変動金利にしたいけど住宅ローン金利が上がるのが怖い人へ

ゴツン ピシッ パリーン!

それは一瞬の出来事でした。
新潟バイパスを黒埼方面に走行中。女池インター付近でいきなりフロンドガラスが割れたのです。

フロンドガラスは500円玉以上の傷だと全損交換扱い。
そんな話を知っていたので、「あーこれは痛い出費だな。まじかあ。」と思いました。
予期せぬことが起こったときって、命に関わらなければまずお金の心配が第一にくるようです。

今回の記事では、私自身が久しぶりに自動車保険を意識した話を例として、住宅ローンの「金利への保険」という考え方を解説していきます。

いきなり車の話か、関係ないな~。と思うかもしれませんが、ぜひ最後までお付き合いください。

いざという時の備えをしているか、は急に試される

走行中にフロントガラスが飛び石で割れてしまったのは仕事中。
次のアポもあるし、とりあえず行くしかないか!と車を走らせながら、頭の中でいろいろと考えていました。

頭の中で考えたことはこんな感じです。

「保険は入っていたっけ?頼む、入っていてくれ。でも免責(自己負担額)が10万円だった気がする。そうだ!保険証券。あー、電子化されてるからダッシュボード入ってないじゃん。というか飛び石でガラスの破損って確率的には1/10000くらいなのではないか。いや、もっと低確率かも。そんなの当たっちゃうなんて、ついてない。けど、事故にならずケガもなかった。まあいいや。修理の手配しよ。」

検索したらガラス交換の相場は20万円。ええ~痛い…。

修理を依頼したところ、見積額は171,633円でした。
ですが結果的に「飛び石も対象かつ自己負担も0円」の車両保険に無事入っていました!
あー、よかった

自動車保険料すごい高いよなーと思いながらも、車両保険もつけて入り続けていました。

入った時の経緯は忘れてしまいがち。
そもそも自分が入っている補償内容の明細も記憶があいまい。
とうのは、みんな共通の保険あるあるかと思います。

節約しようとして「使えない保険」にお金を払っていませんか?

私がその時運転していたのは社用車。
交通関連でトラブルが起こった時、会社としてきちんと対応するために「多少高くても特約モリモリで。」と思って加入していたのが功を奏したわけです。

最近は保険料が安いタイプの保険会社だと、
・車両保険を付けていても自損はダメ
・飛び石はダメ
とかいろいろあります。免責(自己負担額)10万円というのもよくあります。

免責タイプでやっかいなのは、保険が出ても半分以上は自己負担になる上に等級が落ちること。
実質的に使うと損で結局保険を使わないというケースがよくあります。

私はそういうのは嫌なので、せっかく保険料を払うなら保険で片がつくように入っていました。
だからいざという時に問答無用で保険を使うという選択ができてよかったです。

保険なんてそういうものです。
いざ事がおこったときに、はじめてありがたい存在になります。
そして中途半端に入っていても実質使いない保険なんてザラにあります。

それは住宅ローンにも言えることです。

住宅ローンの変動金利は上昇ムード

変動金利が上昇

このブログは住宅購入がテーマ。というわけでお待たせしました、本題です。

今日一番お伝えしたいのが『住宅ローンの金利について保険をかける』という考え方です。
いわゆる団信のことではなく、金利が上がった時に対する対策のこと。
先行き不安定なこの時代、金利上昇にも備えておくことができます。

最近、変動金利が上昇しそうなムードになってきていますよね。
いつ、どれくらい上がるのか見当がつきませんが、ちょっとずつ上がっていくのは確実。

円安が原因で起こっている物価上昇。
これを食い止めるためには、既に高金利であるアメリカとの金利差を埋めるのが有効と言われています。

そう。
「日本も仕方ないから金利を上げていくぞ」というわけです。
実際にそんな雰囲気も漂ってきています。

実際は理由なんて何でもよくて、後付けでも「金利が上がっていっても仕方ないよね…。」という空気を世間に醸し出していく期間が大事だと偉い人が言ってました(笑)。まさに今、その時期なんです。

結局国を動かす人たちが金利を上げようとしているわけで、そのタイミングを今見計らっているわけです。

住宅ローンの金利上昇に保険をかける

人間の感情的に、上がってしまった時の損失を受け入れるのには思った以上の心の準備が必要です。
あがるぞ、あがるぞ、もう上がるぞ。
そう身構えていても、いざ上がるとショックなのは想像にかたくありません。

そもそも変動金利でローンを組む以上、申し込んだ時点で将来の金利上昇も当然ある程度は予想していると思います。
「この先ずっと低金利がつづく!」と確信して申し込んでいる人なんて、ほぼいないでしょう。

