先日TVを見ていたら選挙が近いせいか、
野党政党のコマーシャルが流れていました。
そこで公約されていた
『賃貸住宅居住者への家賃補助』
というキャッチフレーズが気になり、
新聞のネット版で記事検索をかけてみました。
(これすごく便利)
そのマニュフェストの中で、
『賃貸住宅に住む世帯への月1万円の
家賃補助による経済支援』
※ただし世帯年収500万円以下
という項目がありました。
いい悪いは置いておいて、
なるほどこれはなかなかのインパクトで
響く層は多いかもしれないと思いました。
同時に私も一瞬思ったのは、
「え?それってこれから家を買おうと
思っている人には不利じゃん。」
ということですが、それは誤解です。
この政党がそのまま政権を取ることに
なればそれは分かりませんが、
現状のルールでは持ち家が圧倒的に
有利に制度設計されています。
事実上の持ち家手当
公務員の方や職場に家賃手当が
ある方を除くと、
現状では公的な家賃補助というものは、
原則ありません。
しかし、住居を新しく取得した場合は
事実上の手当てがあります。
それは、住宅ローン減税です。
消費税10%に増税後は13年間の期間、
事実上お金をもらえるのです。
住宅ローン減税の細かい説明は、
記事には書きませんが、
ざっくりいうと住宅ローンを組んで
家を購入した場合は、
借入額の1%相当額が10年間+αもらえます。
現役世代で年収600万円くらいあって、
住宅ローンを3,000万円ほど借りれば
今後10年間で250万円ほどの受取があります。
(※今後は+3年間で8%→10%の
建物増税分の還付もあります。)
つまり何が言いたいのかと言うと、
”現状では家賃補助はないものの、
持ち家に対する補助がとても多い”
という事実があります。
ある意味これも不公平です。
銀行への利息を肩代わりしてくれる
住宅ローン減税はある意味こうも解釈できます。
住宅ローンの金利は現在長期固定でも
1%前後の水準に来ていることから、
家を建ててからの10年間は、
ローンを借りても利息を肩代わり
してくれるようなものです。
そこにさらにプラスして、
現状の政策であれば”住まい給付金”や
”次世代住宅エコポイント”もあります。
これらを活用し借入にかかる諸費用の
大半も事実上カバーできてきます。
個人の住宅購入は景気に連動している
重要な消費であるため、
極端に優遇されているのです。
住宅に関わる各種政策は、
内容はほぼそのままで一時政権交代が
あったときも含めて延長され続けています。
増税後10%のタイミングで消費が
冷え込んではならない!と、
国も神経を尖らせており住宅購入者には
強風気味の追い風であることは間違いありません。
減税終了後(13年後)ギャップに注意
とはいえ、逆に心配事もあります。
これほどまでに住宅購入希望者の
最初のハードルが下がっているので、
今は買おうと思えば多くの人が
ローンで住宅を手に入れることが
できるようになっています。
収入に見合わない借入でも、
審査に通りやすくなっています。
確かに住宅ローン減税があったり、
建ててすぐにタイミングでは
給付金をもらえたり、
新築時は固定資産税の減税(3年間※)もあり
返済は難しくなさそうに思うのですが、
(※令和2年3月までの完成に適用、延長の可能性もあり。)
減税はいずれなくなります。
給付金は一回きりです。
先ほどの3,000万円借入のモデルケースだと、
住宅ローン減税で毎年約25万円の事実上の
収入があったのですがこれがいずれなくなります。
しかも子育て世代の場合は、
保育料の無償化もありますので
家を建ててすぐで住宅ローン減税と
ダブルメリットを受けられます。
かなり大きな恩恵があり家計的には
かなり助かるはずです。
しかしこの恩恵がとても大きすぎて、
恩恵がなくなったあとの、
”大きな家計ギャップが発生する恐れ”
があります。
家を建ててから13年後といえば、
子どもが大きくなってお金がかかってきたり
住宅にも部分的に修繕が必要になってくる
時期と言えます。
住宅メーカーは修繕費はそんなすぐに
掛からないといは言うものの、
それは建物本体の話であって、
中にある設備などは地味に地味に
壊れていきます。
そうなるとローンを組んだ時は、
なんとかなるだろうと思っていた家計は
思った以上に負担がが重くなる時期が
いずれ来る可能性があることを意味します。
金利低下と複数の優遇策により
購入ハードルが極端に低い時期なだけに、
”見落としやすい”
中長期の返済計画をしっかり考えることを
はじめにぜひ行ってください。
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保険や住宅を売ることを目的にしない住宅購入専門のファイナンシャルプランナーとして、100%顧客サイドで顧客の理想とする家を安心・納得して買えるようにアドバイスを行う。そのスタイルが支持され、新潟県全域から年間100件以上の相談依頼を受けている。