【住宅購入後にかかるお金】土地建物の固定資産税とは

最近、よく聞かれる質問があります。

それは「住宅購入後に住宅ローン返済以外でかかるお金について教えてください」

確かに住宅価格の高騰によって、今まで以上に住宅に関係する支払いコストはシビアになってきています。

住宅ローン支払い以外にかかるコストも、甘く見積もっていると困ってしまうぞ…。
そう考えて、きちんと考えておきたい!というのは納得ですよね。

始めに結論をいうと、住宅ローン以外継続的に発生するコストの代表は固定資産税。税金です。

この他にも火災保険料や、家のメンテナンスコストもありますが、今日は固定資産税についてお話しします。
賃貸に住んでいた時は発生しなかったコスト。よく仕組みや金額が分からない方も多いのではないでしょうか。

家を建てる前にしっかりと計算に入れておきましょう。

固定資産税とは?

土地や建物を自ら所有すると、今までになかった新しい税金が発生します。
それが固定資産税

贅沢税とも言われ、あなたの取得した土地や建物の価値によって比例して多くなります。

また固定資産税とセットで、都市計画税という税金もかかります。
業界では、略して固都税(ことぜい)とも呼んでいます。

実際どのくらいかかるのか、例をあげて解説しますね。

土地の固定資産税の計算方法

土地の固定資産税は下記の計算式で税額を出します。

『固定資産税評価額×税率1.4%』
※新潟市の場合。他もだいたい一緒。

例えばAさんが1,000万円、Bさんが2,000万円で土地を買ったとします。

困った猫田父
1.4%だと、Aさんは14万円? Bさんは28万円?そんなに違うなら高い土地や広い土地はやめよう...

と、このように思う方が多いです。ですが、実際は違います。

大前提として、土地の取引価格(実際に購入した額)と固定資産税評価額は異なるからです。

固定資産税評価額は、実際に購入した額の約70%となることが一般的です。

困った猫田父
じゃあ、Aさんは14万円の70%で9.8万円。Bさんは、19.6万円? それでも全然違うね。

価格が倍の土地だと、税金も2倍? しかも結構な金額!持ち家って怖い!と思うかもしれませんね。

しかし、この計算も違います。

『小規模宅地等の特例』というルールがあるのです。
ざっくりいうとマイホームを建てるためであれば土地の固定資産税を大幅に減らします」というルールです。

具体的には、200㎡までの土地はなんと1/6

200㎡以上については、200㎡までは1/6。200㎡を超えた部分については1/3になります。

AさんもBさんも200㎡(約60坪)以下の土地だとすると、どうなるでしょうか。

Aさん  固定資産税評価額14万円×0.7÷6  約16,000円
Bさん  固定資産税評価額28万円×0.7÷6  約32,600円

その差は、約16,000円。

なぁんだ。倍は倍だけど、そこまで変わらないんだね。

土地の固定資産税はマイホームを建てるのであれば『小規模宅地等の特例』が適用できる。これは大きなポイントです。
マイホームを建てる目的であれば、土地についてはそこまで固定資産税を気にする必要はありません。

土地の固定資産税を意識して面積の広い土地や、価格が多少高い土地を敬遠する方は多いです。
ですが、そこまで神経質にならなくてもよいというのが結論です。

土地の都市計画税は別途計算。

また、固定資産税と別に都市計画税がかかります。

新潟市の税率は0.28%
マイホームを建てる土地については200㎡まで3分の1、
200平方メートルを超え家屋の床面積の10倍までの部分は3分の2に 課税標準額が軽減されます。

都市計画税 固定資産税評価額×0.28%÷3  

固定資産税にほんの若干だけ上乗せされるイメージです。

建物の固定資産税・都市計画税は?

マイホームを建てる場合、土地の税額は1/6まで縮小されるという話をしました。

でも周りのマイホーム住まいの方から
「固定資産税の支払いがキツイんだよね~」と聞いたことはありませんか?

ということは、あなたが実際に支払うことになる固定資産税の多くは建物の分ということになります。

建物の固定資産税は『固定資産税評価額×税率1.4%』
建物の都市計画税は、『固定資産税評価額×税率0.28%』
※新潟市の場合。

はい、土地と同じです。

先ほどと同じで固定資産税評価額は、建物の契約金額とイコールではありません。

もしイコールなら大変なことです。
3,000万円の家を建てたら、1.4%だと年間42万円。こんなの払えるわけありません。

実際はどうかというと、建物の大きさや使っている素材、設備によって評価額が変わります。

契約金額のだいたい50%くらいが固定資産税評価額になると言われています。

3,000万円の建物だと、固定資産税は3,000万円×50=1,500万円。
これの1.4%は21万円。

さらに令和6年3月31日までに新築された住宅については、最初の3年間がここから1/2になります。
つまり年間105,000円です。

※長期優良住宅の場合は、5年間まで1/2になります。

都市計画税は、3,000万円×50%×0.28=42,000円

合計すると、約147,000円(建物部分)
※建物の土地計画税に減税はありません。

ただ実際は、建物の評価額はもう少し低く出ていることが多いような気がしています。

実際私の自邸は、契約金額の40%ほどで評価額が出て来ました。

「それしか価値ないの?」となんか複雑でした。その反面、固定資産税額が低くなるので、まあその方が私たちは助かりますよね。

詳しい税額は新築後に行政の方が実際に家に見に来て計算します。
上記の計算は、あくまでも概算として捉えてください。

建物の固定資産税評価額は年々下がる

建物の固定資産税は、ずっと一定ではありません。

何故かというと、建物は年数の経過とともにどんどん古くなっていきますよね。ですので、固定資産税評価額は3年ごとに徐々に下がっていきます。

固定資産税と都市計画税の税率こそ一定ですが、掛ける元になる評価額が下がるわけです。
建物が古くなることにより価値が減っていけば、あなたが支払う税金も年々減っていくことになります。

