2024年はいよいよ変動金利上昇のXーデイがくる。
そう言われながらも、上がりそうでまだ上がらない変動金利。
固定金利もいったん落ち着きました。
ですが、『マイナス金利解除』の話題がちらほら出つつ、春に向けて再上昇の兆しを見せてきています。
住宅ローンの変動金利と固定金利の差はじわじわと拡大中。
そのため住宅購入を考えている人が悩ましいテーマがあります。
それは住宅ローンを変動金利にするのか、固定金利にするのか。
過去、これほどまでにどっちがいいか悩ましい! という場面はあまりなかったように思います。
改めて変動金利と固定金利の特徴を今日は見ていくとともに、ローンを組んだ後の考え方も書いていきたいと思います。
住宅ローンの金利タイプ
住宅ローンの金利タイプは大きく分けると
①変動金利
②全期間固定金利
③期間限定固定型の変動金利。
これらの3つがあります。
順番に特徴を見ていきましょう。
圧倒的なシェア率を誇る 変動金利
日本で圧倒的に選ばれているのは、変動金利の住宅ローン。
それもそのはず。
20代から40代の住宅購入メイン層は、かつての金利の高かった時代を知りません。
「今までも低かった。だから今後も大きく上がらないだろう」
そんな心理的なバイアスが、金利へかかっているからです。
金利がある時代を経験したことがないのですから、金利上昇がイメージができないのは当然です。
変動金利の特徴は、とにかく今は金利が低いことにあります。
ネット銀行は0.3%前後の金利で推移しています。
そして地方銀行は0.7%前後の金利で推移しています。
※ちなみにネット銀行は金利は低いですが諸費用が高いです。
一概に金利が低い方が有利とも限らない、ということは覚えておいてください。
変動金利が人気なのは、とにかく月々の返済額を安く始められることにあります。
変動金利は売り手にも都合がいい
同時に住宅を売る側にとっても、変動金利は都合がいいです。
少しでも毎月の返済額が安く見せることができれば、家は売りやすくなりますよね。
住宅会社からも変動金利をおすすめされることが多いのは、こういった現実があります。
銀行にとってはどうでしょうか。
今現在は変動金利は利益の薄い商品ではありますが、金利が上がればすでに借りているお客さんの金利も上げていいことになっています。リスクがない商品といえますね。
さらに、住宅ローンをきっかけにしてあなたと取引をすることができれば、他の金融商品の販売だってできるようになります。
あなたが望んでいなくても、売り手側にとって変動金利は魅力的であるということです。
金利上昇時のリスクはすべて、買い手であるあなたが背負うことになります。
最近人気がない 全期間固定金利
変動金利と真逆な商品は、全期間固定金利です。
全期間固定金利の特徴は、最初に決めた金利が約束されることにあります。
「ローンを組んでいる期間は絶対に金利が変わらない」という究極にディフェンシブな商品です。
固定金利の代表格であるフラット35は2024年2月の金利が1.82%。
正直、変動金利の圧倒的シェアに押されて人気はありません。
固定金利が人気がないのは、変動金利と比較して毎月の返済額が大きく上がることにあります。
そのような理由から、住宅会社の標準の見積書に固定金利シミュレーションの記載を入れる業者はほとんどありません。
住宅屋さんとしては同じ金額の見積もりでも、住宅ローンを固定金利でシミュレーションすると高く思われてしまうからです。
つまりあなたが強く望まない限りは、売り手側から固定金利を提案される機会は多くありません。
人気こそありませんが、金利上昇リスクはすべて金融機関が背負います。
買い手であるあなたはノーリスクなため、商品としては決して悪くありません。
折衷案になりそうでならない期間限定固定型の変動金利
変動金利と固定金利の中間的な商品があります。
それは3年、5年、10年固定金利型で、約束した期間の金利は固定する
そして、その後はその時の金利によって決まりますというタイプです。
例えば10年固定金利の場合は、1~10年目までは金利は変わりません。そして、11年目以降は変わります。
11年目以降は、原則今の金利よりも上がることが決まっているというのが特徴です。
そのため、11年後に借り換えを検討するのがセオリーと考えてよいでしょう。
ただ、ローンの借り換えには手数料がかかります。
最初から変動金利か固定金利にしていた方が有利だった、という状況も充分想定されます。
10年固定金利のメリットを感じられる、という場合は
「そもそも10年~20年くらいでローンを完済する予定だ」
という比較的資金に余裕がある人と言えます。
変動金利で組んだ人へのおすすめの家計管理法
変動金利の返済額が安いからと言って、その金額に慣れてしまうことが一番危険です。
今の社会情勢を考えると、今後その返済額は今より高くなることはあっても、低くなることは考えづらいからです。
