“老後破産・破たん”って聞くとドキッとしますよね。
以前にも増して新聞やNHKで”老後破産”というキーワードが取り上げられることが多くなりました。
事実、そういったことが起きている件数が多くなってきているのだと思います。
私たちの世代は将来の年金もあてにならないし、自分で何とかしないといけないという認識もありますよね。
しかしながら多くの方がこのまま老後を迎えると「なんとなくやばいな・・・」と自覚しているものの、ちょっとしたら忘れてしまい・・・たまにテレビのニュースを見ては思い出してもまたすぐに忘れてしまう。
なんだかんだ言って、自分には関係ないだろう。
こんなケースがほとんどだと思います。
とりあえず今すぐのことではないし、将来の事すぎるので関心が行かないのは仕方がないことです。
ですが、「実際のところどうなの?」ということで、新潟住まいのお金相談室でデータを取ってみました。
過去に面談した方のうち、自分たちがなんとなく決めた金額で住宅を取得し住宅ローンを組み、特段家を買ったからと言って生活レベルも下げることなくこのままの状態を維持した時、家計はいったいどうなるのか?
シミュレーションを作ったところ、なんと48.6%の方がこのままだと老後貧困になってしまうという事実がありました。
約半分にもなります。
老後貧困とは、最低限の生活はなんとかできるものの旅行に行ったり、子どもに資金援助したり、住宅を修繕したりするところまでお金が回らず生活がギリギリになることを意味します。
日ごろからなんとなく感じていたのですが、これはやはり今後深刻な社会問題になりそうな予感です。
まだ老後貧困であれば節約をしながらであれば何とかやっていけるかもしれません。
しかし累積赤字が1,000万円を超えてしまうとどうでしょうか。
これはもう節約とかそういったレベルでは耐えしのぐことはできません。
つまり老後破産を意味します。
21.6%が対策なしだと老後破たんする可能性あり
新潟住まいのお金相談室による調査によると5人に1人がシミュレーション上は老後に資金に行き詰まってしまうという結果になっています。貯金がマイナスになり、事実上の破たんの状態です。
あくまでもシミュレーション上なので、実際は50代後半もしくは60代前半を迎えたときにこのままいくとまずいということに気付くと思います。子どもを大学に何とか送り出してあげたものの、「あれ貯金なくない?」という感じになり、貯金を残せないまま65歳を迎えてしまうのです。
この時にすることは目の前の生活は見え始めてきているので生活の倹約したり、定年後も働くといった策を講じなんとか破産を回避する行動をとるはずです。そうするしかありません。
しかし65歳を迎えてもまだ住宅ローン借入が残っていて、体力的にそれほど多くの時間を働けなくなったらどうでしょうか。
その住宅ローンを返済することは、困難になってきます。
自力ではどうにもできず、子どもや親も助けることが難しい場合、老後破綻が現実になる。
これが最悪のシナリオです。これは絶対に避けたいですよね。
命運を分ける退職金
新潟県で500万円以上の退職金がある会社の割合。
これまでに多くの方と面談をしてきた経験からすると50%くらいの感覚です。
言い換えれば半分以上の方が多くの退職金がない、期待できないという現状です。
会社に退職金がなければどうしたらいいか。
答えは簡単です。
自分で退職金代わりとなる老後への準備をしなければなりません。
月々5,000円でも10,000円でも良いので確実に老後に向けて貯蓄していく習慣を作ることが大事です。
会社に退職金制度がある方は、会社が勝手にしてくれますが、ない方は自分でしなければ本当に何もありません。
将来的に転職を考えている方は、“退職金制度”の有無をしっかり調べ、ない場合は自分で積み立てる覚悟が必要です。
目先の年収が多くなくても退職金が多い方が生涯賃金では上ということもあります。
自分がいくら退職金をもらえるかを把握している人はものすごく少ないのですが、退職金の大小はあなたの生涯プランにおいて本当に大きな影響を与えることになります。
