独立系FPと企業系FPの違いを解説|ファイナンシャルプランナーの見分け方

全国のファイナンシャルプランナー(以下FP)の資格所有者。
その数は2023年現在約255万人。
数年前と比較して、倍のペースで伸びています。

それだけお金に対する関心が高まっている世の中、ということは間違いないですよね。

実際の資格所有者の多くは銀行・保険業など金融業界で働く人。
自分のライフプランのために勉強して、せっかくだから資格も取っておいた人。
ただなんとなく資格を持っているけど、あまり活かしていない人。
このような人が業界ではほとんどを占めます。

FP資格保持者=お金のプロではない

もらった名刺にFPと書いてあると、お金のプロという印象ですよね。
しかし、実際にはそんなことはありません。

テキストに書いてある知識と、実務で生かせる知識は全くの別物だからです。
実は私も10年以上前にFP資格を取った直後は、なにも出来ませんでした。

経験がないのでお金のシミュレーションを作っても合っているのか分からない。
でも、間違っていたらシャレにならない。
付随する保険や資産運用、住宅ローンの知識も必要。
地震をもってアドバイスできるようなものは到底初めはありませんでした。

意外かもしれませんが、
FPの資格を持っていてもお客さんの生涯設計プラン(業界ではライフプランと言います)を作れない。または作ったことがないという人が90%以上なのです。

ライフプランをつくれないFP

ライフプランを作れないFPが多い理由

多くのFPがお客様のライフプランを作れないのは、経験を積むのが難しいことにあります。
どうしてかというと、ライフプランを作るためには多くの個人情報を開示してもらう必要があります。

例えばあなたの友達がFPの資格を持っていたとします。
「じゃあさーウチの家計診てもらえる?」なんて気軽に相談をするかというと…なんか違う気がしますよね。
貯蓄ってなにやってる?くらいは聞くかもしれません。
でも自分の家計を具体的に見てもらうのは抵抗がないですか?

正確なものをつくるためには、源泉徴収票や給与・賞与の明細も読み込む必要があります。
貯蓄額やNISA残高なども開示が必要です。
正直、友人・知人にこれらの情報を開示するのは…嫌ですよね。

だからなかなか実務経験が積めないのです。
知識だけあっても、こればかりはどうしようにもできません。

FP資格所有者の増加は自分自身の家計改善のため

家計改善

「それだったら自分でやろう」と自分のためにFPの資格を取得する人も増えていると聞きます。
知識さえあれば自分にも作れるはずだし、FPの当たりはずれもない。
この先の自分のためにもなるよね!という考え方です。
確かにこの考え方はいいですよね。

純粋の自分の家計に向き合うことができる。
しかも何かをセールスされる心配もありません。

しかしいざ自作をしても、その精度に不安を感じる方も多いようです。

・昇給はどうなるんだろう
・物価はどう変わるんだろう
・普通の生活費ってどのくらい?
・実際の貯蓄額と大きな差異があるんだけど

長い期間のシミュレーションであればあるほど不安になります。

しかも本格的にシミュレーションができるソフトウェアは年間使用料が数万円。
当事務所も年間使用料が約7万円のものを使っています。

そして、実際にFPの勉強をしてみてがっかりする人が多い点がこちら。
FPのテキストには、実務的なライフプランの作成方法などは一切書いてありません。

断片的に知識はあっても、実務経験や専門ソフトがないと正確なライフプランを作るのは難しいのです。

こんな感じでFPの資格所有者は約255万人もいても、ライフプランをしっかり作ってくれる人は実はかなりの少数派なのです。

FPにも種類がある

あなたがインターネットで検索して、何らかのご縁でこのブログにたどり着いているかと思います。
どういう検索をしてここにたどり着いたでしょうか。

きっと、売り込まず、中立的にアドバイスをしてくれそうな人を探していませんでしたか?

