住宅価格の高騰
そのうえ、建材そのものが入ってこない!
先日からこんなニュースが耳に入るようになってきました。
これから家づくりを考える方にとって、とても心配なニュースですよね。
私が聞いている情報では、大手はしっかり在庫を抱えているようです。
そして、大手が在庫をかき集めた反動が地場の中小企業に影響をしているようです。
そこで資本力のある会社がこれ以上の買い占めをしないように『メーカーが受注制限をし、メーカー側で秩序ある供給を計ろうとしている。』というのが今の状況のようです。
ですが、果たして新潟の会社にも必要なタイミングでしっかり在庫が回ってくるのか。それはまだはっきりしていません。
むこう1~3か月は大丈夫だけど、その先の納期は不透明というところが多いです。
原料そのものがストップしているので、これは仕方がありません。
メーカー側の交通整理がうまくいくのか。
そして、大元の供給不安がいつ解消するのかによって、この問題が長引くかどうかが決まります。
日本においては、GW明けに政府がどのような雰囲気を作り出していくかでこの先の方向性が決まってきそうな感じです。何とか、原油供給がいい方向へ動いてくれることを願うばかりです。
この問題を受けて家づくり計画中の方が「家が計画通りに建てられるか」以外にもうひとつの心配を口にするようになってきました。
それは、住宅会社の倒産リスク。
これを気に掛ける方が多くなった印象を受けます。
今日はこのテーマを少し掘り下げて、どんな会社が危ないのかをお伝えします。
倒産のサインは「支払い条件」に出る
誰にでも分かりやすい倒産のサインをお伝えします。
過去に新潟で倒産した会社の多くも、見られていた傾向です。
ぜひあなたもこの条件を覚えておいてください。
それは、お客さんへの支払い条件です。
住宅業界では一般的に、支払いが3回に分かれます。
・着工時=工事開始直前
・上棟時=建物の屋根がかかった
・完成時
この3回に分けて、それぞれ約3分の1ずつ支払ってもらうのが基本です。
多少割合は変わるものの、おおむねこんな感じです。
着工30:中間30:完成40
着工30:中間40:完成30
着工33:中間33:完成34
この3つの支払方法が住宅業界では一般的な支払い方になります。
つまり、着工時点では30%~33%の支払いが標準的です。
工事前に5割以上の請求は危険なサイン
ここで注意してほしい支払い条件は、
まだ何も工事を行っていない状態で契約後すぐに大きな入金を求められる
こういったケースです。
これはかなり危険なサインです。
なぜなら本来、住宅会社は工事の進捗に合わせて資金を回収していくものだからです。
これは主に建てる側を守るためのシステムです。
出来高に応じてお金を支払ってもらうことにより、最悪倒産しても「ある程度支払った分の工事は進行している。」という状態になるからです。
引継ぎ業者を探す必要はありますが、重複して支払う工事費用が少しでも減るように、という考え方です。
それにもかかわらず、初期段階でまとまったお金を回収しようとするのは、
・手元資金に余裕がない
・先に現金を確保しないと回らない
こういった状況にある可能性が高いです。
過去に新潟で倒産した住宅会社はほとんどの確率でこの条件を満たしていました。
例えば、
着工時80:完成時20。
着工時60:中間時20:完成時20。
着工時50:中間時30:完成時20
など、工事開始前が特に多くて、中間の時点まででも8割以上の要求があるケースです。
私がオーナーや関係者であれば「なぜ?」と疑問が浮かびます。
そのような要求をされたのなら一歩立ち止まりましょう。
例外:短納期の場合は2分割の会社もあり
ただし、工期が短いローコスト住宅では、着工時50:完成時50という2分割の会社もあります。
この場合は、着工前の入金が多くなってしまいます。
ですが、中間がなく、残りは完成まで支払わないので少しリスクは小さくなります。
とはいえ、不安を感じるようであれば支払方法の変更は相談できます。
「着工前にお金を入れすぎない。」というのはあなたができる最大の防御策になります。
「価格を保証するので先に入金」は一見正しいが…
最近は原材料価格が上がっているため、着工前の入金が多いことに理由がつく場合があります。
「今のうちに入金してもらえれば、この価格で確定できます。」という説明です。
