変動金利のリスクを許容できる自信はありますか?

あなたは朝の時間にテレビを見ますか?

最近はテレビを見ないって人も多いと聞きますよね。
YouTubeやインターネットで事足りるということでテレビを敬遠する方も多いみたいです。

私は、なんだかんだいってテレビはまあまあ見る方です。
しかし、朝の定番ZIPやめざましテレビとかは見なくなりました。

朝から悲しいニュースを目にするのが嫌。
刺激的なニュースを見るのが嫌。
人を批判することばかりのニュースを見るのが嫌。

理由はこんな感じなのですが、代わりに何を見ているかというとBSテレ東の経済番組を流し見しています。

スマホで日本経済新聞の電子版を見ながら、経済番組を見て世界の風向きを毎日追いかける。
仕事柄というのもありますが、これが日課になっています。(そして子どもの朝食がひと段落したらEテレにチェンジ)

一般的なニュースではそこまで報道されませんが、経済番組を見ていると世界のインフレ(物価高騰)がちょっとまずいところまで来ていることがよく分かります。

物価上昇を抑え込むために、各国を見ていると金利上昇に歯止めを聞かなくなってきているのです。
これが、日本の生活や住宅購入にも大きな影響を与えているんです。

物価上昇で金利上昇!関係性の何故

物価上昇が止まらないと、お金の価値がどんどん下がっていくことになります。

例えば今1袋100円ポテトチップスが、200円になってしまったらどうでしょうか。
今までは100円で交換できたものが、100円ではできなくなります。
つまりお金の価値が下がることになります。いわゆるインフレですね。

100円で買えたポテチが、200円になる。つまり、お金の価値が下がっていること


通帳に表示されるお金の価値は、時価です。

お金はただの数字にすぎません。
この数字と交換できるものは、その時々で変化する。

「2000万円相当の性能の家ならいいんじゃない?」
そう考え、頑張って2,000万円たとしましょう。

少し前は2,000万円で買えた家が今は2,500万円になっています。
予算死守で2,000万円で家を建てようとすれば、少し前に1,600万円で買えた相当なものとしか交換できない。

こんな状況が続けば、国民が頑張って貯めたお金の価値がどんどん下がってしまいます。
これではあんまりですよね。

なので国が主導になってお金の価値を安定させようとするわけです。
具体的には金利を引き上げることで、お金の価値を安定させるために消費を鈍らせます。

消費(需要)が鈍れば、供給量は減る。
消費が減れば価格を下げなければ、物が売れななる→物価が下がる。

その結果、今のお金の価値が維持される。というわけです。

原因は新型コロナウイルス?

そもそも事の発端は、世界各国がコロナウイルス蔓延による景気後退を恐れて、金利引き下げ、現金バラマキをやりすぎたことです。

つまりバブルだったわけです。

日本の住宅市場だって実は今は大活況。

特に2021-2022は巣ごもりブームと補助金・低金利の山盛りで住宅特需がおきました。

この流れは世界共通。
需要が大きく勝った結果、世界的に住宅価格は大高騰したのです。

これはまずい!と今度は金利を上げなくてはいけなくなったわけです。

物価上昇、世界の舵取りは

世界の流れは物価上昇の波を止めるために、金利上昇をどんどん行っています。
なんとかしてお金の価値を維持し、国民の生活を安定させる必要があるからです。

日本はまだ政府が価格調整を行っているため、その影響を感じにくくなっています。

しかし世界的には、超物価上昇にすでになっています。
食料、エネルギー価格が2倍になっている先進国はザラにあります。

日本と同じ長期間マイナス金利を維持してきたEUヨーロッパも、11年ぶりにマイナス金利政策を解除し金利上昇に舵を切りました。

金利を上げすぎると一気に不景気になるし、でも上げないとお金の価値がどんどん減ってしまうし。
この繊細な舵取りに世界が頭を悩ませているというのが現状です。

特にアメリカでは物価上昇は深刻。金利を短いスパンでどんどん上昇させています。
このままいくとコントロール不能になるので景気後退覚悟で急ブレーキをかけている状況と言えるでしょう。

現につみたてNISAで人気のあるアメリカ代表500社の株価指数『S&P500』などの株価は下降トレンドに入り、金利上昇が落ち着くまでは底値を探る展開となっています。

※つみたてNISAで買っている人は長い目で見れば平均を取れるので、20年という長い時間を見れる人は気にする必要はない。

さあ、日本はどう出るか

日本は「消費が冷え込むから金利はまだ上げない」の一点張り。ですが、世界的な流れを受けていつまでそれが継続できるのか?

もはや先進国でマイナス金利政策を維持しているのは、ついに日本だけとなってしまったのです。

普通に考えれば、日本だけが現状維持を続けることに限界があるように思います。

マイナス金利政策が解除になれば、変動金利の住宅ローン金利も上がってくることが濃厚。
日本だけではなく世界に目を向けると、考え方も変わってくるはずです。

ここまでの材料が揃い始めていると、もし私がこれから家を建てるならこう考えます。

変動金利しかも頭金なしで今住宅ローンを組むことは、ハイリスクすぎる。家計で許容はできない。』

実際の最近の相談の動向は、ちょっと違うので、その危険性もお伝えしておきます。

変動金利で安いものが良いローン?

