住宅・不動産価格が高騰していて、家を建てる資金的なハードルが上がりつつあります。
そんな中、最近の相談で以下の傾向が多くみられるようになりました。
それは、今あるものの活用です。
土地も家も、全てを新しく手に入れるのはコストがかかりすぎる!
なら、予算をどちらかに分配しようというわけです。
具体的には、2パターンあります。
・親や親せきの敷地内に、コンパクトな新築を建てる
・既存の家や中古をリフォーム
特に新潟ではよくあるケースとなるのが、親や親戚の敷地内での新築計画。
どちらかの実家の隣に家を建てる形、敷地内同居、とも呼ばれるパターンですね。
今日はその計画におけるメリット・デメリットについて書いていきたいと思います。
私自身が親の敷地内ではないものの、実家の隣の土地を買って家を建てています。
そのため、金銭的なところ以外のメリットとデメリットについては体感もしているので
リアルなこともお伝えしていこうと思います。
親や親せきの敷地内新築のメリット
まずは具体的にメリットから見ていきましょう。
費用面以外にも、人間関係や親子関係、育児への恩恵も受けられます。
土地購入費用の節約
やはり圧倒的なメリットは資金面です。
新たな土地を購入する必要がない。これは大きいですよね。
単純に考えても数百万円から数千万円の土地購入費用を節約できます。
その分住宅ローンの返済が楽になったり、家の建築や設備により多くの資金を充てることができます。
コストの分担
インフラの引き込みや共有設備(例えば、敷地内の道路やフェンスなど)の設置費用を親と分担することで、費用を削減できます。
これにより、全体の建築コストを抑えることができます。
ただし状況によっては水道の圧が弱くなったり、光熱費料金の請求が一括で来るなど管理面でのデメリットが発生する場合も。
家を建てる前に専門家の意見を聞いて初めにお互い要検討ですね。
また親の敷地を利用することで、将来的な相続の一部を事実上前倒しして受ける形になります。
多くの場合、税金を回避するため生前贈与はしません。土地の所有者(親)に銀行の保証人になってもらい子世帯は住宅ローンを組みます。
そして将来的に相続時にその土地を譲り受ける形を取ることが多いです。
生活費の削減
親と近くに住むことで、食費などの生活費を分担できることがあります。
例えば、食事を一緒にする機会が増える。食材費を節約できることや、共同で利用する設備のコストをシェアできることがあります。
我が家の例でいうと「安くてお得けど使いきれない…!」 というような生鮮品をシェアしたり、「スイカ買ったから半分あげるわ。」なんてことがたびたびあります。
安心感の向上
親が近くにいることで、お互いに緊急時や困ったときに助けを求められるという精神的な安心感が得られます。
どちらかが長期で家をあけたり、旅行に行く。なんて時も、郵便物の管理などもお願いしやすいです。
のちに詳しく述べますが、子育て中ならば親の手助けを借りやすくなりますよね。
また、親の健康状態を常に見守ることができますよね。将来介護が必要になった場合にも迅速に対応できます。
「介護が必要になったら同居を考えている。」という家族も多いかもしれませんね。
同居で住環境が変わると問題が生まれやすいですが、近接していればお互いそのままの住まいでサポートすることができます。
「いざとなったら隣を頼れる。」
そう思えることは、余計な悩みをひとつ抱えずに済んでいると感じます。
地域コミュニティとのつながり
長年親が住んでいる地域に新築を建てる。
それはつまり夫婦どちらかの実家。育った環境でもあるため、近隣の様子がよくわかるというのも大きなメリットです。
この場合、地域コミュニティの知識があるため隣人リスクなどのご近所トラブルが軽減されます。
親が築いてきた近隣との関係を引き継ぎやすく、新しい場所に引っ越す際の不安も軽減されますよ。
子どもの環境
子ども、つまり孫世代にとっては祖父母と近くに住むのはいい影響があると感じています。
ちょっとした家族行事やコミュニケーションが増えることで絆が深まり、親の手が足りないときに祖父母がサポートしてもらえることも。
大人の手と目はいくらあっても、足りないくらいの幼少期は特に恩恵を感じました。