次の返済例を見てみてください。
4,000万円を35年返済で借入(ボーナス返済なし)
変動金利0.7% 月々107,408円
固定金利1.82% 月々128,840円
差額:月々21,432円。
同じ金額を同じ期間借りたとしても、月々の返済額は返済当初21,432円もの差が出てきます。
こういったシミュレーションを見ると、固定金利で借りる意欲が一気に減っていくのも頷けますよね。
しかし、あくまでも変動金利は最初が安いだけかもしれません。
金利が上昇する局面に今後見舞われたら、今の固定金利の額を大きく超えていく可能性も全然ありえます。
そこでオススメの家計管理方法があります。
固定金利で組んだつもり貯金をする
変動金利と固定金利の差が21,432円。
だとしたら、この分を確実に貯金をしていくことがリスクを少しでも軽減できる策となります。
1年間貯めれば24万円。
5年で120万円。
10年で240万円。
この分を家計の生活口座とは分けて貯金をしていってみましょう。
そうすることで、金利が上がってしまった時の保険として使えます。
月々が上がったしまった分をこの口座から出していってもいいし、繰り上げ返済に充ててもかまいません。
金利が上がった時に、その波にただ飲まれてしまうのではなく、抗うなにかを家計に準備しておく。
そうすれば少しは安心できるのではないでしょうか。
固定金利で組んだ人へのおすすめの考え方
今後金利が上がっていくという未来を予想し、その予想をピタリと当てた!
そうなった場合、あなたは固定金利で住宅ローンを組んで大正解ということになります。
その場合は、低金利で組むことができお宝となった全期間固定金利のローンを大事にしていきましょう。
しかし10年後、結局金利が上がらなかった場合はどうでしょうか。
あなたは予想を外したことになります。なんだか損した気持ちになるかもしれません。
しかし、そのような場合はこう動けばいいのです。
10年後を目安にして借り換えを検討する
固定金利の返済から10年経っても金利が上がっていなければ、そのタイミングで変動金利や10年固定金利借り換えればいいのです。
10年間ローンを返していれば、住宅ローンの元金も減ってきています。
10年前の借り入れ当初よりも金利で影響を受ける額は減ってきています。
もちろんその時の社会情勢を見て、金利が上がりそうな気配があればそのままでいてもいいでしょう。
逆に、どうも今後も上がることがなさそうだ、と思えば借り換えを実行するのです。
今現在できる手として、最もリスクを取らずに支払利息も減らしていきたい。と思うのなら、この考え方が最も保守的と言えます。
最初に全期間固定金利を選択したからとって、ずっと最後までそのローンと付き合う必要はないのです。
2月13日開始のフラット35子育てプラスで、最初の5年間を変動金利並みにするこも可能
フラット35子育てプラスが始まり、最初の5~10年の金利を引き下げるという商品も出てきています。
特に子どもが1人でも、住宅を高性能化すれば最初の5年間は金利を1%引き下げることができることになります。
今なら最初は0.8%くらいになります。
固定金利でデメリットになりがちなローン開始時の返済額を押さえつつ、将来的な金利上昇のリスクも排除できるという商品です。
自己資金が多くあったり、子どもが2人以上いる方にとってはさらに優遇幅が広がるためフラット35プラスは恩恵を受けやすいです。
「とりあえずフラット35プラスにして、今後の金利情勢によって借り換えるか、借り換えないかを検討していく。」
これが今できる手としては利息も減らしつつ、リスクも排除しつつの折衷案。
条件が合い保守的な考え方である方には悪くない選択肢の一つのようにも思えます。
今後の社会情勢はどうなるか不透明ですが、金利のリスクとしっかり向き合って後悔のないローン選択をしていきましょう。
PS
住宅ローンの金利タイプを変動にするか、固定にするかも大事。ですが、それ以前にそもそも住宅ローンの無理のない借入額を把握する方が大事です。
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この住宅購入ルールを知る前に、家を買わないでください
・私が自宅購入で1,000万円損しかけた実例
・住宅ローンを金利の低さで選んではいけない理由
・なぜ住宅会社や銀行が勧める住宅ローンを組んではいけないのか?
・(保険屋さんが絶対に教えたくない)生命保険のお得な入り方
・住宅展示場や完成見学会に行く前に、絶対にやること
・住宅購入で将来赤字になる家計を黒字転換させた改善点の具体例
・住宅購入後も住宅ローン返済の不安なくお金が貯まる家計を作る方法
などなど、
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