以前よりも転職することが身近になってきた時代。ここ最近、転職して1年未満の方の住宅購入相談が多くなってきています。
昔と違って転職のマイナスイメージはずいぶん減ってきていますよね。私も若い時に転職を複数回したので、それはまあ親や世間からもひどい言われようでしたが、その時に行動を起こさなかったとしたら...今理想とするこの仕事に辿り着けなかったので周りの声なんて気にしないで転職をして良かったなと思っています。
人生の時間は限られていますから思うところがあるのなら、勇気を出して上司に職場や仕事の改善提案を率先して行うか、ダメなら早々に見切りをつけて転職を積極的にするべきだと私は考える派です。相手を変えることはできませんが、自分を変えることは簡単にできます。だから、私は転職を考える人は応援したいです。ドラクエ3なんか、転職して強くなるのが当然ですからね。(分からない人すみません)
最近、私の会社ではないのですが採用活動に一部係らせてもらうことがあり応募者の履歴書を見させて頂くことがあります。多くの方が残念ながら書類選考で不採用になるのですが、採用側が見るポイントとしては過去の学歴や経歴なんて参考程度なんですよね。
それよりも何を学んできて(学校ではなく社会で)、経験してきて、新しい職場で具体的に何を生かせそうか、やってみたいかということがいかに具体的に書いてあるかをとても見られています。転職理由に、「職場が合わなかった」「条件面で決裂した」と書いてある方も意外と多いのですがこういう方は残念ながらほとんど会社で採用にならないと思います。事実だとしても心にしまい込んで、新しいところでどう貢献し、何を強みとして生かせるのかのアピールが大事です。
経験なんて正直なくたって、今学んでいるとか、これから勉強する、教えてくださいでも別にいいのです。一緒に働いて、気持ちよさそうな、ポジティブに気持ちになれそうな人を会社は求めています。だから顔写真が与える印象も大きいので、しっかり写真館で撮ってもらうことをするだけでかなり結果は違ってくると思います。
こういう視点で履歴書や職務経歴書を書いてくる人って不思議とほとんどいないので、それができるだけでもチャンスです。もしあなたもこれから転職を考えているようであれば、形式的な自己PRではなく、相手が何を求めているかを予測してPRをするときっと良いと思います。特になければ割り切って、お金を稼ぎたい理由はこうで、自分の時間を御社のために集中してこれだけ使えますとでも書いてあった方がよっぽど選ばれるように思います。要は、目的が明確な人を選びたいのです。ライフプランと仕事による収入は切っても切れない関係ですから、仕事に就く力はあるに越したことはありません。
転職していつからローンを組めるのか?

話が反れてしまったので本題に戻りましょう。それは「転職したら住宅ローンはどれくらい待たないといけないのか?」ということです。最低1年?いや3年?いろんなことを想像しますよね。
答えはどうかというと、転職後の給与明細が1か月でもあれば審査は可能です。
希望額が通るかどうかは別な話しですが、審査の受け付けはできちゃいます。あらゆる方に審査に対しての土俵を公平に提供している住宅金融支援機構のフラット35という住宅ローンもあります。完全固定金利の住宅ローンということでTVCMも流れているので、家づくりに興味がある方は一度は聞いたことがありませんか?
フラット35であれば、ルール上は転職後に1か月以上勤務した給与明細があれば審査に挑むことが可能なのです。
他の銀行でもケースバイケースではありますが、同業種への転職で収入アップしていればすぐに審査に応じてくれるところもあります。そうではない場合は、多くの銀行では1年以上の安定した収入を証明することが基本にはなります。
例えば第四北越銀行の住宅ローンのルールを見てみると、お申込みいただける方として『勤続年数1年(営業年数2年)以上、原則年収200万円以上で継続して安定した収入が見込まれるかた。』という表記があります。
大前提として1年以上の勤続かつ年収200万円以上ですが、上記のような例外(ステップアップ転職)を認めないわけでもありません。あなたが思っている以上に意外とすぐに住宅ローンは借りられます。特に土地探しからしている方は、土地は出会いとタイミングですから1年経っていなくても住宅ローン相談は早めにしておいても良いでしょう。
1年未満で審査に挑む場合のイメージ
フラット35の場合は、勤続1年に満たない場合の転職後の年収を『みなし年収』として以下のように計算します。
例えば2021年9月転職をしたとします。今は、2022年の1月です。この期間をお給料が額面30万円で9月、10月、11月、12月と4回もらったとしましょう。
この時、毎月の給与30万円を単純に12で掛けて、みなし年収が360万円として審査に挑むことが可能になります。自動車ローンなど他にも借入がないようであれば、約3,000万円までは借入できる可能性があるため、その額で足りるようであれば1年を待つ必要は特にありません。

