中東情勢による建材不足はひと段落。住宅業界の最新状況と価格への影響を解説

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春先から住宅業界では、大手住設メーカーの一時的な注文ストップニュースから始まり、

「断熱材が入らないらしい」
「設備が不足しているらしい」
「建材価格がさらに上がるらしい」

そんな話が飛び交っていました。

家づくりを考えている人は不安に感じることも多かったと思います。
私のところにも「今契約して大丈夫でしょうか」という不安の声が届いていました。

結論から言うと、建材不足そのものは少しずつ落ち着いてきています。
ですが、その一方でもっと長く続きそうな別の問題もおきています。

それは、「これからも値上がりが続く」という前提で家づくりや家計を考える必要があることです。

実際、住宅会社の方々から、

「先が読めない」
「見積りの有効期限を短くしたい」
「価格上昇リスクを契約書に入れたい」

という声を聞くことが増えていました。

今日は、建材不足の現状と、今後の住宅価格の話をしたいと思います。

建材不足だった市場は大きく改善傾向

建設住宅資材の供給状況に関するアンケート。確保できないという回答が大きく減少しています
出典:国土交通省

こちらは国土交通省がまとめた資料になります。

建材不足への不安のピークは今年のGW明けから6月くらい。
その時は、新潟でも工事に大きな影響を与える可能性が高いと考える業者がほとんどでした。
ですが、その1か月後には影響が大きいと答える業者は5分の1まで減少しています。

今はこの調査から1か月が経過し、材料の供給についてはさらに平常化してきているという現状です。
そのため、前と同じとは言いませんが、「材料が入ってこなくていつまでも家が完成しない。」というリスクはほぼなくなっています。

ですが、全ての問題が解決したわけではありません。

建材不足は解消。でも仕入れ価格は上がった

ホルムズ海峡の問題をきっかけに、他のルートからの原材料の調達が始まりました。
つまり、日本企業は従来より高いコストを払ってでも安定調達を優先する動きを強めたわけです。

そのため、材料の安定供給はかなり改善傾向です。

ですがもともと、ホルムズ海峡に依存していたのはコストの安さからだと思います。

ですから、ホルムズ海峡依存を脱却するための世界様々のルートから調達を図るということは、従来よりもコスト高になることは確実。
さらに、アメリカイラン情勢はまだ収まっていません。
今後も当てにできないことから、日本は世界各国のルートを今後も重要視するでしょう。

エネルギーの調達先を分散する動きが進めば、従来より調達コストが高くなる可能性があります。
つまり、今後そのコスト増があらゆる商品やサービスの価格上昇要因の一つになると考えられます。

出典)経済産業省 中東情勢に伴う重要物資の安定的な供給確保のためのタスクフォース

影響をうけるのは住宅業界だけではない

これは住宅業界だけの話ではありません。

・建材
・物流
・電気
・ガス
・ガソリン
・食品

あらゆるものに波及していきます。

日本は世界的に見ればなんだかんだ言って豊かですから、モノは手に入ります。けれど高くなるという状態です。

むしろ家づくりにおいては、建材不足よりこちらの方が長く影響するのが確実視されています。

私が最近感じていること

正直なところ私自身もコロナ禍以降、考え方が変わってきました。

これまで、欲しいものでも「そのうち、いつか買おう」と思っていました。

ですが最近は、
「必要なら早めに買っておいた方がいいかもしれない」と思うようになっています。

理由は2つあります。

一つは、いつまでも健康で、好きなことを楽しめるとは限らないと感じるようになったこと。

もう一つは、お金の価値が少しずつ目減りする時代になり、「あとで買おう」と思っていたものが、手の届きにくい価格になってしまう可能性があるからです。

もちろん、何でもかんでも買えという話ではありません。
無理な借金をしてまで買う必要はありません。

ですが、

・3年以内に買う予定だった金額が大きなもの
・5年以内にリフォームする予定だった家
・人生でいつか、必ず叶えたいと思っていたこと

これらについては、価格上昇を考えると先送りが必ずしも得策ではない気がしています。

これからは「現金だけ」が一番不安になる

FPとして最近強く感じるのは、インフレが本格化すると、現金だけを持っている人が一番苦しくなるということです。

そう考えたきっけかの1つは、日本円で投資し日本円で戻ってくる金融商品です。
・10年で1.3倍
・30年で2倍
このような利回りが提示されている、超ローリスクな金融商品が出てきました。

少し前の日本では考えらないローリスクです。
個人的にかなりの衝撃を受けました。

「低リスクでお金が増える時代だからラッキー」と思うかもしれませんが、それは少し早計です。

ローリスクでお金が増えることを世の中が保証するということは、それだけその年数がたった後にお金の価値が減ることを前提としているようなものだからです。

例えば、30年後に200万円受け取れたとしても、その頃の200万円で買えるものが、今の100万円分くらいしかなければどうでしょう。
そのお金は価値として「倍になった」とは言えません。

インフレ時代には『待つこと』にもコストがある

インフレが進むと、同じお金でも、買える物の量は年々減っていきます。

住宅価格も上がる。
家賃も上がる。
光熱費も上がる。
車も上がる。
食費も上がる。
旅行代も上がる。
スマホも上がる。

そうなると、将来必要になるものは、必要なタイミングでしっかり取得していくという考え方も重要になります。

建材不足への不安は少し後退しました。
しかし、その代わりに見えてきたのは、これから続く長いインフレとの付き合い方です。

インフレ時代は、「安くなるのを待つ」よりも、「無理なく買えるタイミングを逃さない」ことの方が大切になる場面が増えていくのかもしれません。

もちろん住宅購入は勢いで決めるべきではありません。

だからこそ、住宅購入も資産形成も、「今の家計で何が無理なくできるか」を基準に考える。
この視点が、これからの時代には欠かせないと私は考えています。

PS. 家を買っても資産運用できる余地を残すには

家を購入した後にどれだけ資産運用できる余力を残せるかが、これからの時代を生き抜くライフプランになっています。

ギリギリの住宅購入だとそれができません。

この時代を賢く生きる戦略を組みたい方は、マイホーム予算診断サービスをご活用ください。

昆 知宏
新潟住まいのお金相談室代表。新潟の住宅会社の営業マンとして働いた後、売り手の立場ではなく買い手の立場に立って住宅購入の相談ができる場所を作る為に独立した。

保険や住宅を売ることを目的にしない住宅購入専門のファイナンシャルプランナーとして、100%顧客サイドで顧客の理想とする家を安心・納得して買えるようにアドバイスを行う。そのスタイルが支持され、新潟県全域から年間100件以上の相談依頼を受けている。

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