新築が高いから中古住宅も検討している方へ

「新築価格が上がっているから中古も検討しています。」

最近、こんな感じで都市部ほど中古住宅が売れているみたいです。

確かに土地や建物の価格上昇が続きました。
予算内で家を買おうとしたら、新築は遠のいてしまったと感じるでしょう。

現在のところ、これは事実と言えます。

でもちょっと待ってください。

中古住宅は価格が安いのがメリット。ですが、長期的に見れば得とも言えません。

永住前提で住宅購入を考えている場合は、トータルコストで見ると中古が有利とは言い切れないからです。
特に新潟県ではなおさらです。

築浅の中古住宅はお買い得なのか

家と違って、車を中古で買う方は結構多いですよね。

車を思い浮かべていただくと判りやすいと思うのですが
「新車同様の新古車」これはそもそもあまり安くありません。

付いてるオプションを加味すると、気持ちちょっと安い。けど、車検の来るタイミングが近かったりします。

では価格の安い車とはどんな車でしょうか。

年式が古い
不人気車種
修理歴・事故歴あり
…安いには明確な理由があります。

中古車価格と同様に、家の価格にも同じことが言えます。

家の場合、築年数5年以下という築浅物件がそもそも市場にあまり数が出ません。

それはそうですよね。家を建てる方の多くは、永住前提で考えています。
それでもたまに築5年以内で売りに出ている物件、これは離婚がきっかけである場合が多いです。
離婚であれば家に問題があるわけではないので(風水的なことはここでは置いておいて)、そのような物件が安く買えるなら得という考えもあります。

しかし実際はそうでもありません。

実勢価格が安くない理由

家は買う時だけではなく、売る時にも100万円以上の諸費用がかかります。

家を売りたいと思っている方は、今ある住宅ローンは全部完済する必要があります。

つまり、ローンの残額以上で売りたい(売らなければならない)と考えている方がほとんど。

この場合、物件価格に買う時と売る時の手数料も上乗せする必要があります。
すると、5年経過の中古住宅でもたいして安くないケースとなるのです。

築浅の中古住宅の価格を見ていると、価格的に魅力を感じない物件が多くありませんか?

それはそういった理由なのです。

ちょうどよい価格の中古住宅は維持費に要注意

あなたが希望予算内で中古住宅を探すと、ほとんどが築年数が古いものにあたるはずです。

築30年以上とか、そのあたりがきっと、ちょうどよい価格のゾーンに入ってきていませんか?

リフォーム済み
水廻りも新しい
立地もいい、問題なさそう。

こう考えるのは普通でしょう。

しかし、こういった物件こそ最も注意する必要があるのです。

それは、修繕コストと光熱費の懸念です。

リフォーム済みの物件は、見た目がきれいになっています。
しかし肝心な構造上はどうでしょうか。

ここは初心者にはとても分かりづらいところです。

耐震性能も住宅性能も、当然ながら新築と比較すれば雲泥の差。

価格が丁度良いと思った物件は、表面上はきれいでも中身はそのままであることが多いです。
肝心な建物本体のところで具体的な延命措置は取られていないことが多い。

つまり価格なりの建物、ということです。

ネットを調べまくっていて、「究極のお宝物件を見つけた!」と思うこともあるでしょう。

それは違います。

全ての不動産には原価と利益が常識的にあり、販売価格は基本的には根拠がある。
つまりあなたが安いと思ったものには、何か明確な理由があります。
その理由がはっきりしており、あなたが納得できれば”買い”かもしれません。

しかし実際、それを見抜くのはかなり困難です。
開示する必要もないからです。

買う時にちょうど良いと思える物件ほど、のちのコストがかかることが多く傾向にあります(だから安い)。

また最近はエネルギー価格の高騰が収まりませんから、断熱性能の低い昔の家だと光熱費が恐ろしいことになるリスクも抱えます。

購入価格は安くても、維持費や光熱費を含めたトータルコストが新築と比べて安いとも限らない。

ここはしっかりと勉強された方が良さそうです。

自分でリフォームをする場合は?