私はファイナンシャルプランナー(FP)のカテゴリ的には、『独立系FP』という立場です。

FPは大きく分けて『企業系FP』と『独立系FP』が存在します。
FP資格所有者で仕事をしている人の割合的には、99:1くらいだと思います。
私は極めて少数派なチームなほうです。

どんな違いがあるのか、説明していきますね

無料相談が大前提である企業系FP

無料相談できる企業系FP

企業系FPとは銀行・保険会社・資産運用会社・住宅会社などの企業に所属しているFPのこと
自社の商品を買ってもらうために、自社の利益を目的とし無料でライフプランや貯蓄のアドバイスを行います。

世の中のFPとして働く方のほとんどがそうです。

私だってFPとしてのスタートは企業系FPでした。
起業する前までは、住宅会社に所属する企業系FPだったのです。
「お客様に家を買ってもらうために」金銭面のアドバイスをするという役割でした。

企業系FPが求められることは会社の売上。
ですから、アドバイスというよりも「買ってもらうための説得」という表現が当時の仕事としてはしっくりきます。

銀行・資産運用会社なら金融商品。
保険会社なら保険商品。
住宅会社なら住宅。
これらをライフプランのアドバイスをしつつ、だから買ってよ!大丈夫大丈夫!とアピールするわけです。
当然(ちょっと厳しいけど)(本当はうちじゃない方がいいけど)(もっと安いほうがいいけど)は大抵の方は胸の内にしまっておいていると思った方がいいでしょう。

ひどい!と思うかもしれませんが、家計改善が仕事なのではなく営業の一端が仕事なので当然といえば当然なのです。他に売るものがあるから無料で相談に乗ってくれるわけですから。

有料相談が大前提である独立系FP

一方で独立系FPとは、企業に所属せずFP事務所を独立開業している人たちです。

相談料が主たる収入源になるので無料ではアドバイスを行いません。
つまり独立系FPは相談料がかかります。ですが、相談者の利益を考えてアドバイスをすることができます。

例えば私の専門である住宅分野。
に家を買ってもらうことが前提の企業系FPとは違い、独立系ならばそもそも買った方がいいのか、買わない方がいいのかというの議論もできます。またあらゆる価格帯の中から比較して、どのあたりが相談者にとって妥当なのかの議論もできます。

お客様が家を買わなくても、上司や会社に怒られないからです。
データで説得しながら家を買ってもらうことが目的ではなく、家をどのように無理なく賢く買うかを一緒に考える立場になります。

そのアドバイスは報酬が発生します。
ですが、その報酬込みでも絶対的におトクに家を買えたり、
家計改善で多くのお金が残るようになったり、
自分たちでは届かない情報にまでアクセスできたり、
何よりもセールス圧がなく一緒に中立的に考えてくれる存在をあなたは持つことができます。

独立系FPを選んだのは当時新潟に独立系FPがいなかったから

私はこの仕事にやりがいを大いに感じています。

私自身が家を建てる時に「家を建てる側に味方になって、中立的に一緒に考えてくれる人がいたらいいのにな」と思ったことがありました。当時は新潟にそういった人はいなく(今もあまりいないと思いますが)、私がお金の相談したFPは企業系FP(保険屋さん)でした。

見積をとっていた住宅会社さんに資金が不安、といったら無料でライフプランをつくってもらえますよ、と紹介された形です。

結果、必要のない保険に入り解約までに数十万円という多くのお金を無駄にしてしまいました。
無料ほど高い買い物はないと実感しました。

高額な保険料がムダに

私は企業系FPと独立系FPの仕事を両方経験した中で、独立系FPのスタイルの方が性格に合っていました。

社会のために役に立ちたいと思い、サラリーマンという安定収入を投げうって一念発起し独立系FPとして起業しました。

企業系FPのシミュレーションやアドバイスは営業トーク

企業系FPは、あなたのライフプランを作ることがゴールではありません。

それをきっかけにして、商品を買ってもらうことがゴールです。
住宅や保険、金融商品などです。だから、相談は無料です。

住宅購入にフォーカスすると、あなたの不安を払拭するための材料をいかに揃えるかということになります。

例えば『住宅ローンは年収の○○%以下は安全』という指標は分かりやすいので、人気があります。
銀行でも住宅ローンを貸し出す際に重要な指標として見られるものです。

しかしながら、この判断は危険です。
考えてみてください。
同じ会社で同じように働いている同僚なのに、片方は外食旅行三昧で貯蓄なし。一方は教育費と貯蓄に全振りして「旅行なんて行く余裕ないよ」。
全然珍しい話ではないですよね。

