【第四北越銀行・群馬銀行合併】住宅ローンはどうなるか?

新潟県で圧倒的No1の預金シェアを誇る第四北越銀行と、群馬県で圧倒的No1を誇る群馬銀行。

隣接する県のこの2行が2027年春にも経営統合をすることが決まったとニュースになりました。

統合が実現すれば、地方銀行ベースでは大躍進。
全国3位規模の地方銀行グループに肩を並べることになり、大型金融機関の誕生となりそうです。

思い返せば、第四銀行がライバルの北越銀行とまさかの経営統合をしたのは記憶に新しいところです。

私の世代では新潟で第四銀行に就職するといったら地元のエリートで花形でした。しかし、今後はもう新潟本社ではなくなってしまうかもしれません。

おそらく統合は序章にすぎないでしょう。これから先は、もっと多くの銀行を取り込んでエリアごとに大きなグループ銀行が出来上がっていく流れだと思われます。

さて、今回の合併は私たち消費者、ユーザーにとっては良いものとなるのでしょうか?

個人的には、「吉」と出るような感じがします。

群馬銀行の住宅ローン金利は第四北越より上を行っている

群馬銀行は新潟にも支店がないし、私としては未知なる銀行です。

早速、群馬銀行の住宅ローン金利をホームページで調べてみました。

【変動金利 2025年4月】

群馬銀行 0.875%
第四北越銀行 1.125%

なんとその差は0.25%にも広がっています。
群馬銀行、金利低い!

ただし、第四北越銀行の金利はガン団信(がんになったらローンが免除)が付いています。

同じ条件でさらに比較して見ましょう。

それぞれの団信付きの比較

【変動金利 ガン団信付き 2025年4月】

群馬銀行 0.975%

第四北越銀行 1.125%

同じ条件で比較しても、群馬銀行の方が0.15%金利が低いことが分かります。

【変動金利 夫婦連生団信付き 2025年4月】

群馬銀行 0.950%

第四北越銀行 1.225%

さらに群馬銀行は夫婦連生団信(夫婦いずれかが死亡してもローンが半分ではなく全額免除)が0.95%となっています。

同じ条件で比較すると、群馬銀行の方が0.275%金利が低いことが分かります。

第四北越銀行にはなくて群馬銀行にはある固定ローン

群馬銀行では自行で完全固定金利のローンも取り扱いをしています。
これは第四北越にはなかったローンです。

全期間固定で2.44%(ZEH住宅などの省エネ住宅に限っての優遇金利)。
35年以上の40年ローンでの固定金利が取れるのは大きな特徴となっています。

現状ではこの金利ではフラット35のほうに分がありますが、
・35年以上借りたい
・固定にしたい
・自己資金があまりない
・家具家電分も借りたいなど
という条件であった場合にニーズがありそうな商品ではあります。

そのような借り方が良いかどうかはおいておき、商品展開としては上を行っていると言えます。

新・第四北越銀行の住宅ローン予想

ここから先は単なる予想の話です。

私個人的には、2027年春からの新第四北越銀行の住宅ローン金利は、群馬銀行水準になるのではないかと見ています。

なぜなら今現在、新潟の地方金融機関はどこもかなり頑張っている状態です。
単純にチラシ記載の金利比較では第四北越銀行住宅ローンの優位性があまりありません。

特にこの4月から第四北越銀行は金利を上げたために、他の金融機関に相当数の新規件数が流れていることが予想されます。

(そのため、他行はけっこう忙しいみたいです)

私は、新・第四北越銀行がこれを放置するとは思えません。

今後群馬銀行と合併し、地域で圧倒的な巨人となる金融機関です。

きっと金利の低い群馬銀行の水準に合わせて、覇権を取りにいくのではないでしょうか。

合併して預金体力が付くなら、なおさら自行からの貸し出しに注力するのが経営の王道のような気がします。

住宅ローンは個人顧客と一生繋がれる根幹となる商品です。
そこを起点として日々の給与振り込み、預金集め、公共料金支払い、NISA口座などの拡充を図っていくというのは銀行の個人営業の基本です。

したがって、私は合併後は住宅ローン金利を現行商品よりも下げてくるのではないかと予想しました。

(基準となる金利は上がっている局面ですので、あくまでも県内他行比較でというお話です)

10年で3回も名前が変わった

私自身は住宅ローンは旧北越銀行から借りていて、それが2018年に第四北越銀行となり、今度2027年から新●●銀行となるわけです。

余談ですが、次の銀行名は”第四”の名前は消え、カタカナとか英語系になるのでしょうか。
新潟と群馬と言ったら、関越トンネルだから...関越フィナンシャルグループとか??

住宅ローンを借りてから3回も銀行名が変わるとは、当時は全く想像もしませんでした。

繰り越しの時に通帳もまた新しくなるわけですね。

既に借りている組からすれば特に大きな影響はありません。ですが、新潟でこれから家を建てようと思っている人は、「第四北越×群馬」の新銀行を一度は検討することになる人が多くなるような印象があります。

第四と北越が合併した時と同様に、今回は県を跨るのでそれ以上に勤めている人はいろいろな変化があって大変かと思いますが、私たち消費者にとっては競争の中で進化していくことは悪いことではないように思います。

詳しい情報が出てきたら当ブログでもまとめていきたいと思います。

PS 住宅ローンをどこで借りるかよりも大切なこと

住宅ローンはどこで借りるかも大事ですが、それよりも大事なことがあります。

それは”いくら”借りるかです。

住宅会社はいい家を建ててほしいから、たくさん借りてほしい。

銀行もできれば、できれば”長く””たくさん”借りてほしい。

無理のない借入額は普通に住宅購入を進めていくと、教えてくれる人があまりいません。

住宅購入で失敗したくないなら、マイホーム予算診断サービスを使ってください。あなたの家計の無理のない借入額を一緒を考えましょう。

昆 知宏
新潟住まいのお金相談室代表。新潟の住宅会社の営業マンとして働いた後、売り手の立場ではなく買い手の立場に立って住宅購入の相談ができる場所を作る為に独立した。

保険や住宅を売ることを目的にしない住宅購入専門のファイナンシャルプランナーとして、100%顧客サイドで顧客の理想とする家を安心・納得して買えるようにアドバイスを行う。そのスタイルが支持され、新潟県全域から年間100件以上の相談依頼を受けている。

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