【600億予算追加決定!】2022年のこどもみらい住宅支援制度を解説

2022年に家を建てる方の目玉となっている補助金。

その名は、「こどもみらい住宅支援事業」。

子育て世帯・若者夫婦世帯の住宅取得に負担軽減を図るとともに、省エネ住宅取得に対して補助金を交付することが目的。

対象者は2021年11月26日以後に住宅を契約した方かつ...

ZEH及び長期優良などの高性能住宅は2022年10月31日までに住宅会社との契約

省エネ基準に適合する住宅は2022年6月30日までに住宅会社との契約(こっちは期限が意外と近い)

このようになります。

令和3年度の第1弾予算は542億円だったのですが、補助金の申し込みが殺到し2022年5月着工組で予算消化し多くの方が使えないまま終了となる見込みでした。

しかし、4月28日に追加予算の発表がありこれから家を建てる方も状況によってはまだ間に合う可能性が出てきました。

この発表は「ラッキー!」と言えるところですね。制度の目的は以下の通りで、要は高性能の家を普及するための補助です。

子育て支援及び2050年カーボンニュートラル(※脱炭素)の実現の観点から、子育て世帯・若者夫婦世帯による高い省エネ性能を有する新築住宅の取得や住宅の省エネ改修等に対して補助をすることにより、子育て・若者夫婦世帯の住宅取得に伴う負担軽減を図るとともに、省エネ性能を有する住宅ストックの形成を図る事業です。令和3年11月26日に令和3年度補正予算案の閣議決定が行われました。

住宅:こどもみらい住宅支援事業について - 国土交通省 (mlit.go.jp)

こどもみらい支援補助金の対象は、子育て世帯か若者夫婦世代であることが条件となります。

具体的には、18歳未満の子どもがいる世帯か、夫婦いずれかが39歳以下の世帯のいずれかの要件を満たす必要があります。

去年まであった制度である”住まい給付金”という補助金は年齢や子どもの有無を問わず年収で制限があったことに対して、新制度では適用される世帯構成に制限が入ることになります。

制限の考え方が大きく変わったところがポイントですね。

新築住宅はいくらもらえるのか?

国交省発表の資料によると、新築住宅の場合は上記のようになる見込みです。③の60万円補助については国の狙い通りに今後ほとんどの住宅メーカーが対応してくると思います。国のお勧めする水準をクリアできない業者(補助金がもらえない家)では誰もが建てたくないと思うはずだからです。まず60万円をゲットすることは計算に入れても良さそうですが、2次予算では2022年6月30日までの契約と条件がつきました。

①ゼロエネルギー住宅(ZEH)か②長期優良住宅等で家を建てて欲しいから、③普通の省エネ住宅は早期終了しますという案内が追加予算発表時に出ていました。

②長期優良住宅の80万円については、一般から長期優良にするためには構造上や申請書類関係で費用がアップするために、その費用をかけてまで20万円を取りに行くかはケースバイケースと言えそうです。20万円補助金は増えるけど、そのために30万円費用が掛かったというようなケースが場合によっては想定されるからです。

例えば、長期優良住宅を取るために差額30万円がかかるけど、補助金20万円で差し引きマイナス10万円。長期優良住宅であれば固定資産税が多少安くなったりすることもあればそれらを踏まえればイーブンくらいかなという感じです。②が得か、③が得なのかは建てる住宅会社が決まったら担当者としっかりと相談をしておきたいところです。

しかし③省エネ一般の60万円は6月末で終了なのでこれからだと間に合わせるのはしんどいですから、今後は①ZEHか②長期優良住宅を狙うことが本線になります。

さらに2022年4月からフラット35という固定金利の住宅ローンであれば、長期優良住宅だと当初5年間の金利引き下げ0.25%が決まっています。金利引き下げと補助金はダブル取りできますので、フラット35であれば長期優良住宅を取得することが本線となりそうですね。

①ZEH住宅等の100万円については、家のエネルギー効率が求められることなり設備面での先行投資が必要となります。太陽光発電システムや省エネ冷暖房設備等を搭載するかどうかになりそうです。こちらについては、補助金をもらって元々の見積もり金額から値引きのような形というイメージではなくて、実質太陽光発電などの設備が無料に近い形で搭載できる補助金と考えるとしっくりきます。

本来なら100万円以上する太陽光発電システムがわずかな負担で搭載できるならメリットは大きいのではないでしょうか。特に太陽光発電システムのノウハウがあり仕入れ値も安い大手ハウスメーカーは、ほぼほぼ①の100万円補助金タイプで提案をしてくると思われます。

つまり、中小工務店などは②、③の60~80万円での申請が多くなりそうで、大手ハウスメーカーは①100万円での申請が多くなるのではないかと予想します。

申請ルールは?

