フラット35の利息が3,000万円超?|「固定金利高すぎる」と思う人に知ってほしい住宅ローンの考え方

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2026年9月、いよいよ本格的に固定金利の住宅ローンの金利が上がってきました。

変動金利は上限なく上昇しそうで怖い。
最近はこんな状況ですから、フラット35のシェアも大きく盛り返しているそうです。

「怖いから固定金利にしたい。」

そう考えてフラット35を選択してシミュレーションをしてみると、今度はその利息の大きさに絶望してしまう。

「固定金利の金利が高すぎる!このまま借りていいのか不安です。」
最近はよく、このような相談が寄せられています。

例えば、5,000万円を35年返済で現在のフラット35の金利水準で借りた場合を見てみましょう。

9月金利である、当初5年間2.46%、6年目以降3.46%として計算してみます。

すると、

当初5年間:約17.8万円/月

6年目以降:約20.2万円/月

となり、35年間の総利息は、

約3,338万円

です。

※実際の返済額は借入条件等によって異なります

すると、35年間の総利息はざっくりですが約3,338万円!

5,000万円を借りたのに、最終的な総返済額が約8,338万円。

「利息だけで3,000万円を超え……もう一棟家買えるレベルじゃん!。こんなに返せないよ」

そう思うのも無理はありません。

ただ、ここで一つ知っておいてほしいことがあります。

その3,000万円超の利息、必ず35年間かけて「全部支払うとは限りません。

住宅ローンは、一度借りたら35年間そのまま返し続けるしかないものではないからです。

繰り上げ返済もできます。
金利が下がれば、借り換えという選択肢もあります。
そして何より、固定金利には「これ以上金利が上がらない」という大きなメリットがあります。

今回は、現在のフラット35が「高すぎる」と感じている方に向けて、固定金利を選ぶときに知っておきたい考え方を整理してみます。

住宅ローンは35年間ずっと同じ条件とは限らない

住宅ローンというと、
「一度借りたら、35年間ずっと同じように返済する」
というイメージを持つ方も多いと思います。

しかし、実際には途中で状況を変えることができます。

代表的なのが、繰り上げ返済です。

余裕資金ができたときに元金をまとめて返済すれば、その分だけ将来支払う利息を減らすことができます。

住宅金融支援機構の過去のデータを見ると、実際の返済期間は平均するとおおむね7~8割程度というデータがあります。
これは20年ローンでも35年ローンでも、同様に予定期間の7~8割の時期に完済しているということです。

単純に7.5割とすれば、例えば35年ローンなら約26年で多くの人が完済という計算です。

もちろん、これは平均値なので全員が26年で完済するわけではありません。
もっと早い人も遅い人もいるでしょう。

ですが、例えば返済を開始して26年というと、30代で家を買った方が、ちょうど退職金がもらえる時期です。
このタイミングで、一括返済する人もいるでしょう。

早く返すなんて、難しいんじゃない?と思うかもしれません。
ですが、過去のご相談者でも、スタート時は35年だった住宅ローンを10~20年程度で完済した方は実際にいらっしゃいます。