しかしそれでも、それでもです。
実際に金利上昇がおきると変動金利で組んでいた多くの人は、気持ちの整理が難しくなることが予想されます。

例えば、住宅ローン残高が3,500万円残っている状態で金利が増えると、利息がいくら増えるのか考えてみましょう。
※イメージなので単純計算です。
金利1%増 年間35万円利息負担増
  2%増 年間70万円利息負担増
  3%増 年間105万円利息負担増

しかもこの先も、さらに上がるかもしれないのです。
あとから、上限が不明な負担を強いられる。これはなかなかのインパクトです。

固定金利はトクか損か、以外の考え方

一方で家を購入するときに住宅ローンを全期間固定金利で組んでいた場
社会情勢が変わっても、金利上昇のリスクはありません。

その代わり住宅ローンスタート時に変動金利と比較して、1%以上も高い利息を支払う必要があります。

スタート時のローンが4,000万円だとすれば、金利1%で年間40万円。
変動金利との比較で年間これだけの利息を支払うことが確定しています。
さっきと逆ですよね。

変動金利にした場合に、将来負担することもなるかもしれない金利アップ分。
これを、固定金利では上限を決めて先に支払うことになるのです。

この先に支払う分の利息が高いと見るかどうか、が損得の焦点。
ですが、言い換えればこの分の費用負担は金利に対しての保険料ともいえるのです。

変動金利との差額はまあまあのお値段。
ですが金利リスクが一切排除されることは、返済期間中の精神的に助かります。

金利上昇の保険料を高いと見るか、安いと見るか

変動と固定どっちが得か

今は変動と固定の金利の差が開いている状態。
固定金利にして支払う利息を「もったいない!」と感じるほうが普通でしょう。

最近いろんなレポートを読んでいると、個人的には「結局変動でも固定でも総額が変わらないくらいに落ち着くんじゃないかな。」とも思ったりします。

どういうことかというと、
変動金利はやっぱり今の固定金利以上にそれなりに上がりはする → 数年間で落ち着く→ その後上がり下がりを繰り返す
というようにずっと高いままではないような感じがします。

あくまで予想ですが、結局30年くらいの総利息で見ると、固定も変動もトータルではバランスとって同じくらいになるかもしれません。

結局30年後に損得の答え合わせをしたら、「変動も固定も支払った利息の合計はたいして変わらなかったね。」という予想です。

しかしこのシナリオでも、変動金利が金利上昇に入った場合どこが天井(最高値)を付けるのかは当面はっきりしません。
損失がどんどん膨らんでいくような感覚になると思います。

最大損失が確定しない不安。
これは例えば、NISAで買った投資信託が下がり、どこまで値下がりし続けるか分からない状態と似ています。

こればかりは自分でコントロールできるものではありません。

変動金利が上がった後の対策は難しい

策を講じようにも変動金利が上がった局面では、固定金利はさらに遥かに高いものとなってしまっています。
そのため借り換えも動くに動けないでしょう。
原則は耐えるか、繰り上げ返済をするしかありません。

こうなってしまったときに、固定金利という名の保険に入っていた人は涼しい顔でいられるというわけです。

固定金利とは「金利上昇のための保険料をあなたは払いますか?」ということなのです。

変動金利が上昇傾向にあるというスタンスの記事やニュースが増えてきている現在。
最近では、固定金利を選択される相談者の方が増えている傾向にあります。

固定金利のメリットのひとつは、
「10年くらい様子を見て結局金利が上がらなかったのなら、あとで他(変動)に借り換えればいい」という柔軟性です。

大勝ちができないけど、大負けもない。
最初に金利に保険をかけた分だけ、リスクは減るし、自在性もあるということです。

もちろん変動金利が今の固定金利を上回ることがなければ、利息込みの総支払額は変動金利の圧勝。大勝ちです。
金利の保険料を支払わなかった分だけ得ってことです。

正解はだれにも分かりません。
ですが、あなたは金利上昇に対して保険をかけたほうがいいと思いましたか?
それとも大勝の可能性にかけたほうがいいと思いましたか?
あなた自身の考えでしっかりと判断することが大事です。

PS

ライフプランをしっかり立てれば、あなたの家計には変動か固定かのどちらが適していそうか ははっきりと分かります。

家を建てる前に無理なく資金計画から着実に行いたい。
そうお考えであれば、マイホーム予算診断サービスにお任せください。

昆 知宏
新潟住まいのお金相談室代表。新潟の住宅会社の営業マンとして働いた後、売り手の立場ではなく買い手の立場に立って住宅購入の相談ができる場所を作る為に独立した。

保険や住宅を売ることを目的にしない住宅購入専門のファイナンシャルプランナーとして、100%顧客サイドで顧客の理想とする家を安心・納得して買えるようにアドバイスを行う。そのスタイルが支持され、新潟県全域から年間100件以上の相談依頼を受けている。

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