30代の悩みごと。
みんな何で悩んでいるか気になりませんか?
雑誌ダヴィンチで30代から40代の人たちが『いま気になることはなんですか?』というアンケートがありました。
興味深い内容だったので、今日はこのことについて書いていきます。
アンケートを見ていくと、私も同世代なので・・・痛いくらい刺さります。
アンケート結果を見てみると、
- 1位:仕事
- 2位:健康
- 3位:お金
- 4位:親の介護
- 5位:年金制度
- 6位:子ども
- 7位:住居
という結果になっていました。
これから家を建てようと思っているあなたもきっと、ほぼこれらに該当するのではないのでしょうか。
私は個人としては、独立して仕事をしているので『仕事』と『健康』は関心毎です。子どもももうじき小学校に入るので、子どものことも気になることが多くなってきました。
4位:親の介護はまだですが、この先10年で間違いなく真剣に考える必要が出てきます。
間違いなくランキングの上位に顔を出してくることだと思っています。
『お金・年金・住居』について、お金については仕事の結果ついてくるものでありそれはどうしようもできないものであるし、年金についてはもらえてラッキーくらいな感じだから資産運用や保険で準備しているし、住居についてはもう買っていてローン返済が苦しくないのでそれほど悩みはないというのが現在の状況です。
あくまでも『現在』ですが。。
あなたはいかがでしょうか?
住宅購入を躊躇するリアルな声
このアンケートをもう少し掘り下げてみていくと、心の声はこんな感じのようです。
「この先20年稼ぐことができるか分からない。」
「65歳まで現役というが、長く働くにはどうすればいいのか分からない。」
「何歳まで仕事ができるのか?もしくは仕事をしなければならないか?分からない。」
「終身雇用というのが幻想に過ぎない以上、今後どうなるか分からない。」
最大の悩みは仕事のようです。
確かに私も20年先に何しているか、なんて想像もできません。
どの仕事に就くにしても日々の仕事に精進して、進化して、とにかく選ばれる存在になるように切磋琢磨するのがこの不安を解決する一番の答えだと思っています。これを信じて日々頑張ることしか今はできません。
基本的には、『仕事=収入(お金)』ですから収入が不透明となれば、自分をどの生活水準に固定すべきなのかが定まらず、恐怖心から必要以上に支出を少なくしてしまうことが安全と考えて、身動きがとりにくいというのも納得です。
みんなが住宅購入を躊躇するのは、未来に対する不安があるからです。
住宅購入は生活水準を固定する行為
住宅購入に対する不安って漠然としていると思うのですが、その不安の正体は『住宅を購入することによって、自らの生活水準が固定されること』であると思います。
賃貸であれば収入に合わせて家賃の安いところに住むことができるし、家賃以外の税金や保険料、修繕費などの固定費がかかりませんから住居費を計算しやすく、コントロールもしやすいですよね。
仕事がどんなになろうとフレキシブルも動くことができます。
一方で、一度住宅ローンを組んでしまえば、簡単に解消することはできません。
いざとなれば売ればいいと思っても、一戸建ての場合は希望額では売れることはほぼないと思ってください。
自動車と同じで新築は不動産そのものも買った瞬間に大きく減価しますし、購入時にかかる諸費用も数百万円かかります。
売却時にも諸費用が数百万円かかることから、少なく見積もりって購入時150万円、売却時150万円としても合計300万円ものお金が価値の付かない手数料として吹っ飛んで行ってしまうのです。
それらの差額を貯金で穴埋めする必要がありますから、家を買ったらよっぽどのことがない限り売ることは得策ではないのです。なので、軽いノリでは買わないようにぜひ気をつけてください。
住宅を買うと住宅ローンが始まり、税金・保険料・修繕費の支出は固定されてしまうので、それに見合う収入を維持する必要が出てくるわけです。
『収入=仕事』ですからこのように逆算していくと、仕事に対して自信を持てることや今の職場でどれだけ自分が求められているか、転職してもすぐに働き口がありそうかが現代社会では最も心の安定剤になるようです。
貯金はいつか尽きてしまいますが、仕事のスキルは尽きることがないからです。
65歳以降のビジョンは?
