第四北越銀行と大光銀行の住宅ローン競争は、この商品で出揃って終了かな。
最新の住宅ローンの商品を見ていると、各社の色が明確となりました。
とりあえず当面の最終系として、これで戦っていくのだろうなと感じられたからです。
正直、県内の金融機関は金利において大差ありません。
◎変動金利は第四北越銀行の0.725%。これが常に標準ラインとなり、ほぼ事実上横ばい。
◎10年固定は現在第四北越銀行が先行して上げたため、やや他が優勢。
◎35年固定金利。これは、第四北越銀行・大光銀行ともに自社商品にはありません。
そのため、完全固定金利だとフラット35が選択肢に挙がってくる状況。
金利ではなく、保険で比較。これが競争の最終系となりそうです。
第四北越銀行の住宅ローン保険について
地元の各銀行の金利は似たような感じ。でも、住宅ローンにセットされる保険が違う。
これから家づくりを考えているあなたは、住宅ローンにセットされる保険に注目をしてください。
住宅ローンにセットされる保険。のことは、団体信用生命保険(略して団信)とも呼びます。
順番に見ていきましょう。
第四北越銀行の団信保険
第四北越銀行の住宅ローンの保険。これは第四銀行と北越銀行が合併した時に、北越銀行が使っていた保険をベースに商品化されています。
そして第四北越銀行の保険の特色といえば、ガン保険です。
死亡時だけではなく、ガン(悪性のもの)と診断された時にもローンが全額免除となる保険になります。
数千万円分のガン保険を保険屋さんで単品で加入しようとすると大きな負担ですよね。それが金利の中に含まれているというのは非常に家計には助かります。
また、この他にも治療費に対する補償もあります。
ガンを原因とする先進医療を受けたら1回の療養につき500万円、通算1,000万円まで支払い。
ローン免除とならないガン(上皮内癌・皮膚がん)でも一時金30万円を受けられ、数か月分のローン返済に回すことができます。
悪性がんでローン免除以外でも、治療費が。それ以外のガンでも一時金がもらえる保険が実質無料で付いてくる。これは非常によくできている商品かと思います。
オプションでさらに保障を厚くできる
さらにオプションで、「すべての病気・ケガにより働けなくなった時の保障」を追加することができます。
上記のガン保険込みの変動金利は0.725%。上記オプションでは、ここに0.3%プラスして1.025%となるわけです。
この場合は、すべての病気やケガで1~12か月の間は、働けなかった月のローン返済が免除。
12か月を超えても働けない状態が続けば、なんと住宅ローンが全額免除になるというものです。
一見すると魅力的。ですが実際問題、1年以上働けない状態が続くことは稀であることと、金利が0.3%も上がってしまうこと。その点がネックとなり、このオプションを付ける人はあまり多くないそうです。
私個人的にも、第四北越銀行で住宅ローンを組むなら
就業不能保険は別に自分で入って実質無料であるガン保険に加入すればいいかな。とは思います。
大光銀行の住宅ローンの保険について
さて、この第四北越銀行に強力な対抗馬が生まれました。
それはSBIグループと資本提携をした大光銀行。業界でも、どんな手を打ってくるか注目されていました。
大光銀行の住宅ローンに、SBIグループの生命保険がセットされました。
大光銀行の保険の特色は、全疾病保障付団信。
第四北越銀行でローンを組むと+0.3%になる保険と似ています。※同じではありません。
内容を大光銀行のプレスリリース文章から転記します。
<がんを含むすべての病気・ケガ※1による就業不能を保障>
死亡または所定の高度障害状態に該当した場合に加え、がんを含む8大疾病※2をはじめとしたすべての病気やケガ※1により所定の期間、就業不能状態が継続した場合に支払われる保険金(月々のローン返済額またはローン契約債務残高相当額)がローンの返済に充当されます。
※1 精神障害等所定の免責事由に該当するものを除きます。
※2 8大疾病:悪性新生物、急性心筋梗塞、脳卒中、高血圧症、糖尿病、慢性腎不全、肝硬変、慢性膵炎
SBIグループとの提携で最初の目玉はこれでしょう。
ガンに限らず、すべての病気での就業不能。これを当面の間サービスで(金利上乗せなしで)保証するというものです。
サービス期間が終了しても、追加は金利に+0.1%
なかなかのインパクトですね。
ただし第四北越銀行との違いとしては、ガンは診断ではローン免除になりません。ガンが原因で就業不能状態が継続したときなので、解釈は異なります。
将来自分がどうなるかは分かりません。そのため、どちらの保険がベストなのかは一概には分かりません。
しかしこのように単純比較がしずらいことが、違いが明確化したことで選択肢として挙がる。これは歓迎すべきことですよね。
もちろん大光銀行にも、自金利上乗せなしでガン診断で免除になる保険もあります。
ただし先進医療の治療費や一時金は出ません。その点で、商品比較だと第四に軍配が出ていました。
今回発売の全疾病保険付き住宅ローンで明確な違いが生まれ、好みで選択しやすくなったということです。
保険の範囲が広がりすぎることに弊害とその解決法
私たちにとっては銀行間が競争をして、無料でセットされる保険が充実するのは良いことです。
ただし、それには弊害もあります。
何かというと、保険加入のハードルが上がってしまうことです。
ローン免除になる項目が増えるということは、加入者の健康状態も厳しく問われることになります。
私もこの仕事をしていて「住宅ローンの保険に加入できない」という方の相談もよく受けています。
しかしながら今回大光銀行は、新潟では取り扱いがほぼなかった新しい商品もラインナップに入。
それがワイド団信です。ワイド団信とは...
引受範囲を緩和した、これまで健康上の理由等で団体信用生命保険に加入できなかったお客さま向けの団体信用生命保険です。死亡または所定の高度障害状態に該当した場合に保険金(ローン契約債務残高相当額)がローンの返済に充当されます。
つまり、今までは健康上の問題で住宅ローンを組めなかった方向けの団信。金利に上乗せはあるものの、新たな選択肢ができたことは歓迎です。
もちろんこの保険に全員が加入できるわけではありません。が、個人的には大きな動きだと感じています。
住宅ローンを賢く活用し家計の保険コストを下げよう
ちょっと前までは、住宅ローンに無料で付いてくるのは死亡保険だけ。それが当たり前でした。
金利の引き下げ競争に限界が生まれ、代わりに活性化したのが保険競争だったわけです。
そしてついに保険競争も終着点。
全ての病気やケガによる就業不能の保険。以上に新しい保険が出てくることは今のところ考えにくいです。
ガン保険や就業不能保険が無料で付いてくるのであれば、今自分が入っている他の保険も大きく見直すことができます。
物価上昇で家計への影響が大きくなっている今、ローンを活用して家計の固定コストを落としていくという考え方は有効です。
新潟でもその選択肢が大きく広がったという面では、とても嬉しいことですね。
PS
しかしながら第四北越銀行も大光銀行も基本的には変動金利を主体とした商品構成です。
家計上、完全固定金利が望ましい場合はフラット35という選択肢も一緒に比較していきましょう。
この住宅購入ルールを知る前に、家を買わないでください
・私が自宅購入で1,000万円損しかけた実例
・住宅ローンを金利の低さで選んではいけない理由
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・(保険屋さんが絶対に教えたくない)生命保険のお得な入り方
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