2021年9月に契約になった実際の契約金額のリアル。実際の価格がどうなっているかを見た方が分かりやすいかと思います。
それぞれ会社は異なるものの、フルオーダー注文住宅であり、規格住宅ではない家。
そしていわゆる外構・地盤改良・エアコン・カーテンなども含んだコミコミトータル価格です。
① 2階建て:延床面積32坪 総額2,800万円 坪単価87.5万円
② 2階建て:延床面積26坪 総額2,300万円 坪単価88.4万円
③ 2階建て:延床面積33坪 総額2,900万円 坪単価87.8万円
各社ともに材料費の高騰分をまるまるお客さんから頂くことができず、ある程度利益を削る形で提示している状況が相次いでいます。
お客さんからするとそれでも高いのですが、住宅会社も利益を削って頑張っている状況。
しかしそれはなかなか伝わらず、打ち合わせの現場ではシビアな打ち合わせが続いています。
興味深いのは、会社は違えど坪単価がほぼ横並びになっていることです。
今、こだわりのフルオーダー注文住宅を建てた場合の実際の坪単価は、80万円台後半。88万円前後。
希望100%ではなくて小さなコストダウンを積み重ねて、やりたいことを多少セーブしている状態での金額になります。
2,000万円台前半を目指すにはいわゆるローコスト住宅メーカーを選択するか、コンパクトな整形の規格住宅を建てるか、完全注文の場合は家全体の面積をかなり小さくする必要が現在が出ている状況です。
半年前から7~8%ほどの上昇
木材価格だけで家全体で約5%ほどの上昇。その他の材料の値上げも含めると全体で約7~8%ほどの上昇。
注文住宅を建てる場合に今年の春と比較して、価格上昇分はざっくり言うとこんな印象です。
ちょっと前まではフルオーダー住宅の場合坪単価80~85万円くらいで、32坪×82.5万円=2,624万円。
こんな感じの相場観だったのですが、ここから7~8%上がっているというのが現在の状況ですね。
さらに9月22日にリクシルのユニットバスが最大22%価格上昇というニュースも出てきており、木材に限らず家に使われるあらゆるものへの値上げの波はしばらく全体的に波及していきそうな感じがします。
そうなると、注文住宅の場合は坪単価90万円、半規格住宅は80万円、完全規格住宅は70万円くらいが今後のラインとなってきそうな状況となっています。
性能やデザインをこだわっていくと、坪単価100万円台に突入。
土地を買って家を建てると簡単に総額が4,000万円を超過し、新潟市の人気エリアで土地を1,500万円~2,000万円で想定していくと、4,500万円・5,000万円も超えてくる状況がい相次いでおり住宅購入の心理的ハードルがかなり上がってきている状況にあります。
あなたもこれを聞いて、ちょっと躊躇してしまいそうではないですか?
金額を下げるにはどうしたらよいか?
家の金額を安く抑えるには、次の2つが有効です。
●大きい家を望まない
●規格住宅にする(整形の家にする)
両方を満たせば住宅価格高騰後のこのご時世でも、1,000万円台で家を建てることはまだ可能。
いわゆるフルオーダー注文住宅が高嶺の花となってしまうためそのような住宅を主に供給している住宅メーカーは苦戦を強いられることが予想され、今後は注文住宅を断念して規格住宅を建てる方が増えると予想されています。
また、注文住宅であっても建物が正方形である準規格住宅に近い設計が今後かなり数が増えてくることが予想されます。
幸いにして住宅ローンの金利は低下傾向にあるので金利が低下しているままであればギリギリ注文住宅に手が届くものの、今後金利が上がっていくような状況になってしまうとちょっと大変かもしれません。
特に変動金利で住宅ローンをスタートした方は、最初の金利が安いものの、将来的に金利が上がった時のインパクトも住宅取得金額が大きくなっているためにとても心配です。
家を買うために家計改善や、将来の返済計画を練ることは今までよりも必須と言えるようになるのは間違いありません。
価格は下がってこないのか?
事の発端となったのは、コロナによる需要と供給の乱れによる木材価格の上昇です。
今月より木材価格が最高値で商社が仕入れたものが、問屋を通して住宅会社各社に流通してくるようです。
つまり、暫定最高値であるものがこれから家を建てるかの見積もり反映をされている状況になります。
高値仕入れ分の在庫が捌けるまでは、金額は当面下がることはないでしょう。
しかしながら木材だけに限って言うと、2021年9月の『木材先物価格』という将来の価格を先に決めて取引する市場のデータを見ると、最高値の1/3圏まで価格は落ち着いています。
そうなると、次の輸入便が日本に届きそれが流通してくるくらいの木材価格は下がっていないとおかしいことに。
個人的には「半年後くらいには多少は下がってくるのでは!?」と思っているのですが、大元からすれば高値で仕入れた分は確実に捌かないといけませんから、もし数か月後に価格が下がると分かっていてもそれを口外することは基本的にはないでしょう。
そうすれば皆が買い控えになり価格が下がるまで待つとなってしまい、在庫が捌けず困ってしまいます。
住宅会社の皆が、「いつから価格が下がるのか?」必死になって聞いて回ってくれているのですが、その答えは「わからない」の一点張りだそうです。
事実、在庫が捌けるまでの期間が分からないし、今後も一度が下がったものが上がってくる可能性も否定できないのでその通りなのですが、データとにらめっこしていると木材価格に限っては半年後くらいに落ち着くような期待を個人的にはもっています。
上がったものが上がったままというのはこれまでにもないし、事実木材価格の指標は下がってきていますしね。
ただし、その他の材料も以前より上がってきてしまっているので、去年並みの価格で家を建てることは困難ともの見方が現実的です。
ですがさすがにもう少し落ち着いてもらいものですよね。
これから家づくりを考えていて急ぎではない方は、少なくても3か月は具体的に話を進めずに様子見がいいように思います。
PS
家の金額が今までに例をみない勢いで全体的に高騰しています。
流れに任せて家づくりをしていくと、以前にも増して簡単に予算オーバーをしてしまう状況になっています。
無理のない予算を把握して自分の上限値を知っておくことで、『家にかけてもいい価格』、『どこまでこだわっていいのか』『どの価格帯の住宅会社まで手が届くのか』は事前に分かるようになります。
それらはすべてマイホーム予算診断サービスで解決できますので、計画的に家づくりを進めていきたい方はぜひお問い合わせください。
保険や住宅を売ることを目的にしない住宅購入専門のファイナンシャルプランナーとして、100%顧客サイドで顧客の理想とする家を安心・納得して買えるようにアドバイスを行う。そのスタイルが支持され、新潟県全域から年間100件以上の相談依頼を受けている。