FP相談で可能なライフプラン作成とは?

「あなたは将来のことを考えて生活設計を立てていますか?」

こんなことをいきなり聞かれたらドキッとしませんか。私は独身の時、あまりお金のことは考えてなくて入ってきたものをすぐ使ってしまうようなタイプでした。

結婚をしてからもガッツリ貯めるという感じではなくて、今できることをしっかり楽しんでおきたいなと思っておりお金を積極的に使っているほうではありました。

当時はファイナンシャルプランナー(FP)の仕事はしていなかったし、お金については特に真剣に考えていなく、将来のことを考えて生活設計はまったくしていませんでした。若い時にお金を貯めすぎるよりも経験できることはお金を出してでもしたほうがいいという考えだったので、それはそれで結果OKだっと思っています。

ライフプランのことを真剣に考えだしたのは家を建てるかどうかを考え始めた時でした。借金は好きではなかったので、返済が重荷にならないことだけは気を付けようと思いました。でも、結局具体的に何かアクションを起こしたわけではなく何となく自分で決めた根拠のない上限値を決めてその範囲内で家を建てること程度でした。

家を建てる前に具体的にお金のことについて考えていたらもっとよかったのですが、家が建ってから少し立ってFPの資格を取ってから具体的に考えるようになってからは将来の不安はかなり少なくなりました。やはり生活設計を立てることは大事です。

あなたもこれから家を建てようかと検討されていると思うのですが、私みたいな感じで家を建てる前に具体的に生涯設計を実際に立てるって実際は多くはありません。やったほうがいいかなと思うものの、次のアクションを取る方は極めて少数派なのです。

しっかりと生活設計を立てる人は100人に7人

『家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査] 令和2年調査結果※政府の金融広報委員会』に、興味深いデータがありました。こちらをご覧ください。

Q:「あなたのご家庭では、将来のことを考えて生活設計を立てていますか?」

1.生活設計を立てている(43.4%)

2.現在生活設計を立てていないが、今後たてるつもりである (35.6%)

3.現在生活設計を立てていないし、今後もたてるつもりはない (19.2%)

この結果を見ると、4割以上の方が具体的に生活設計を立てていると回答されています。しっかりされている方がとっても多い印象を受けます。しかし、次の質問に注目です。

Q:「生活設計を立てている」と回答した方で、何年位先まで生活設計を立てていますか?

1.1~2年先まで(5.3%)

2.3~5年先まで(22.4%)

3.10年先まで(35.1%)

4.20年先まで(17.4%)

5.20年より先まで(16.4%)

これを見ると、10年位まで生活設計を立てている方が大半で20年以上の方は少数派であるということが分かります。

FPの仕事をして思うことは、住宅購入を迷っている場面において生活設計をするのであれば20年以上先までのものが絶対にいいということです。

言い方を変えると、20年未満の生活設計シミュレーションはあまり意味がないとまでは言いませんが、住宅ローンを完済できるかどうかを確かめる情報としては不十分です。

なぜなら住宅ローンは35年で組む方が多いですし、子どもの大学進学や自らの老後の生活については20年ないし、20年以上先に起こるイベントだからです。

短期の生活設計は、住宅ローンを組む前の材料としてはあまり意味がありません。肝心なのはその先ですので、10年以下ではなくて20年先の収支を把握することが大事なのです。

データを見ると「生活設計を立てている」と答えた人が約4割でした。しかしその中の16%しか20年以上先のプランを考えていないということになります。10人に4人まで絞り込んだのち(43.4%)、さらにその中の1~2人(16.4%)ですから住宅購入前に正しい判断材料となる精度の生活設計は100人に7人ほどしか考えていないということが分かります。

生活設計は人生三大支出を知ることが大事

人生における大きな支出は、3つあると言われています。それは何か知っていますか?

