今日は、家とは関係ないテーマです。子どものお小遣いについてFPである私が考えたことを書いていきたいと思います。
先日、子どもの卒園式がありました。
この春から小学生。そろそろ子どもとお金のことを一緒に考えていこうと思っています。
そこで、お小遣いを渡すのか?渡すとしたらいくらにすればよいのか?について考えてみました。
子どもにお小遣いを渡すことの目的は「買いたいものがあっても、いつもすぐには買えないんだよ」という負荷について、親が適量をコントロールすることなのかなと私は思いました。
いろいろ考えた結果、毎月1,000円を給料日に子どもに渡すことを決めました。先行してこの3月から始めています。
小1の小遣いをどうして1,000円にしたか?
1,000円は区切りがいいですが、1,000円札を渡すために1,000円にしたわけではありません。
ちなみに妻には当初「1,000円は高すぎるんじゃないの?」との意見をもらいました。
小学校の1カ月のお小遣い中央値は、月々500円
※出典:金融広報中央委員会「第3回子どものくらしとお金に関する調査」(2015年)
私が1,000円にしたことには理由があります。
まずは金額よりも、子どもが欲しい物を聞いてみました。
2か月に1回出る雑誌「ポケモンファン」はまずマストのようです。この雑誌は税込950円。
我が家は本は欲しい物があれば無制限で買ってあげる方針を取っていますが、おもちゃの付録が付いているものや雑誌は対象外にしています。
その次に欲しい物は、「ポケとるゼ」というポケモンのおもちゃです。これは税込2,500円。親からすれば絶対にいらないし、すぐ飽きそうな代物です。でも、子どもが欲しい物を親がどうこう言うのは筋違いです。
そこで、まずは子どもと一緒に財布に入っているお年玉の残りを数えて紙に書いてみました。約1,300円入っていました。
3月にお小遣いをもらうと、2,300円になります。これだと、おもちゃは買えません。4月にお小遣いをもらうと、3,300円になります。これでも、両方買えません。次のポケモンファンは4月28日に出ます。
ここで私は考えました。
月1,000円のお小遣いにすると、今欲しい物を全部一気に買えないけど、どちらかはすぐに買える。親がああだこうだ言わずに、どっちが欲しいかも自分で決めることができる。子どもにとって1か月の我慢をすることは、大人とは違いかなり長い期間なのです。あれも買えない、これも買えないとなってはかわいそうですよね。なので計画的に考えれば欲しい物は買えるようにしたのです。
それが丁度毎月1,000円だったのです。
でもよく考えたらこのうち100円は消費税で持っていかれます。健気な小学生の買い物にも税金がかかります。実にエグいです。世知辛い世の中ですね。
やっぱり1,000円はやめて、1,100円を来月から渡すようにします。その100円の意味もしっかりと教えておきます。
子どもはしっかり考えることができる
いきなり始めたお小遣い制度。
すぐにおもちゃが買えなくて暴動が起きることを覚悟の上で説明しましたが、予想外の結果が起きました。
なんとほぼ100%意図した通りに考えてくれたのです。小学生は話が思った以上に話が分かります(笑)
来月までお金を貯めるとおもちゃを買えるけど、おもちゃを買うと雑誌が買えなくなる。
雑誌の方を買いたいからまずは雑誌を買う。そしてまた次のお小遣いの時に、おもちゃが買えるようになるからそこまで我慢する。
お金を貯めていくと言うのです。
しかもその時に、「もういらないと思っているかもしれなーい、お金が貯まってから考えるー!」とのこと。
私は貯金が美徳とは思っていません。なので、そういう教育はしたくなくて、お金を計画的に使い、限られた収入から自分の満足度を上げてほしいんですよね。
これってFPをしていると日々本当に思うことなので、何だかうまい具合に伝わってくれてよかったです
親が「貯めてから考えて」というシナリオを初めから提案したら、きっと拒否されたでしょう。自分で考えて自分で出した結論だから100%納得しているんですよね。これ、なんかの子育て本で読んだことあるぞってくらいのきれいな着地です。
決めつけないで自分で考えてもらう。すごいです。子どもをもつあなたも、部下をもつあなたも。どうぞ。
お金は使って終わりでもない
昔と違って大きく変わった点は、おもちゃは気軽に売ってお金にできるようなったことです。
例えばトミカのプラレール。ポケモン関連。任天堂スイッチのソフト。価格が暴落せず安定して値段が付いています。