相談の中で、とにかく金利の安い変動金利を住宅ローンを探している方をよく見かけます。

金利が 0.45%、0.6%。0.65%。保障込みで比較して、実際何がいいのでしょうか?

こんな疑問です。

「今後この金利が全く変化しない」という前提なら、その疑問には完璧に回答できます。
しかしこれは変動金利。金利が上がってしまえば、今最安の金利で比較してもあまり意味を持ちません。

契約上は、あくまでも変動金利。ですから契約者であるあなたは、銀行判断による金利設定を受け入れる必要があるからです。

この先の金利があまりにも不確実である以上、ライフプランは立てづらくなります。
言い換えると、ライフプランは世界経済によって大きく振り回されることになります。

このように考えると「それでも変動金利で住宅ローンを組む」という場合は、いざとなったらローンの半分以上を返せるくらいの余力が必要がです。

これから変動金利を借りるリスク対策

2,000万円借りるけど、実は2,000万円の現金を持っている。
これなら、事実上のノーリスクです。

2,000万円借りるけど、半分の1,000万円は持っている。
これなら、金利上昇した局面で繰り上げ返済を検討するなど、いくつかの策を持てます。


しかし
「3,500万円借りるけど貯金はありません。毎月の支払いを少しでも安くしたいから、今この瞬間に最安な金利なものを選びます。」

これでは金利上昇した局面でどうすることもできません。
ただただ節約をして耐え抜くしかないのです。

あなたの家計の大切なお金は銀行や金融市場にどんどん吸い込まれていくだけです。

限界を迎えて家を売ろうと思っても、金利上昇した局面では住宅市場は冷えているのが確実ですから安く買い叩かれてしまいます。

こんな未来は避けたいところです。

固定金利というワンチャンス

日本が頑なに金利上昇を許容しない(2022年9月現在)ため、固定金利もまだまだ歴史的割安水準にいます。

つまり、割安のうちに固定金利で住宅ローンを組み、その返済額に無理がない。これなら先行きが確実に読めるので家を買うことには問題ありません。

今後世界経済がどうなろうとも、金利がどうなろうとも、自分には関係ない話だからです。

敢えてこのタイミングで先行き不透明のリスクを取りに行くには、それ相応の覚悟も必要です。

「なんだかさっぱり?そのリスクって何?」という状況で変動金利で全額ローンはあまりにも危険なのです。

頭金が少ないほど、少しでも月々返済を抑え込みたくて変動金利に申し込む。
という傾向があるのですが、これは本当に危険。

変動金利は貸す側の銀行は薄利にはなりますが、金利が上がればお客さんの金利を上げればいいのでだけのでノーリスク。
借りる人が増えれば増えるほど望ましいと言えます。

変動金利の住宅ローンは銀行がノーリスク、つまり、リスクを負うのはあなたになるわけです。

金融のプロ相手にこんな取引をしても、勝ち目があるとは思えません。

もし金利が上がったら繰り上げ返済という強制リセットが打てる状態であれば、銀行にリスクを背負ってもらうのはアリです。むしろそうするべきでしょう。

結論 頭金の少ない人は…

今日私が強く言いたいのは、頭金が少ない人ほど固定金利の住宅ローンもしっかりと比較検討した方がいいですよということです。

あまりにも、比較すらしない方が多すぎます。

そして、頭金が少ない人ほど変動金利を選択している現実があります。

将来金利上昇した責任は、人のせいにすることはできません。

ps

人生最大の借金でリスクを取りすぎていないか。
このご時世ですから今一度、冷静になって考えましょう。

価格高騰と金利上昇が起こると住宅市場は冷えます。(すでに冷えてきています)

市場が冷えれば値下がり?
いいえ、あなたに家を建ててもらうため営業の圧が増えてくるでしょう。

売り手はプロですから、冷静な判断がしずらくなるのは確実です。

自分の家計は自分にしか分かりません。
銀行や住宅会社は、あなたの家計に責任がないんです。
あなたが家を建てる前に家計にしっかりと向き合いたければ、マイホーム予算診断サービスをお申し込みください。

この住宅購入ルールを知る前に、家を買わないでください

・私が自宅購入で1,000万円損しかけた実例
・住宅ローンを金利の低さで選んではいけない理由
・なぜ住宅会社や銀行が勧める住宅ローンを組んではいけないのか?
・(保険屋さんが絶対に教えたくない)生命保険のお得な入り方
・住宅展示場や完成見学会に行く前に、絶対にやること
・住宅購入で将来赤字になる家計を黒字転換させた改善点の具体例
・住宅購入後も住宅ローン返済の不安なくお金が貯まる家計を作る方法

などなど、
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初めての住宅購入でも失敗しない5つのお金ルール
昆 知宏
新潟住まいのお金相談室代表。新潟の住宅会社の営業マンとして働いた後、売り手の立場ではなく買い手の立場に立って住宅購入の相談ができる場所を作る為に独立した。

保険や住宅を売ることを目的にしない住宅購入専門のファイナンシャルプランナーとして、100%顧客サイドで顧客の理想とする家を安心・納得して買えるようにアドバイスを行う。そのスタイルが支持され、新潟県全域から年間100件以上の相談依頼を受けている。

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