中古住宅を検討している方の多くは、この仮説に辿り着くことが多いです。

リフォームされていない中古物件を安く買い、それを自分で業者を手配してリフォームしようという考えです。

好きな間取りやデザインにして、耐震や断熱も最新の性能にしよう。
コストも抑えられて良さそうに感じますよね。

これは、結論から言うと上級者向けです。

なぜかというと、以下の2つの条件を満たす必要があるからです。

1つ目は、建物の構造が悪くないこと(欠陥住宅では)が前提。

自分で建物を検査・判定するのは難しいのですが、外部機関に調査を依頼することができます。
これをインスペクションと言います。
検査の結果、建物に問題ないとなれば購入候補に入れてよいでしょう。

しかしその費用は約10万円。物件を買っても買わなくても、あなたの負担になります。

2つ目は、コスト重視ならそのまま住める間取りの物件を見つけること。

中古住宅を好きな間取りに作り替えるリフォームを、リノベーションとも言います。

当たり前ですがmほぼ建て替えに近いリフォームは、コストが大幅増となります。
やりたいことが多いと新築とコストがあまり変わらなくなってしまいます。

中古住宅を買ってまでリフォームする目的は、”安さ”以外ないので本来の目的が達成できなくなります。
したがってコストの優位性を求めるのであれば、リフォームを最低限で抑えられる物件を見つける必要があります。

しかし好立地で比較的建物の条件が良い物件は、業者が仕入れてリフォーム販売してしまいます。

こんな理由から、あなたがこの2つの条件を満たす物件を見つけることは、実際は難しいと思います。

結論:中古住宅は思ったよりも高くつく

家は車と違い、頻繁に乗り換えるものではありません。

中古住宅の価格は、価格に比例した理由が必ずあります。

土地建物の購入時
新築でコミコミ4,000万円。
中古住宅コミコミ3,000万円。

価格は1,000万円差でも、光熱費や修繕費などのトータルコストでみると30年で見るとどっこいどっこい。

しかも、その30年間の快適性は圧倒的に中古は新築に劣る。
こんなことが容易に起こり得ます。

乾燥していて、冬もそこまで寒くない。そんな関東の大都市圏であれば、新潟よりも住まいの快適性の差が出なそうです。
それならば中古の優位性がそれなりにあると思います。

都市部では新築も中古も建売が多いので、間取りに変化も少ないですし、「それなら中古でもいいかな」というのは分かります。

しかし新潟では、住まいの快適性と光熱費に与える影響がとても大きいです。実際のところ中古のメリットが幾分削がれてしまうのです。

価格高騰により新築以外の選択肢も検討される方が多いと思います。
目の前の安さだけ購入を急がず、少し視野を広げてみてください。後悔のない住宅購入できるように、しっかりと現実を調べる時間を作りましょう。

中古にしろ、新築にしろ、大切なのは「適切な住宅購入予算」を知ること。マイホーム予算診断サービスでは、住宅購入のベストな選択肢の第一歩を明確にしていきます。焦って物件を探す前に、ぜひご相談くださいね。

この住宅購入ルールを知る前に、家を買わないでください

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・住宅展示場や完成見学会に行く前に、絶対にやること
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などなど、
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昆 知宏
新潟住まいのお金相談室代表。新潟の住宅会社の営業マンとして働いた後、売り手の立場ではなく買い手の立場に立って住宅購入の相談ができる場所を作る為に独立した。

保険や住宅を売ることを目的にしない住宅購入専門のファイナンシャルプランナーとして、100%顧客サイドで顧客の理想とする家を安心・納得して買えるようにアドバイスを行う。そのスタイルが支持され、新潟県全域から年間100件以上の相談依頼を受けている。

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