答えは、教育費・老後生活費・住宅購入費です。

例えばあなたが今35歳で子どもが4歳、2歳くらいだったとします。一番下の子が大学を卒業するまではあと20年、65歳でリタイヤするまではあと30年。住宅ローンは35年ローンだと、あと35年あることになりますよね。

この時に3年位先の生活設計で良ければ子どもがまだ小学校に入るくらいですから、今とほとんど家計の収支は変わることはないでしょう。3年成立するだけのビジョンであれば今の収入だけを判断して、支払える住宅ローン金額で設定しても全く問題ないことになります。

10年先まで成り立つ生活設計だといかがでしょうか。35~45歳の10年間はもっとも給与上昇カーブを描きやすい時期なので、仕事が順調であれば気持ち的にはノリノリだと思います。本格的に教育費がかかる時期でもないので、余裕を感じやすい年齢帯になるでしょう。生活水準が上がっているこの時期の住宅購入は実は最も注意が必要です。なぜなら生活が豊かになっていることから比例して家にかける金額も大きく上がってしまうことが想定されるからです。10年先には教育の大きな支出や、給与上昇カーブが終わってからの住宅ローン返済期間も長いために、この先10年と、10年目以降のギャップが生じやすいのです。住宅ローン破綻してしまっている人の多くが、収入が高いときに住宅購入をしてその後思うようにいかなくなったというパターンなので、10年生活設計は危険なのです。

20年より先だとどうでしょうか。子どもの大学進学費用を織り込まないといけなくなりますので、住宅購入にかける予算は慎重にならざるを得なくなります。また定年退職時に住宅ローンの残高よりも退職金が多いのか、少ないのかも老後に与える影響が大きくなるために生活設計プランが一気にシビアになります。つまり現実的なものになります。

20年以上のプランを作らないと三大支出を追えない

つまり20年先のビジョンまで見ないと、人生の三大支出を許容できるかどうかを織り込むことができません。20年未満の生活設計を作っても、住宅購入の判断材料には適していないことを意味します。

「20年先というのは先過ぎるし、そんな先のもの作っても精度が低すぎるんじゃないの?」と思われるかもなのですが、あなたの今持っている収入の情報、支出の情報というのは実はあなたが思っているほど今後大きな変化は起きません。既にある情報だけでも20年先を未来予測をする材料として十分に精度なのです。

極端に年収の上下する転職をしないのであれば収入は職場の規定によってある程度先が読めるものでありますし、支出もあなたが思っている以上に大きく乱高下することはありません。生活をしていく上ではリズムは決まってきています。教育費についても膨大な数からの平均値が出ているので、平均値で計算してもいいし、最大値に近い形で安全をとって生活設計をしても良いです。

人がイメージできる未来像はせいぜい3年先と言われています。

その先は未知数なのが当たり前なのです。だから、20年先のビジョンなど考えようともしないし、考えたとしても信ぴょう性がなくて無意味と思ってしまう傾向があるのです。しかし実際は、思っている以上に精度の高い未来予測をできますし転職をお考えでなければ(もしくは転職しても給与意地が固いお仕事であれば)信ぴょう性の高いシミュレーションを作れるということはなんとなくお分かりいただけましたでしょうか。

100人に7人しか長期の生活設計を考えていないという事実があるように、ほとんどの方は住宅購入前という重要な場面でも具体的なアクションをすることはありません。具体的に何をどうやってらいいのか分からないということもあると思います。

しかしなんらかの理由でこの記事を目にしたり、住宅ローンを組む前に生活設計プランをもっと具体化しておきたいともしあなたが思っていたら短期的な生活設計ではなく、ぜひ長期的な視野を持ってください。

自分のお金の動きがだいたい把握できればお金のことに悩んだり苦しんだりする時間は、間違いなく減るはずです。

PS

もしあなたが住宅購入の資金面で絶対に失敗しない100人に7人にすぐに入りたければマイホーム予算診断サービスに申し込むだけで20年先の長期ビジョンを明確にすることができます。もちろん、自分でがんばって生活設計してみるのも良いです。結果的に面倒になってアクションを起こさないのが一番もったいないので、悩む時間や自分で作る時間を無駄にしたくなければ遠慮なく相談に来てください、

昆 知宏
新潟住まいのお金相談室代表。新潟の住宅会社の営業マンとして働いた後、売り手の立場ではなく買い手の立場に立って住宅購入の相談ができる場所を作る為に独立した。

保険や住宅を売ることを目的にしない住宅購入専門のファイナンシャルプランナーとして、100%顧客サイドで顧客の理想とする家を安心・納得して買えるようにアドバイスを行う。そのスタイルが支持され、新潟県全域から年間100件以上の相談依頼を受けている。

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