子どもにとっても祖父母との交流が増え、家以外にも居場所があることは情緒的な安定感が得られます。
現役世代としても、親の近くに住むことで、日常的なサポートが受けやすくなります。
例えば、子どもの学校のお迎えをお願いしたり、子どもの下校後に家に寄せても貰える。ちょっと買い物に行ときに面倒を見てもらえる。など、特に共働き家庭で子どもの世話を頼みやすいなどの利点があります。
このようにメリットはかなり多いです。
実家の敷地を活用できる状況下にあなたがもしいたら、実家敷地での新築計画は前向きに検討しても良いと私は思います。
デメリットについて
もちろんメリットがある反面、デメリットがあります。
これから挙げていくデメリットを避けれそうかよく考えたり、事前に十分に検討していくこと。そして夫婦間でも親子間でも共有しておくことが成功のカギとなるはずです。
プライバシーの確保が難しい
一番のデメリットといえるのはプライバシーでしょう。
親と近くに住むことで、お互いの生活に干渉しやすくなります。
例えば、親が頻繁にアポなし訪問する。逆に自分たちが親の生活に干渉しすぎてしまう。
そんなことが続くと独立した生活が送りにくくなる可能性があります。
我が家の場合は、お互いにライフスタイルには干渉しません。そこがかなり良い結果になっていると思います。
親との関係性の悪化
近接して住むことで、些細な問題や価値観の違いが原因でトラブルが発生しやすくなります。
例えば、育児方針の違いや孫への過保護や過干渉。
生活リズムの大きな違い(夜型と朝型が並んで生活してたら、お互い気を使いますよね)。
日常の些細なことが積み重なり、大きな対立に発展することがあります。
既に親との関係性が微妙な方は、そもそも敷地内同居の話にならないとは思いますが基本的には避けた方が良いでしょう。
建築制限や新築計画の制約
親の敷地内に新築を建てる際、法律による制限を受けることがあります。
土地の広さや形状によっては、希望する規模の家が建てられないこともあります。
特に希望を満たさないぐらい小さな家になる場合や、駐車スペースを取れない、または親の家に日照を遮る場合は、お互いストレスに。
慎重な計画と確認が必要です。
相続トラブルの可能性
他に兄弟姉妹がいる場合、将来的に親が亡くなった際相続に関するトラブルが発生する可能性があります。
「一緒にいたから良くしてもらったはず」
「こっちはずっと面倒を見ていたのに」
「経済的にかなり援助してもらってたんじゃないの?」
こうなってしまうと、ギスギスしますよね…。
特に、敷地の一部を利用している場合、遺産分割の際に問題が生じることがあります。予めきょうだいには話を通しておきましょう。
そしてそもそも兄弟間の仲が悪い場合は、計画は慎重に行うべきでしょう。
資産価値の偏り、親の土地の将来利用
親の敷地に新築を建てることで、資産が一箇所に集中することになります。
すると資産の多様化が図れず、リスク分散が難しくなることがあります。
例えば自然災害の被害にあったときに、隣同士なら親子共に大きくダメージを受けることが予想できますよね。
また将来的に実家や自宅を売りに出そうとした場合、距離感が問題になるかもしれません。
新たな買い手が敬遠または、売り手であるあなたもその距離感が他人が住むことへの抵抗が生まれることが多いです。
結果として不動産として処分しにくくなりがちです。
税務面の問題
親の敷地を利用することで、贈与税や相続税の問題が発生する可能性があります。
例えば、親から土地を贈与される際には贈与税がかかる場合があり、相続時には相続税の計算が複雑になることがあります。特に贈与の場合は税率が高いので注意です。
あなたはどう考えるか?
私自身は既に自分が実家の隣の家を建てていることもあり、基本的には肯定派です。
成功の秘訣は、
メリットとデメリットを見ていった時にメリットの数の方が上回っていること
お互いにの生活スタイルに干渉しないスタンス
です。
土地や建物の価格が高騰するなか、今あるものの活用する機会がある。
これは子世代からしたらラッキーです。
しかし、安易に金銭的な理由優先で決めてしまうと後悔をしてしまいます。事前に十分に検討することをおすすめします。
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