もしあなたがこれから家を建てるのであれば、このまま今の会社に働き続けた場合に、退職金をいくらくらいもらえそうかを可能な範囲で調べておくことはとても重要です。
それによって住宅ローンの返済プランも変わってきて、はじめに選択する住宅ローンもしっかりと考えておかないと後々苦労することになるからです。
同じ年収500万円でも差が開く事例
例えば、1,000万円の退職金がある会社に勤めるAさんと、全くない会社に勤めるBさん。
AさんもBさんも35歳。子ども2人の4人家族。
AさんもBさんも世帯年収500万円。
全く一緒です。
そのため、日々の生活レベルだって全く一緒。
同じ分譲地で同じくらいの家を建てました。
土地と建物で2,800万円です。
月々のローン返済は79,000円。
楽ではありませんが無理でもないような、一見すると適切な返済額です。
現役時代はどちらも生活レベルはもちろん一緒。
ローンも順調に返していきます。
そして迎えた60歳の定年退職。
このとき住宅ローンの残りは約902万円となりました。
退職金の決定的な差
AさんもBさんも残りのローンが902万円。
Aさんには退職金が1,000万円あります。
Bさんには退職金がありません。
今まで人生を並走してきたAさんとBさん。
ここで決定的な差が開きます。
Aさんは退職金でローンを一括返済できるのに、Bさんはまだまだローンが終わりません。
Aさんは65歳まで再雇用で働き、さらに貯金を増やし住宅ローンが終わったため悠々自適な老後ライフへ。
Bさんは65歳まで再雇用で働いても、まだ住宅ローンが460万円も残っています。当然貯金はありません。
今までほとんど一緒であったAさんとBさんの家計が、ここで天と地の差となりました。
Bさんは65歳を過ぎても働くしかなく、70歳を迎えた時点でようやくローンを完済。
しかし貯金がありません。
破産まではしませんが老後は、あまりお金を使うような楽しみはできません。日々暮らしていくことはなんとかできる。
これを老後貧困といいます。
この時70歳まで仕事があればまだ良いですが、職を見つけられなかったり、病気で働けなくなれば、残念ながら家を売るしかない。
しかし、そのときに家の価値は0円。
土地の価値もどうなっているか分かりません。
家を売った後に住むところも探さなくてはなりません。
生活に限界を感じて家を売ろうと決意しても、ローン残額よりも高く売れず、差額を現金で用意できなければいよいよ破産するしかないことになります。
これは特に話を盛ったわけでもなんでもない、ひとつの真実なのです。
今から対策すれば大丈夫
恐れなくても大丈夫です。
あなたはまだ若く、家を買う前のはずです。
未来はまだ何とでも変えることができるのです。
人生最大の支出である住宅購入、そして住宅を購入するためのローン選択を間違わなければいいのです。
最初の住宅購入の金額さえ大きく間違えなければ、あなたの人生が破綻するリスクを一気に下げることが可能となります。
間違っても家を買った後に貯金ができなくなるくらいのギリギリなローンを組んではいけません。
働いていて収入があるうちは、なんとかなるかもしれませんが(なんとかするしかない)60歳を過ぎて収入が減収した時には、どうにもならなくなるかもしれないからです。
あなたは今何歳ですか?
60歳なんてずっと遠くで全然イメージできませんよね。
その方が普通です。
しかしあなたが60歳になるまでの年齢が1歳でも多ければ多いほど、実行できる選択肢は多く持つことが可能になるのです。
私たちの老後世代は、老後に向けて準備してきた人と、準備してこなかった人の差が大きく広がることが確実です。
もしあなたが今すぐ対策を考えておきたいということであれば、マイホーム予算診断サービスを受けてみてください。
家を買ってからの収支をすべて可視化し、今から多くの選択肢を考えられるようになります。
保険や住宅を売ることを目的にしない住宅購入専門のファイナンシャルプランナーとして、100%顧客サイドで顧客の理想とする家を安心・納得して買えるようにアドバイスを行う。そのスタイルが支持され、新潟県全域から年間100件以上の相談依頼を受けている。