年収の〇%までは買ってもいい。と言い切るのは危険な理由。

あなたの家計は以下に上げるような変数があります。
これは個人によって違うため、一律にして年収の○○%までというように判断するのは危険なのです。これには理由があります。

それは以下に挙げる要素が、各家庭により全く異なるからです。

・あなたの定年までの年数(稼げる金額の想定)
・退職金予定額
・子どもの数
・各々の普通と感じている生活水準(普通は分かりづらい)
・旅行の回数
・教育環境(習い事や進学先)
・単身赴任可能性
・出産後の給与減少可能性
・自動車購入費のウェイト(車の好き具合)

これを正確にライフプランに考慮しないと本当の意味で家を購入を判断できる材料にはなりません。

例えば、若い人は年収に対しての割合が多少超過していても返済には支障がない場合が多いですし、40代以上の人は年収に対しての割合はかなり少なくしないと返済に支障が出るといういった傾向がみられるからです。

また年代に関わらず消費志向によって当然ながら結果は大きく変化します。

これらの要素を適切に入力して、ライフプランを作るのは正直大変です。

独立系FPの場合はそこに報酬が発生する仕事ですから頑張って作成します。
費用が発生しない場合はそこまで手の込んだものを毎回作っているわけにはいきません。

シミュレーション

企業系FPの多くは簡易シミュレーション

そこで企業系FP向けにカンタンに作成できるライフプランのシミュレーションシステムを提供している会社も多いです。
例えば生活費を細かく入力するわけではなく、「節約派」「普通」「浪費派」なんて感じで3つから選択して入れていくような方法です。

これなら素早く、それっぽく結果を出すことができますが、とにかくこの手をシミュレーションは支出を甘く見積もり過ぎています。

どうしてかというと、【甘く見積もり=結果が良くなる】という寄りのシミュレーションを作らないと、目的のものが売れないからです。

「買ってもらえる資金提案」
「その気にさせる資金相談」
そうやって、実際は目的なものを売るための道具として軽く扱われている「FPからのアドバイス」は、本気でやっている側からすると非常に残念というのが私の本音です。
ですが、私も企業系FPの経験があるので、結果を求められる営業の立場からすると売るための資金提案術は重宝されるし、そうするしかないということも分かります。

すべての無料FP相談は、何かを買ってもらうための入り口に過ぎないのです。

ぜひ独立系FPを頼ってみてください

家づくりは独立系FPに相談を

独立系ファイナンシャルプランナー(FP)は、特定の金融機関や住宅会社に属しません。
そのため、幅広い金融商品やサービスからお客さんに合ったものを選んで提案できるのが特徴です。

独立系FPは中立な立場でアドバイスができるので、お客さんの利益を第一に考えた提案が可能です。
保険や投資、税金、相続など、様々な分野から俯瞰してアドバイスができます。つまり、ライフプラン全体をより高い精度でサポートができるのです。

家計を分析すれば、住宅購入時に無理のない予算の把握は可能です。
この情報が分かれば、例えば『新潟市の中央区に一戸建てを買うのは妥当なのか無謀なのか』も分かります。

この先の人生が赤字になってまで、贅沢な環境や家に住みたいでしょうか。
赤字を回避するために食費を削ったり、旅行にいくのをやめたり、子どもの習い事を諦めさせたりしたいでしょうか。

ほとんどの方は、そうは思わないはずです。俯瞰してみることが大事です。

私に限らず独立系FPは少数派ながら存在します。
その中で、もしあなたにとって適切な相談相手の候補として私が残ったのならぜひ相談にいらしてください。

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新潟住まいのお金相談室は『独立系FP』の立場です。

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そんな家づくりの基礎知識をまとめました
家づくりの基礎知識
昆 知宏
新潟住まいのお金相談室代表。新潟の住宅会社の営業マンとして働いた後、売り手の立場ではなく買い手の立場に立って住宅購入の相談ができる場所を作る為に独立した。

保険や住宅を売ることを目的にしない住宅購入専門のファイナンシャルプランナーとして、100%顧客サイドで顧客の理想とする家を安心・納得して買えるようにアドバイスを行う。そのスタイルが支持され、新潟県全域から年間100件以上の相談依頼を受けている。

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