【住宅ローン金利上昇の影響と対策】新潟に黄色信号点灯!

4月から住宅ローンの変動金利が再び上昇します。

上昇幅は+0.25%前後。
昨年10月の上昇分を含めると前年比+0.4%程度の上昇となります。

今回もこれから新規で借りる人も、すでに借りている人も影響を受けることになります。私自身も当初10年固定で借りた住宅ローンが変動金利へと移行しているので、金利が上がることになります。

ですが急に返済額があがるわけではありません。
変動金利には「5年ルール」というものがあり、金利が上がっても5年間は毎月の返済額が変わりません。
ただし、その間に増えた利息は見えない負担として積み重なります。どんどんそれが積みあがっていく状態に入ってしまっているので、少し気持ち悪い、落ち着かない感じがするというのが正直なところです。

5年ルール

今年の金利上昇はまだ序の口です。
日本銀行は年末に向けてさらに+0.5%程度の引き上げを検討しており、今後も住宅ローンの負担が増す可能性が高いのです。

賃上げと金利上昇のズレが生む地域格差

今起きていることをひとことで表すと、『賃上げの恩恵を受けられない新潟』となります。

「えっ、全国同じじゃないの?」と思うかもしれません。
新潟と同じ状況の地方都市は確かにありますが、全国一律では状況なのが難しいところなんです。

変動金利の上昇は、賃上げとセットで考えられています。全国平均では賃上げが進み、大企業の決算も好調です。

しかし、新潟の賃上げは全国平均に大きく遅れを取っています。
統計によると、名古屋や岐阜などの中京圏は好調。ですが、新潟・福島は全国平均を大きく下回っています。前年比を下回ってしまっているくらいのようです。

当然ながら洋服・食費・教育費の節約が顕著になります。ぜいたく品である、新築一戸建ての需要も落ち込んでいます。

物価上昇のダメージが大きい新潟

全国的に賃上げが進む一方、新潟はその流れについていけていません。その結果、物価上昇の影響だけを受け、生活が厳しくなっています。

最近、スーパーでの買い物で「高くなったな」と感じることが増えていませんか? これは新潟の家計が全国平均に比べて苦しくなっている証拠です。

賃上げの雰囲気を作り出していた2022年ころに、新潟ではなんとなく出遅れそうだなと予想されていたものの、起こってほしくなかった状況。ですが、やはり実際になってしまったという感じです。

会社四季報なども見ていても、新潟の企業は会社にお金を貯めすぎる傾向にあります。
そろそろ、新潟の経営者は意識を大きく変えていく必要が求められているように思います。

雇用も守ることも正義です。
ですが、従業員の立場からすれば働いている”今”もう少し豊かになりたいと思いますよね。

会社に利益を貯め込むなら下請けの業者にも適正な価格で仕事を出せば、地域全体が潤っていきます。しっかりとした価格で仕事をもらえれば下請け業者のモチベーションも上がります。

「仕事があるだけでありがたいと思いなさい。」そんな古い価値観では、そもそもこれからの人材に選ばれなくなってきています。
だからといって、急に初任給だけ上げるのも問題です。既存社員との不協和音を奏でている会社が目立ってきていますよね。。。

インフレによる住宅価格の高騰予想

インフレが続く中、住宅価格の上昇は避けられません。

材料価格の高騰もそうですが、先ほど書いたように遅かれ早かれ賃上げが国家目標として達成されるからです。

住宅は人件費の集合体ですから、必然的に価格は上がります。

ちなみに賃上げや報酬をしっかり払う企業に必然的に人が流れていくので、実施しない企業は淘汰されて(働き手がいなくなるので)いく。すると、いずれ全員が恩恵を受けるという考え方もあります。

ただしその移行期間は影響を強くうけることになります。今まさに新潟はそこにいるように思います。賃上げ達成された社会では資本力のある会社が残るためサービスが希薄化・単一化するという懸念もあります。

今後の住宅価格予想一覧

では、年3%程度インフレが進むものとしての価格予想として下記で見ていきましょう。

(※一般的な外構工事・土間コンクリート工事、給排水設備工事、地盤改良工事、カーテン工事なども含みます)

規格住宅 ※省エネ補助金適合注文住宅 ※省エネ補助金適合大手ハウスメーカー注文住宅
2025年2,700万円3,300万円5,200万円
2026年2,780万円3,400万円5,350万円
2027年2,864万円3,500万円5,500万円
2028年2,950万円3,600万円5,680万円
3LDK・30坪程度の省エネ住宅の場合(インフレ率:年3%)

今後、日本の政策として「賃上げ」「金利引き上げ」「物価上昇」は続く見込みです。
この流れを踏まえて住宅を購入するなら「物価や金利が少しでも低いうちに」というのも一つの考え方になります。

2024年は新潟の住宅業界は不調でしたが、今年は盛り返しています。

おそらく上記のような考えに至って計画を進行している人が出始めているのではないかと推測されます。

勢いで家を買うのは危険!

このような状況では「何となく家が欲しい。」という気持ちだけで住宅を購入すると、破綻リスクが高まります。

実際、マイホーム予算診断サービスでも「住宅を買わない方が良い。」「予算を下げるべき」という結果が増えています。

その理由はとしては、

・収入が増えない中で、ローン負担が増す
・物価、金利の上昇で支出が増える
・企業間の賃金格差が広がり、将来の収入予測が難しい 
 (特に中小企業に勤務している方で現時点か1.2年内に賃上げが実行されない場合)

などがあげられます。

転職で生涯収入アップを目指すのも選択肢

今の収入では厳しいと感じるなら、転職して給与アップを狙うのも一つの選択肢です。

特に、同業種・同職種での人材争奪が激しくなる今、自分の市場価値を高めることは生涯収入に大きく影響します。

転職市場がどうなっているのか。
自分の市場価値の現在位置がどのあたりにあるのか。
実際に転職しなくても、情報収集をしてみても良いと思います。

たとえ結果として転職しないことにしても、いざとなったときに動ける準備をしている。というだけでも、心の平穏具合は大きく変わってくるでしょう。

キャリアアップ

未来を見据えた行動をとろう

日本経済は好景気に向かう可能性があります。ですが、その恩恵を受けられるかどうかは個人の行動次第です。

・住宅を買うなら、今の金利と物価を踏まえた適切なタイミングを見極める
・将来の収入増加が見込めないなら、今のうちに対策を講じる
・転職やスキルアップで収入アップを目指す

私は日本経済は良くなると思っています。

そうなったときに自分の家計が豊かになるように、NISAや行動でも実行しています。

それがうまくいく保証はありません。ですが私も自身も日本人である以上、日本が新潟が良くなるように動いていきたいと考えています。

SNSでの情報を鵜呑みにせずに、実際に日本・新潟で起きていることを自分にどう落とし込んでいくかが大事です。

地域間格差というよりも、今の流れから行くと個人的格差がこれからはどうしても生まれてしまうと思います。

それをただ悲観するでなく、変化に対応できるよう、一緒に考えていきましょう!

昆 知宏
新潟住まいのお金相談室代表。新潟の住宅会社の営業マンとして働いた後、売り手の立場ではなく買い手の立場に立って住宅購入の相談ができる場所を作る為に独立した。

保険や住宅を売ることを目的にしない住宅購入専門のファイナンシャルプランナーとして、100%顧客サイドで顧客の理想とする家を安心・納得して買えるようにアドバイスを行う。そのスタイルが支持され、新潟県全域から年間100件以上の相談依頼を受けている。

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