これは一見すると理屈も通ってますし、仕様が決まっているなら合理的ともいえます。
実際にそういう側面もあります。
ただし注意すべきなのは、それが資金繰りの問題(会社都合)と見分けがつかないことです。
つまり、
・価格リスク対策なのか
・資金確保が目的なのか
外からは判断できません。
だからこそ、業界的にまっとうな支払い割合になっているかいないかを見ることが重要です。
材料を確保するために、価格をキープするために工事前にまとまったお金をいれてくださいという要求は、今のこの時期であれば説得力があります。
正当性がある請求なのか、特に気を付けていただきたいなと思います。
直近の緊急倒産はとりあえずは大丈夫そう
いわゆる原油由来のナフサショックの影響で、
・材料が入らない
・工事が遅れる
・完成が伸びる
こういったことがこれから起きやすくなっています。
4月下旬現在の感覚だと1,2か月分の受注は大丈夫。だけど、その先が全く読めません。
楽観的なシナリオだと多少の工事の遅延で大きな問題にはならないという想定。
悲観的なシナリオだと半年以上の遅延になり、深刻な資金繰り問題に直面しそうな現状です。
つまり、先のことはなんともいえません。
世界的な情勢の問題なので、新潟の1つの会社にできる対策には限りがあります。
GW後の情勢によって一気に雰囲気は変わりそうですが、4月現在ではまだ楽観的に構えている業者が多い印象を受けます。
工事遅延が倒産につながる住宅会社の仕組み
住宅会社の売上は基本的に全部または部分的に「完成後」に入ります。途中の入金はほとんど材料・資材・人件費となるからです。
つまり、仕事が終わらなければ住宅会社にお金は入ってきません。
ですが、人件費(社員)や固定費は毎月発生します。
つまり、
売上が止まるのに支払いは止まらない
という状態になります。
今回は国からの緊急支援でセーフティーネット貸付というのがあり、住宅会社の運転資金については、最大7.2億まで融資で対応もできます。
そのため、通常に営業できているけど、一時的なナフサショックの影響で工事遅延してしまった住宅会社であれば、即座に倒産するというケースはほとんど起きないでしょう。
ですが、ここに先ほどのナフサとは関係なく、
・元々最近お客さんが取れていない
・競争過多で値引きすぎて利益が取れない
という会社が今回の外的要因によりじわじりと体力が削がれて、今回はしのげても、緊急融資の返済が不能となり倒産してしまう会社も出てきそうで心配です。
材料の値上がり自体はずっと続いてますし、緊急事態宣言時のウッドショックのような大きな影響もありました。
その時と大きく異なるのは、コロナの時は巣ごもり需要で住宅業界は実は活況であったことです。
今回は金利上昇と物価上昇でただでさえ逆風でした。
そんな中にナフサショックですから、前回よりも競争力のない会社は厳しい状況にあります。
とりあえず「支払い条件」に注意!
住宅購入では、家の良し悪しだけでなく、「この会社と取引して大丈夫か」という視点も欠かせません。
その判断材料として、支払い条件を事前に聞いてみるという意識をぜひ持っておいてください。
またこのご時世ですから、単刀直入に「御社は大丈夫か?」ということを聞いても私は問題ないと思っています。
「うちはやばいです」なんて言う会社はないでしょう。
事実上意味がないとも言えますが、その時に回答にあなたの中で違和感があれば、立ち止まることも一考です。
不安であれば支払い条件も(常識の範囲内であれば)柔軟に対応してくれる会社もあります。
一生に関わる金額ですので、不安のまま進めないことをおすすめします。
PS 支払い条件の先の、返済計画もお忘れなく。
支払条件はもちろん大事ですが、もっと大事なのは無理のない住宅ローンの返済計画です。
最近は金利が急騰しており、ライフプランに大きく影響を与えています。
今までと同じ感覚でローンを組むと返済不能のリスクが一気に高まっていると言えます。
無理のない住宅ローン、さらにこのご時世に失敗しない住宅購入の相談をご希望であれば、マイホーム予算診断サービスをぜひ使ってください。

保険や住宅を売ることを目的にしない住宅購入専門のファイナンシャルプランナーとして、100%顧客サイドで顧客の理想とする家を安心・納得して買えるようにアドバイスを行う。そのスタイルが支持され、新潟県全域から年間100件以上の相談依頼を受けている。