また仮に12月にボーナスとして45万円をもらっていたらどうでしょうか。
この場合、先ほどのみなし年収360万円に既に実績としてもらったボーナスも加算することができます。つまりみなし年収が360+45=405万円となります。借入可能額はなんと3,900万円まで上がってきます。

ここまで来れば1年を待つ必要はありません。みなし年収が400万円を超えてくると借入可能額も大きく上がってくるために、転職後はボーナスをもらってから審査をすると借入額を大きく引き上げる事が可能になります。ボーナスの実績が重要であり、支給があってから審査をするというのを一つの目安にしても良いでしょう。
ご法度は転職またぎの家づくり
転職後の住宅ローンについては、1年に満たなくてもステップアップ転職であれば銀行でも相談は可能。フラット35であれば、みなし年収で審査が可能という話をしました。
では、転職前はどうかというと、当然ながら現時点の年収で審査になり特段問題はありません。一番良くないのは、転職またぎになります。転職またぎとは、家を建てている途中に転職をするということです。これだけは絶対に避けましょう。
実は私も家を建てている途中に転職活動をしていました。そして、家を建てている途中に採用をもらいました。では途中で転職をしたらどうなるかというと、あくまでも住宅ローンの転職は審査の時点の職業・収入ですから途中で変わったら審査は覆るということです。新しい勤務先の収入前提で審査をしているわけではないので銀行としては本当に困ってしまいます。特にもし大きく年収が下がるようならお金を貸すことも難しくなります。
仮にステップアップ転職として認められればまだしも、ダメだった場合どうすることもできません。既に工事が始まって支払い義務の発生している住宅のお金を払えませんとなれば契約違反となります。いろんな人に迷惑をかけてしまうことになるので絶対にしてはなりません。
このような場合は、転職(入社日)は家ができるまで内定先の会社に待ってもらうことです。銀行的には本当はルール上は良くないですが認めざるをえませんし、途中でローンが出せないよりはよっぽど良いのでそうしてくださいとなるはずです。家の完成時期が遅れると入社時もずれ込むので、そこまで自分都合でするとこれから入る会社への印象もどうかと思いますからできれば転職またぎの家づくりは避けたいですね。
その一方で転職後の住宅ローンについては、今日書いた記事の通りのルールで正々堂々と行けばタイミングによっては意外とローンは組むことができますので無理のないように計画をしていきましょう。

PS
転職前後は収入も大きく変化し、ライフプランは立てにくいと思います。しかしながら、狙っている年収以上にならなければ転職しないというルールを設けてチャンスを待つ活動をすれば思ったよりも収支計画は立てやすくなります。都合上、どうしても転職前後の家づくりになりそうだという方も、マイホーム予算診断サービスをご活用ください。
事前にライフプランを作っておくと仮に転職した場合にも必要な最低年収も把握できるようにもなり、転職先を絞り込めたり、人生の幅が広がったという感想を頂いたこともあります。
保険や住宅を売ることを目的にしない住宅購入専門のファイナンシャルプランナーとして、100%顧客サイドで顧客の理想とする家を安心・納得して買えるようにアドバイスを行う。そのスタイルが支持され、新潟県全域から年間100件以上の相談依頼を受けている。