年収の7倍も住宅ローン組んで大丈夫?

あなたの趣味は何ですか?
人生をエンジョイするために、お金を気にせず楽しみたいことってありますよね。

私は旅行が好きです。
せめて気分だけでもと最近「旅行雑誌」「山岳ガイド」「地理本」などをよく読んでいます。
妻からは「社会の資料集みたいの読んで面白いの?」と言われますが、面白いのです(笑)

メルカトル図法とか、モルワイデ図法とか昔習ったような懐かしい言葉を出てきます。
覚えていますか?(笑)

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メルカトル図法は欧米の先進国が大きく見えるように描かれた図法という真実を知ったり、(正しい縮尺で書くとアフリカ大陸や南アメリカ大陸ははるかに大きい)こういった本をたくさん読んでいると、“当たり前のことが当たり前でなかったりする”こんな発見があったりして面白いです。

また、日本を旅した外国人の日本の面白いところあるあるも妙味深いです。

例えば、
・電話でお辞儀をする
・卵を生で食べる
・エスカレーターで片道あける
・水道水がそのまま飲める

こんなところも外国人から見ると、驚くべきことのようです。
また海外旅行に行けるようになってこういう日常の違いを見つけることができるとなんだか楽しくなりますよね。

欧米・日本の住宅価格年収倍率

今日はなんでこんな話をしたかというと、住宅事情にも大きな違いがどうもあるようです。
日本では年収の6~7倍のローンを組むのが一般的のようです。

つまり世帯年収が500万円であれば3,000万円~3,500万円ですね。
うん、たしかにこれは妥当です。
それくらい借りないと土地・建物は買えません。

新潟では男性の平均給与は
年収:439万円
月収:31万円
賞与:68万円
ということです。

これは平均年齢:42.8歳での計算なので、
あなたがもし30代であればもう少し少ない計算になります。

このときもし妻が扶養内のパート勤務だとしたら、年収が96万円くらいなので、世帯年収は約500万円。
こういった家庭が新潟市内で土地から家を建てる場合、予算は3,000万円~3,500万円必要になるため年収の6~7倍ゾーンになることが多いようです。

この数値をみてあなたはどう思いますか?

たしかに日本ならびに新潟では“普通”なのですが、実はこれ外国人から見ると“クレージー”と言われます。

欧米の年収倍率は3~4倍

欧米では中古住宅の流通が盛んなため、住宅取得価格は年収の3~4倍が普通です。

年収が500万円だとしたら1,500万円~2,000万円の予算が健全というわけです。
確かにこれくらいの年収で、この程度の借入額であれば生活は健全。
旅行にもたくさんいけるでしょう。

日本は世界でも稀にみる極端に新築思考であるために、なかなか年収倍率3~4倍で家を建てる方はいませんが(というか建てられない)、欧米並みの倍率で見ていくと土地付き一戸建てが3,000万円を無理なく返していくには、世帯年収が1,000万円以上必要という計算になります。

住宅ローンを全くストレスなくやり過ごすためには、3,000万円の家でも年収が750~1,000万円は必要。

うーん。
これはなかなか高いハードルですね…。

でも、実際にライフプランを作っていると確かにこれはその通りだと思うことが度々あります。

家を建ててから生活が苦しくなるのは当たり前

家に対する価値観が日本ではとても優先順位の高いところに位置します。
つまり日々の生活を犠牲にしてでも、新築に住みたいという志向がとても強いのです。
ただその割には、家そのものへのこだわりはそこまで強くなく、なんか客観的に見るともったいない感じもします。

あなたがそんなことを考えていなったとしても日本の文化がそのように形成されているので、住宅購入をするという決定を下した瞬間から家計の圧迫度はどうしても高くなります。