老後に関する心の声を見てみましょう。
「できれば60歳でリタイヤしたい。」
「たぶん、幸せ。今まで通り節約しながら暮らす。」
「絶望しかない。」
「定年を終え細々とやれたらいい。」
「健康なら働きたい。」
やっぱり仕事とお金絡みが多いですね。
あなたは65歳以降についてどんなイメージをお持ちですか?
仕事とお金からできるだけ早く自由になるという価値観から、最近は早期リタイヤを目指す「FIRE(ファイア)」という言葉が書店などでも目出すようになりました。
FIREって元々は欧米で若い時から極限まで切り詰めたお金を貯めてそれを資産運用して、30,40代で不労所得だけで生活しようという生き方です。私も本を買って読んでみました。
読み物としては面白かったですが、再現するのは99%無理だと思います。どうしても実現しようという意思があれば1%になれると思いますが、そこまで割り切ってする生活スタイルが本当に幸せなのかはちょっと分かりません。
ただ一つ、私がFPとして言える事もあります。
30代でリタイヤすることはほぼ不可能に近いと思いますが、55歳や60歳でリタイヤをすることは早期にライフプランを考えて計画的に行えば決して不可能ではありません。今の時代はそれでも十分すぎますよね。
65歳まではスタンダード、場合によっては70歳まで働くことが必須の現代社会では60歳リタイヤですら早期リタイヤのくくりに入るようになるのは確実と言えるでしょう。
自らのライフプランを作成すれば、現状の自分を知ることができます。
無理のない住宅ローンを把握することは絶対条件にしろ、その先に何歳まで働く必要があるのか?を事前に可視化しておけばこれからの人生の戦術というか考え方が大きく変わってくるはずです。FPのテクニック面で言えば、生命保険もそこまででOKなので保険料のコストカットも期待できます。
反対の見方をすると今の仕事を長く続けたくなく、仕事を辞める完全リタイヤ・好きな仕事をゆったりするセミリタイヤを目指すのであれば、今あなたが考えている『住宅購入金額=ローンの金額』はあなたの将来にダイレクトに影響を及ぼします。
子どもが生まれたから...手狭になったから...家賃がもったいなから...という理由だけではなくもう一歩踏み込んで、将来を戦略的に考えた住宅購入の予算を設定すると、漠然とした悩みの多くを解消できるようになるのです。
PS
新潟住まいのお金相談室で行っている『マイホーム予算診断サービス』では無理のない借入金額を知るだけでなく自分の人生のお金を客観的かつ俯瞰的に見つめることができます。
本当に生きたい人生について考える機会を持って頂きたいとの願いも込めてあります。そんなことを考える事ってなかなかないですからね。
実際にライフプランを作ったところ55歳リタイヤが現実的と分かり、住宅購入コストを落として早期に自由になる道に向けて歩み出した相談者さんもいます。何歳まで頑張ればいいんだというゴールが分かっていた方が、仕事にも張り合いが出るし、頑張れますよね。
また、将来の漠然とした不安が強すぎて「住宅購入コストを極限まで落としたい」と当初お考えだった相談者の方が、ライフプランを作ることによってそれはかなり心配のしすぎだと分かることもよくあります。
この場合は、逆に当初設定していた住宅購入予算を上げて一生涯しっかり住める高性能の家を建てた方が、満足度は上がるでしょう。人生のほとんどを過ごすことになるあなたのマイホームを、思い込みと恐怖心だけで安くて質の低いもので比較せずに決めてしまうのはもったいないです。
まずは、事実に向きあってみましょう。
それによって漠然とした不安のほとんどが解消できるのです。
保険や住宅を売ることを目的にしない住宅購入専門のファイナンシャルプランナーとして、100%顧客サイドで顧客の理想とする家を安心・納得して買えるようにアドバイスを行う。そのスタイルが支持され、新潟県全域から年間100件以上の相談依頼を受けている。