令和3年11月26日以降に契約※1を締結し、かつ住宅事業者から事務局※2に事業者登録を行った後に建築工事着手※3する住宅が補助対象です。これ以外の住宅は補助対象外となりますのでご注意ください。

※1:注文住宅の場合は工事請負契約、分譲住宅の場合は売買契約
※2:今後速やかに選定予定
※3:根切り工事又は基礎杭打ち工事の着手

https://www.zentaku.or.jp/cms/wp-content/uploads/2021/11/betten1.pdf

米印がたくさんあって非常に分かりづらいですよね。

契約日、業者登録日、着工日の関係

資料を見ていくと、令和3年11月26日以降に契約した人が対象になることは分かります。さらに、登録を受けた業者が対象になる事が分かります。事業者登録開始は、令和4年1月中旬頃とのことです。登録を受けた業者でないと対象外であることから、念のため対象となるかは住宅会社に確認をしておきましょう。

申請期間

登録を受けた業者が工事を開始したら補助金の申請をします。申請期間は令和5年3月末という記載があります。この締め切りは予算が一杯になると早期終了の可能性があることも書かれています。補助金の交付は、事務局から施工業者へ入ります。あなたの直接振込ではなくて、業者に補助金が入ります。値引き形式になるか、キャッシュバック方式になるかは事前に業者と合意を行うものとしますとあります。

2022年4月28日に600億の2次予算が来ましたが、この600億円だけだとおそらく今年の8月着工組くらいの方までで予算消化するものと思われます。1組あたりの補助額が高額なのも早期予算消化の要因です。

2次予算が来たのは朗報でしたが、3次予算が来るかはまだ分かりません。

完了報告

補助金を受けた工事は、業者が事務局へ最後に報告する必要があります。あなたが行うよりも業者主導が多いので手続き的には楽になりそうですね。ただその分の手数料もかかってしまうかもしれませんので、費用確認や内容の確認はしっかりとしておきましょう。

完了報告は戸建て住宅の場合は、令和5年10月31日が期限という記載があります。期限までの完了報告ができない場合は、補助金の交付は取り消され、返還が必要ですとあります。読み替えると、令和5年10月末までに完成引渡し・入居ができていないと補助金を受けられないことになります。

まとめると...?

  • 令和3年(2021)11月26日以降の契約が対象
  • 令和4年(2022)1月以降予定の業者登録後の着工が対象
  • 令和5年(2023)3月までの着工が必要(2次予算で延長になりました)
  • 令和5年(2023)10月までの完成・引き渡し・入居が必要(2次予算で延長になりました)

このような形になることが現在発表されている文章からだと読み取ることができます。

この制度は、住宅ローン減税との併用可能です。住宅価格が高騰している現在は、その分をこの補助金を使ってくださいと国も明言しているので少しでも使っていきたいところです。

※この補助金は予算が消化次第終了となります。1世帯当たりの給付金額が高額なため予想以上に早期に終了になる可能性があります。

実際1次予算も2022年5月着工組までであっという間に終わってしまいました。とりあえず二次予算は8月着工組までは大丈夫そうですが、その後三次予算までくるかどうかは現時点では未定です。

PS

補助金をうまく活用して家を建てたいですよね。

ただし期限を意識するあまり急いで身の丈に合ってないローンを組んでは元の子もありません。

事前にしっかりと根拠ある無理のない予算を確認したい方はマイホーム予算診断サービスをお申込みください。

昆 知宏
新潟住まいのお金相談室代表。新潟の住宅会社の営業マンとして働いた後、売り手の立場ではなく買い手の立場に立って住宅購入の相談ができる場所を作る為に独立した。

保険や住宅を売ることを目的にしない住宅購入専門のファイナンシャルプランナーとして、100%顧客サイドで顧客の理想とする家を安心・納得して買えるようにアドバイスを行う。そのスタイルが支持され、新潟県全域から年間100件以上の相談依頼を受けている。

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