まだその段階には早いですが、たぶん中学年くらいになると親に頼んで換金するアイディアを思いつくはずです。
最近子どもたちにおもちゃを片付けないと「おもちゃ捨てるよ!!」ではなくて、「メルカリで売るよ!!」と言っています。これも時代ですね。
高額の買い物筆頭、ゲームの扱い
最初は迷っていたのですが、私は保育園での交流関係を見ていて任天堂スイッチを禁止する方針はあっさり捨てました。共通の趣味や話題があることは一番友人を作りやすいし、実際大人がしても楽しいしルールを守ってやればいいと思います。今のところ、スイッチは携帯プレイはNGでテレビに繋いでやってねと言ってます。
今はスイッチの本体は私のものを貸してあげています。というか今後強奪されるのでしょうが、ソフトは自分で買って欲しいと思っています。中古を買えば、人気ソフトも5,000円くらいで買えます。それをクリア後メルカリで売れば、良い所で手取りで3,000円くらい。子どもに人気のソフトは値が崩れにくいのがいいですね。
つまり最初にある程度の現金の塊(ソフトが買えるくらい)まで行けば、次からはそれを売れば2,000円程度の持ち出しで新しいゲームも買えます。2,000円を定期収入からゲットするには2か月です。これもまたいい感じかなと思いました。
この段階までくると、「そもそもお金とは何なのか?」と考えることになります。
「お金ってどんなもの?」と聞かれたら
大人でも回答に困る人がいると思いますが、なんてことないお金は「価値の交換」をするために存在します。
物々交換だと不便で大変だから、価値の証としての国が信用を保障しているただの紙やコインに過ぎません。
では、毎月もらえるお金はそもそもどこから来るのでしょうか??
これについても子どもが「価値の交換」を理解したら、説明は難しい物ではありません。
単純明快、価値を感じてもらったら人からもらったものです。ほとんどの人が、仕事をすることによって価値を誰かに提供しています。
誰かに「ありがとう」「いいね!」と思ってもらえない限り、お金が発生することはありません。
反対に「ありがとう」「いいね!」と思ってもらえればお金は頂けるわけです。
毎日仕事をしているのはなぜかと聞かれたら?「みんなに喜んでもらうため!そうすれば、みんな嬉しい気持ちになるじゃん。そうやってみんなが快適に暮らしていくために、大人はみんな仕事をしているんだよ。」という回答をしようと思っています。
お金で買えるもので欲しい物が今後もし増えるのであれば、「ありがとう」「いいね!」を、よりたくさんの人に思ってもらえる方法を考えてみたらどう?って話になりますよね。
お金は役割として「価値の交換」を便利にするために存在していると知ってもらえれば、まずは小学生には十分ですね。
PS
子どものお金についての認識はほとんどがそのまま親の価値観です。学校では教えてくれないし、親がどう考えているかしか見る機会がないのでダイレクトに影響を受けます。
実は私が小学生の頃、親が常にお金のことでケンカをしているのを覚えています。私が社会に出てからは仲が良くなったので、お金が衝突の原因だったのは間違いないです。子どもとしては自分にかかるお金のせいでケンカをしていると思ってしまうから本当に嫌でした。
なので私はお金のことでケンカしている姿は絶対に子どもには見せないと決めていますし、これまで一度もそれはありません。今この仕事をしているのも、そういった背景が影響しているのかもしれないですね。
特に住宅購入の場面で人生最大の借金額を誤ると、余裕がなくなりお金のことでケンカになるのは容易に想像できます。それを避けるため私はマイホーム予算診断サービスをしてほしいと思っています。
自分自身の収入と支出を把握して、欲しい物が無理なく買えるのかどうかをしっかり考えればお金の悩みの大半はなくなります。現状を変えたければ不足分を補うために収入を多く得る手段を考えるか、もしくは余計なものを買わない努力をするか、もしくはその両方かしかしようがないからです。
そういう意味では、お金は価値の交換であり自分の小遣い(収入)と欲しい物(支出)の関係性を小さいうちから理解することは大事だと考えます。
保険や住宅を売ることを目的にしない住宅購入専門のファイナンシャルプランナーとして、100%顧客サイドで顧客の理想とする家を安心・納得して買えるようにアドバイスを行う。そのスタイルが支持され、新潟県全域から年間100件以上の相談依頼を受けている。