人生を余裕でエンジョイするための予算と、実際の住宅購入金額が日本では全然釣り合っていないからです。

これは家を買ってからジワジワと気づくはずです。

例えば、
「家賃6万円→住宅ローン+固定資産税月換算10万円」になると、それだけで月々4万円の差。年間48万円の負担増。
サラッと書きましたが、年間48万円の支出が住まいだけで変わるってなかなかですよね。

公務員の方には、住宅手当がありますよね。
平均すると27,000円くらい。


「実質家賃60,000円‐27,000円=33,000円」→「住宅ローン+固定資産税で月換算10万円」になるとその差は、月々67,000円。年間804,000円の負担増。新潟県の平均ボーナス分全部吹っ飛んでしまいました。

公務員の方などのように賃貸の『住宅手当』がある人ほど住宅購入ギャップが激しいことが分かります。

その結果どういうことが起きるかということ、ほとんどの家庭で子どもの教育費に十分な蓄えができません。
日々の家計を回したり、ローンを返すので結構体力を削がれ、それ以外の余裕が残らないのです。
つまり子どもを希望する進学先に親が全額負担で行かせてあげられなくなるということを意味します。

あるアンケートでは80%の親御さんが、「子どもを希望する進学先にお金の心配なしで行かせてあげたい」と回答していますが、実際は金銭的な事情でそれが出来ていない現実があります。

なぜそうなるかというと、家に対する支出が高すぎるからです。

つまりあなたが家を購入するにあたって、頭金なしで新潟市に注文住宅を望む場合(※ローンを3,500万円組む場合)世帯年収が1,000万円以上ないと余裕で回すのはちょっと難しい。趣味も旅行もエンジョイして、教育費まで出すのはちょい厳しい。
これがデータ上から言える真実になります。

回避できる手段はあるか?

一番の理由は”住宅ローンの借りすぎ”に尽きるわけですが、では住宅ローンを減額したら問題が解決するかといえばそうではありません。
その場合無理やり予算に合わせて生活に不便な場所に住んだり、老後まで快適に住めるとは思えない明らかに安すぎる住宅を購入するという手段に限定される形になります。

実際問題、日本では欧米のように良質の中古住宅が市場にはあまり出回っていないからです。

今の生活内で絶対に収めようとして、無理に家づくりをするとそれはそれで失敗する可能性が高まります。
そうではなくて、”自分たちの本当に望む生活を、現状で無理なく手に入れられるのか”をまず考えてみることをおすすめします。

その結果すぐに買えないのであれば、”買えるようになるにはどうしらいいのか?”を夫婦で考えてみることをお勧めします。

収入が足りない場合は具体的には、夫か妻または両方転職により年収アップ。
支出に多い場合は、それらに徹底的に見直すことが大事です。
たかが月1万円。されど月1万円です。

結局のところ、収入を増やすか支出を減らすかの2択しか解決策はないのです。
特にあなたがまだ住宅を購入する前の段階であれば人生最大の支出をどうにでもコントロールできます
ここさえ押さえておけば、人生の質は大きく変わるでしょう。

住宅購入があなたの人生の重荷にならないように、世界スタンダードのマネープランをあなたも参考にしてみてください。
年収の6~7倍は、冷静に考えると危険です。

PS

住宅購入後にどれだけの余裕を見るかは考え方次第ですが、家を買ってからもお金が貯まる家計を作っていきたい方は無理のない住宅購入金額を把握することが一番大事です。マイホーム診断サービスをするとあなたの家計が、日本平均の返済の重さになるのか欧米なみの返済の重さになるのかが分かるようになります。

昆 知宏
新潟住まいのお金相談室代表。新潟の住宅会社の営業マンとして働いた後、売り手の立場ではなく買い手の立場に立って住宅購入の相談ができる場所を作る為に独立した。

保険や住宅を売ることを目的にしない住宅購入専門のファイナンシャルプランナーとして、100%顧客サイドで顧客の理想とする家を安心・納得して買えるようにアドバイスを行う。そのスタイルが支持され、新潟県全域から年間100件以上の相談依頼を受けている。

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