「どうぞ、ご自愛ください。」
季節柄こんな言葉が交わされる機会が多くなりました。
外の暑さと冷房のきいた室内や車内の出入りを繰り返すと、体調管理が難しい季節になってきましたね。
私もこの時期はめっきり苦手で夏バテ気味です。
アイスクリームを食べたり、ビールを飲んだり、雨が降っているので室内にこもりがちになったりしてたしかに体調を崩すよなあ・・・といったところです。
夏バテにならないためには、しっかり食べてしっかり運動して、しっかり寝るというのが鉄則のようです。
対策も分かっているけど、なかなか実行できないのは単に意思の弱さだけなのですが、あなたはいかがでしょうか?
きちんと自分のことを思いやっていますか?
未来の自分への思いやり
私の好きなFP※さんが(※ファイナンシャルプランナー)こんなことを言っていました。
『貯金とは、未来の自分への思いやり』
言葉の通り、今目の前にあるお金を使うのをグッと我慢して未来の自分へ渡すこと。
これは分かっているようで、なかなか難しいことです。
貯金を意識せずにマイペースでお金を使っていくと、収入に比例して支出が多くなる傾向にあり、どの年収帯の人でも思ったより貯金がありません。
世帯年収が500万円でも、世帯年収が1,000万円でも、貯蓄額が100万円というのはよくある話です。
しかし当然ながら、家庭を持ち、家を持ち、となるとどんぶり勘定のままいくとまだ人生は序盤なのに、このペースでは中盤で家計が成り立たなくなってしまいます。
それはあるとき突然気付き、気付いたときには手遅れなのが怖いところです。
貯蓄の優先順位
何のために貯蓄が必要なのか?
目的が分からないと人は、行動できません。
目的から考えてみましょう。
貯蓄をする目的は、
・教育費
・老後
・自動車購入費用
主にこの3つに分類されます。
我が家は旅行が好きなので、
・教育費
・老後
・自動車購入費用
・旅行費用
の4分類でそれぞれを目的別にかつ効率的にお金を貯めています。
ちなみに内訳についてですが
・教育費(ジュニアNISA)
・老後(つみたてNISA、iDeCo)
・自動車購入費用(銀行預金)
・旅行費用(銀行預金)
こんな感じですぐに使う予定のないものは、投資信託で運用をしています。
NISAやiDeCoは設定だけしてしまえば、銀行の定期預金みたいに毎月自動的に天引きされますので楽です。
貯金のコツは、口座から勝手に天引きされるような強制貯蓄を増やすことにあるのが基本ですね。
そこから残ったお金でやりくりするしかないので、必然的にお金が貯まります。
ゴールから逆算する
例えば子ども2人分の大学進学費用として、子どもが18歳になるまでに500万円を用意したい・・とします。
子どもが生まれてから、18歳になるまでに500万円を作るには、『500万円÷18年÷12か月』を月々に換算すると23,418円の貯蓄が必要になります。
これが2人分だと、月々46,296円となります。
貯めたいと思っているだけではだめで、毎月46,296円貯めないと目標に到達しないことが分かります。
老後についてはどうでしょうか。
世間ではよく老後に2,000万円必要と言われています。
あなたが今35歳であれば65歳までの30年間でカウントすると、『2,000万円÷30年÷12か月』月々55,555円の貯蓄が必要となります。
退職金が1,000万円ある方は、この半分の27,777円で済みます。
一般機企業に勤める会社員のiDeCoは月々23,000円が上限ですから、iDeCoをMAXで運用していると退職金がある職場の方は老後資金を準備できることが分かりますよね。
国の制度だけあって、月々23,000円はいい線をついてきています。
更に自動車購入はどうでしょうか。
300万円の新車を10年ごとに乗り換えていく場合、『300万円÷10年÷12か月』ですと、月々25,000円の貯蓄が必要となります。
軽自動車ももう1台となると、『150万円÷10年÷12か月』月々12,500円となります。
自動車購入費用が現金ではなく、ローンになってしまっているという方は、収入より支出過多の家計となっている証拠でもあります。
まずは自動車購入費用減らし、現金で購入できる自動車に乗るということも大事かもしれません。
さてさて、この時全部を合計するといくらになったと思いますか?
35歳の世帯主の場合ですと、
子供2人分の教育費...月々46,296円(児童手当を差し引いてもOK)
老後2,000万円作るために...月々55,555円(退職金が1,000万円であれば27,777円)
自動車2台分...月々37,500円。(自動車のランクを落としてもOK)
普通にやっていきたいのであれば、合計月々139,351円の貯蓄が必要となります。
児童手当や退職金をあてにすれば、もう少し下げることもできると思います。
例えば児童手当は制限年収以下であれば、トータルで198万円/人総額で支給されます。
子供2人でざっくり400万円児童手当がもらえるとすれば、子供2人で大学進学費用1,000万円-400万円=600万円を用意すればいい計算となり、月々27,777円で済みます。
退職金が1,000万円だとすると、老後資金は35歳の方の場合、月々27,777円の用意が目安となり(たまたま教育費と一致しています!)、とりあえず意識してほしい貯金額は合計55,555円の月々貯金+車代です。
手元に現金が少ない場合は、車は高いものを買わないようにして、支払いはローンでも構いません。
月10万円以下の貯蓄でも良さそうですので、共働き家庭ではやりくりによっては決して不可能ではないと思います。
全部取りは困難を極める
とはいえ、このように見ていくと、いわゆる普通の生活を送るために必要な貯蓄は低くなく簡単ではないことが分かります。
しかし備えておかなければ、将来の蓄えはありません。
ある日突然、お金が降ってくるということはありえないのです。
逆算して考えていくと、全部は無理でもこれだけは、叶えたい、お金を準備したい!と思うものがあるはずです。
あなたの人生の中での優先順位を早々に考えていくと、後でお金に困らずに、納得のいく生活を送れるようになるでしょう。
このような事実を見ないうちに住宅ローンの借入金額を決めてしまうと、思うように貯蓄ができずに苦労することになる・・・なんとなく想像できたかと思います。
住宅ローンを組んでからも教育・老後・自動車という最低限必要となってくる分の貯蓄はしっかりと確保できそうなのかを事前に確認しておくことは大事であり、マイホーム予算診断サービスではそういった家計の全体図を把握することができます。
あなたの家計もどうぞ、ご自愛ください。
保険や住宅を売ることを目的にしない住宅購入専門のファイナンシャルプランナーとして、100%顧客サイドで顧客の理想とする家を安心・納得して買えるようにアドバイスを行う。そのスタイルが支持され、新潟県全域から年間100件以上の相談依頼を受けている。