家を買うって、人生の一大イベントですよね。
「手狭なアパートではなく快適な空間に住みたい」
「家族で過ごす時間を大切にしたい」
「ストレスなく子育てしたい」
…そんな思いがあって、いろいろな住宅会社を見に行って、間取りや立地を考えて、ワクワクしながら話を進める。
私も家を建てた当時は、好きなデザインに囲まれて暮らせること、暑さ寒さに悩まない快適な生活ができることを夢見て計画を立てていました。
だけど夢や楽しみの一方で、現実的な「お金の話」が、ちょっと後回しになっていませんか?
後回しどころか、「まあ大丈夫だろう」と根拠なくスルーしていませんか?
実は、住宅ローンを返済中の人の3人に1人が「住宅ローンで後悔している」と答えているのです。(三井住友信託銀行グループの調査による)
ちょっと衝撃ですよね。
みんなワクワクしながら家を買ったはずなのに、その後「やっぱりローンはこうしておけばよかった…」と感じている人がこんなに多い。
これは決して他人事じゃありません。
住宅ローン後悔の理由1位はシンプル。「借りすぎ」

後悔の理由でいちばん多かったのは、「借入金額を少なくすればよかった」というものでした。
つまり借りすぎ。
勢いでちょっと背伸びした結果、毎月の返済がじわじわ生活に効いてきて後悔しているということです。
家を建てている途中って、金銭感覚がバグるというかマヒして来てしまうんですよね。
上限をきっちり決めてしっかり守らないと、どんどん予算が伸びてしまいます。
次に多かったのが「もっと頭金を入れられればよかった」ということです。
これもつまり、借入額が多すぎて毎月の返済が重いということを意味しています。
家を買う前にしっかり貯金をすることは大事です。さらにいえば、貯金ができる家計体質になってから家を買うことは、その後の家計管理において大きくリスクを減らすことにつながります。
次いで「借入期間を短くしておけばよかった」となっています。
毎月の借入金額を下げるために、35年以上の住宅ローンを組む人が最近は目立ちます。月々返済額が下がるからです。
返済額を減らすために40年、45年で住宅ローンを組んだことに後悔している人も目立ちます。
冷静に考えてみて下さい。
あなたの年齢+40年。住宅ローンを返済していくことは、嫌ではありませんか?
つまり、家を買う時はとにかくどうしたら買えるかに目が行きがち。肝心の、その後のどうやって返していくかがおろそかになって悩んでいる人が多いということです。
後悔する人が多いペアローン

それから、よくあるのがペアローンの話です。
ペアローンは共働き夫婦には魅力的に見える選択肢ですよね。
それぞれの収入で限度まで借入できるから、借入額が増えます。すると「希望の土地や家に手が届く」ようになります。
でも、実際にはペアローンを組んだ人のうち、5人に1人が「単独ローンにしておけばよかった」と後悔しているのです。これはちょっと見逃せません。
たとえば、夫婦どちらかが仕事を辞めたり、体調を崩したり、育児や介護で働けなくなったり。人生って思い通りにいかないこともありますから、ローンも「ずっと今のまま2人とも働き続ける前提」で考えるのは、けっこうリスキーです。
これは我が家でも経験したことです。
我が家は元々ペアローンにはしませんでしたが、第2子が生まれてから妻が正社員をやめました。
もしペアローンにしていたら返済はかなり厳しくなったと思います。
というよりも、返済ができないので正社員を辞めるわけにはいかなかったでしょう。ライフプランに変化があっても収入を維持することがノルマになるストレスを抱えて生きていくことになっていたように思います。
うまく使えばメリットもあるペアローン。ですが、「将来の変化」を想定せずに組んでしまうと、あとあと苦しくなることもあります。
家は勢いで買ってはいけない
このブログを読んでいる方は、お金のことを考えようと思いたどり着いてくれたことでしょう。
基本的にしっかりとした方が多いはずです。
家を勢いで買うなんて私はそんなことしないと思う。私には関係ない。
こんなふうに思うかもしれません。
でも、ちょっと待ってください。
あなたが住宅会社に回り始めると、とにかく営業をされることが多くなります。
しつこい営業ではありません。そんなことは今の時代は受け入れられないので、もっとスマートな方法です。

即決のメリットを多く提示されるのです。
例えば、今決めてくれたら100万円値引きしますよ。
さらに今決めれば今年の補助金も間に合うのでさらに80万円補助金がもらえますよ。
さらに、今決まれば来年どうなるか分からない住宅ローン減税も間に合いますよ。
これらを全部合わせると、あなた様には500万円くらいのメリットがありますよ。
こんな具合です。
どうですか?
どうせ買うのだから、今決めちゃおうか、となりませんか?
むしろそれが賢い自分とも思いませんか?
こんなときには、冷静になってみてください。
住宅会社の値引きなんてあってないようなもの(そもそも定価の根拠も不透明)
補助金はどうせ来年もあるし(毎年形を変えてやっています)
住宅ローン減税もどうせ何かしらの形で来年もあるでしょう
そう思ってみることも一考です。
目先の損するかも!という気持ちに囚われてしまうと、長期の目線が持てなくなります。
私自身も今大規模なリフォームをしているのですが、計画中に一度中断しました。
お金も大事ですが、まずは計画をしっかりまとめてから実行したいと考え、減税や補助金が不透明な翌年に持ち越したのです。
結果的には予想通り例年並みの減税・補助金がありました。特に不利益にならず、しっかりと時間をかけて計画をすすめられるというメリットが圧倒的に勝ったわけです。
とにかく資金計画が大事
だからこそ、伝えたいのはただひとつ。
「家を買う前に、ちゃんとお金のことを考えておきましょう」ということです。
どれだけ借りられるかじゃなくて、「どれだけなら無理なく返していけるか」を基準に考えること。それが後悔しない家づくりのスタートラインです。
「金利が低いうちに」
「早く買わないといい土地がなくなる」
と焦る気持ちもわかります。ですが、この先数十年、一生のことです。
一度立ち止まって、自分たちの暮らしと未来を見つめ直してみませんか?
お金のこともそうですし、そんな大金をかけて建てる家・これから一生住む予定の家を、他の選択肢も探らないままに一気に決めるなんて本当にもったいないですよ。
PS
「うちの場合は、いくらぐらいが無理のない予算なんだろう?」
そんなときは、プロと一緒に家計の目線で考えてみるのがおすすめです。
新潟住まいのお金相談室では、《マイホーム予算診断サービス》をご用意しています。理想の暮らしと現実の家計、その両方をすり合わせながら、安心して住宅購入に踏み出せるようお手伝いします。
後悔のないマイホーム計画のために、よかったら一度、ご相談くださいね。
保険や住宅を売ることを目的にしない住宅購入専門のファイナンシャルプランナーとして、100%顧客サイドで顧客の理想とする家を安心・納得して買えるようにアドバイスを行う。そのスタイルが支持され、新潟県全域から年間100件以上の相談依頼を受けている。