私自身も住宅ローンを「35年」で借りていますが、20年程度で完済するプランを考えて現在家計を運営しています。

何が言いたいかというと、
つまり、35年ローンを組んだからといって、必ず35年分の利息を払うとは限らないのです。

意外と知られていない「フラット35→フラット35」の借り換え

もう一つ、固定金利を考えている人に知っておいてほしいのが借り換えです。

今は少し金利が高いフラット35。
でも、将来金利が下がれば、一定の条件を満たすことでフラット35からフラット35への借り換えができます。

固定金利を選んだからといって、「高い金利を一生払い続ける」と決まったわけではありません。

例えば、2008年頃のフラット35。
今と同じような水準で金利は約3%でした。

その10年後の2018年には約1.2%まで低下しました。

もし2008年に5,000万円を固定3%で借りた人が、その後も借り換えずに返済し続ければ、当然3,000万円以上の高い利息を払い続けることになります。

一方で、金利が下がったタイミングで借り換えれば、その後の利息負担を大きく減らすことができます。

なんとこのケースで試算すると、利息を2,000万円近く削減することができます。

これは私が10年以上FPをやってきた中で、実際に見てきたことです。

スタート時は3%台のフラット35だったけれど、
途中で1%程度のフラット35に借り換えして
実際の金利負担は大きく下がった。

そんなケースは実際に多々ありました。

もちろん、
「また今から10年後に1%台になる」と予想しているわけではありません。

未来の金利は誰にも分かりません。

ただ、

「現在の条件で35年間払い続けた場合の総利息」=「必ず支払う利息」

ではないということです。ここを抑えてください。

今まで違い住宅ローンは借りっぱなしではなく、返し方にひと手間必要な時代になったのです。

固定金利の強みは「これ以上上がらない」

固定金利の一番分かりやすいメリットは、金利が上がっても返済額が変わらないことです。

金利を悲観的に予想して最悪な事態を想定し、「これ以上ひどいことにはならない状態を確保した」ということでもあります。

先ほどの5,000万円のケースでは、計算上の総利息は約3,338万円。
確かに大きな金額です。

しかし逆に考えれば、
「最悪、どんな経済状況になろうが、いったんこの条件で最後まで返せば完済できる」ということでもあります。

損失上限がロックされるのです。

今後、日本の金利がさらに上昇しても、契約した固定金利のままで返済を続ける限り、住宅ローンの金利まで一緒に上がることはありません。

だから私は固定金利を単純に、「高い住宅ローン」と考えるより、

「金利上昇に対する保険」のような役割である。

そう考えることもできると思っています。

もちろん、保険ですから、何も起きなければ「高かった」と感じるかもしれません。

変動金利の方が得だったというシナリオも存分にありえます。
なんならその可能性の方が確率的には高いかもしれません。

でも、大きな金利上昇が起きたときには
「固定にしておいてよかった」となる可能性もあります。

「ああ、また金利が上がった」「まだこの先も上がるのか…」
こんな気持ちで毎日鬱々となる可能性を排除する、そのための保険です。

そこをあなたが、どう考えるかです。メンタル的な要素も大きいかと思います。

家計にリスクを入れるか、入れないかはあなた次第です。

金利はずっと同じ方向には動かない

もう一つ忘れてはいけないのが、金利は永遠に上がり続けるわけでも、永遠に下がり続けるわけでもないということです。

景気やインフレ、金融政策によって、金利は上がったり下がったりします。
今が金利上昇局面だからといって、この状態が永遠に続くとも限りません。

一方で、いつ、どの程度下がるのかも誰にも分かりません。

あなたが家を買うタイミングが、
たまたま金利が高いターンだった
ということも十分にあり得ます。

そして、金利が高い時期に固定金利で借りたとしても、その後に金利が下がれば借り換えを検討できます。

つまり住宅ローンは、

「今日決めた条件が35年間絶対に変わらない」

というものではありません。

繰り上げ返済や借り換えによって、その後の戦略を変えることもできます。

結局、変動と固定はどちらがいいのか?

最近、「FPさんとしては、変動金利と固定金利、結局どちらがいいですか?」と聞かれることが増えました。

正直なところ、これだけでは何とも言えません。「その人による」というのが誠実な答えです。

現在の年齢
年収
貯蓄額
頭金
購入する住宅の価格
今後の教育費
資産形成の状況

こうした情報が分からなければ、その人にとってどちらが適しているのか判断できないからです。

例えば、金利が上昇しても十分に耐えられる家計なら、変動金利を選択する合理性があります。
私でもそうするでしょう。

一方で、金利が上がったときに家計が苦しくなるのであれば、固定金利でリスクを抑える意味は大きくなります。
性格的な向き不向きすらあります。

だから大切なのは、
「変動と固定、どちらが得なのか?」ではありません。

「自分の家計は、どこまで金利上昇に耐えられるのか?」

これを正しく知ることです。

住宅ローンは賭けではなく長期的な家計戦略

ここで冒頭の例にもどってみましょう。
5,000万円の住宅ローンで計算すると、固定の現在の条件では総利息が約3,338万円。

この数字だけを見ると、とても大きく感じます。

でも、そのMAXの金額まで必ず35年間払い続けると決まったわけではありません。

繰り上げ返済をするかもしれない。
金利が下がって借り換えできるかもしれない。

もちろん、逆に金利が上がり続ける可能性もあります。

未来は分かりません。

だからこそ私は、

「一番得する方法」を探すより、「想定外のことが起きても家計が壊れない方法」を考えること

のほうが大切だと思っています。

住宅ローンは35年間の賭けではありません。

未来の変化に合わせて、途中で修正していくこともできる長期的な家計戦略なのです。

今日の記事は、固定金利から固定金利(フラット⇒フラット)への借り換えができると思っている人が、リアルな場面であまり知られていないことに気づき、記事として共有させていただきました。

固定金利を選ぼうとしているがあまりにも高くて躊躇している、という方も多いかと思います。

固定金利が高いからダメ。
変動金利が安いから正解。

そんな単純な話ではありません。

大切なのは、自分の家計がどこまで金利上昇に耐えられるのかを知ること。

そのうえで、「多少高くても安心を買いたい」と考えるなら、固定金利は十分に合理的な選択肢になります。
一つの考え方として参考にしていただければ幸いです。

PS 自分で判断するための材料が足りない方は、ライフプランが助けになります

あなたの家計なら変動金利が合っているのか、それとも固定金利のほうが安心なのか。

ライフプランを作ってみると、ある程度その方向性が見えてきます。

自分や家族の生活や幸せを守るために
「自分の場合はどちらがいいんだろう?」と思う方は、
よろしければマイホーム予算診断サービスをご利用ください。

マイホーム予算診断サービス

なお、ライフプランの作成には少し時間をいただきます。
住宅会社との契約直前など、急ぎのご相談にはご対応ができない場合があります。
家づくりを安心して進めるためにも、できるだけ早い段階でご相談ください。

昆 知宏
新潟住まいのお金相談室代表。新潟の住宅会社の営業マンとして働いた後、売り手の立場ではなく買い手の立場に立って住宅購入の相談ができる場所を作る為に独立した。

保険や住宅を売ることを目的にしない住宅購入専門のファイナンシャルプランナーとして、100%顧客サイドで顧客の理想とする家を安心・納得して買えるようにアドバイスを行う。そのスタイルが支持され、新潟県全域から年間100件以上の相談依頼を受けている。

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