4年目、6年目ギャップに注意

先ほど、新築住宅においては3年間の1/2の割引があるというお話をしました。

ということは、4年目から元に戻るわけです。
建物の評価額が3年経って多少下がったとはいえど、1/2の割引がなくなる。ため4年目の固定資産税が一番高くなることになります。

※長期優良住宅の場合は、5年間1/2なので6年目にそうなる。

私もそうでしたが、突然固定資産税が上がるのでびっくりします。

これは急に値上げしたわけではなく、割引が終わり、本来の税率に戻ることを意味します。

年間固定資産税の目安は?

結局いくらになるの?ということで、計算してみました。

新潟の平均価格帯である土地1,500、建物2,500万円とすると

土地の固定資産税は、1,500万円(売買価格)×0.7(評価額)÷6(小規模宅地の特例)×1.4%(税率)=24,500円/年間

土地の都市計画税は、1,500万円(売買価格)×0.7(評価額)÷3(小規模宅地の特例)×0.28(税率)=9,800円/年間

建物の固定資産税は、2,500万円(契約金額)×0.5(評価額)×1.4%(税率)÷2(新築3年間の特例)=87,500円/年間

建物の都市計画税は、2,500万円(契約金額)×0.5(評価額)×0.28%(税率)=35,000円/年間

全部足すと、156,800円となります

いわゆる教科書に書いてある方法だと上記価格。+
ですが、実際はもう少し評価額が安く算出されて納税書が来ている方が多いのも事実です。

これ以上になることは少ないと思うので、目安としてご活用ください。

結論としては、だいたい固定資産税・都市計画税は平均的な土地建物購入の場合で10~15万円の間で請求が来る方が多い。ということです。

税金で税金を払う?

このように毎年そこそこな支出となる固定資産税。実は当初は事実上の無税です。
勘のいい方はお分かりですよね!

住宅ローン減税があるからです。

住宅ローン減税は家を建てた翌年の2月15日~3月15日の間に申告をします。

そうなると、その年の3月か4月から毎年指定の口座に税金が還付されるというシステムです。
固定資産税・都市計画税の請求書は、毎年4月中旬に発送。

なんとまあ、きれいな配列でしょうか。

住宅ローン減税で戻ってきた税金を使って、そのまま納税。

なんか複雑な気持ちですね。

つまり住宅ローン減税は事実上の13年間の固定資産税免除みたいなもの。

住宅ローン減税額は、ローン残高の0.7%
ですからローンが少なくなるとそれに比例して減税も少なくなります。

建物の固定資産税も、年数の経過とともに評価額が下がる。
比例して支払う税金も少なくなります。

きれいなリンクですね。

そして、さらに勘のいい方はお気づきでしょう。

住宅ローン減税が終わった14年目以降は固定資産税だけをただ支払うことになります。

減税がなくなって、納税だけ。

このあたりは新築時に購入した家電製品、例えばエアコンとか給湯器がどんどん壊れてくる時期。家計的に、負担を感じやすくなります。

お子さんがいる方は教育費も掛かってくるので、ダブルパンチです。

このようなコストは将来支払うことが確定しているものです。
住宅購入は、計画的にいきましょう。

PS

家を建ててからもローンを支払っていけるかどうかは、短期的には適当にやっても何とかなるもの。

大事なのは中長期的な視点です。

中長期的に支払っていけるかどうかは、ライフプランを作らないとなかなか判断するのは難しいと思います。

マイホーム予算診断サービスでは短期ではなく、中長期的なあなたのビジョンを明確にすることができます。

この住宅購入ルールを知る前に、家を買わないでください

・私が自宅購入で1,000万円損しかけた実例
・住宅ローンを金利の低さで選んではいけない理由
・なぜ住宅会社や銀行が勧める住宅ローンを組んではいけないのか?
・(保険屋さんが絶対に教えたくない)生命保険のお得な入り方
・住宅展示場や完成見学会に行く前に、絶対にやること
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などなど、
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昆 知宏
新潟住まいのお金相談室代表。新潟の住宅会社の営業マンとして働いた後、売り手の立場ではなく買い手の立場に立って住宅購入の相談ができる場所を作る為に独立した。

保険や住宅を売ることを目的にしない住宅購入専門のファイナンシャルプランナーとして、100%顧客サイドで顧客の理想とする家を安心・納得して買えるようにアドバイスを行う。そのスタイルが支持され、新潟県全域から年間100件以上の相談依頼を受けている。

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