いとも言えるでしょう。

この場合は、時間をお金で買ったという解釈ができます。

一方でまずいのは今後も大きな貯蓄ができるあてがないのに、頭金0円の全額ローンで住宅を購入することです。

最も破たんする可能性が高いのは紛れもなくこのパターンとなります。

住宅ローンという借金を利用すれば、あなたの夢や希望はすぐに実現できる世の中です。

売り手側はあなたの夢を応援する立場ですから、そのブレーキをかけるのはあなた自身以外にはいません。

理想の暮らしを手に入れるためのマイホームで、自分自身の生活が苦しくならないように頭金を少なく住宅購入を考えているかたは事前の準備をしっかりとしていきましょう。

PS

マイホーム予算診断サービスでは頭金0円で住宅ローンを組んでも大丈夫かも分かります。

現在の貯金の有無に関係なく、あなたにとっての家を買うベストタイミングを掴めば資金面で有利な住宅購入ができるようになるでしょう。

昆 知宏
新潟住まいのお金相談室代表。新潟の住宅会社の営業マンとして働いた後、売り手の立場ではなく買い手の立場に立って住宅購入の相談ができる場所を作る為に独立した。

保険や住宅を売ることを目的にしない住宅購入専門のファイナンシャルプランナーとして、100%顧客サイドで顧客の理想とする家を安心・納得して買えるようにアドバイスを行う。そのスタイルが支持され、新潟県全域から年間100件以上の相談依頼を受けている。

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